アジア・中東・アフリカで活動する国際協力NGOです。
  • JVC facebook
  • JVC twitter
  • イベントメルマガ配信中
  • 文字サイズ:大きく
  • 文字サイズ:中くらいに
  • 文字サイズ:小さく
JVC English website

こんにちは。元・カンボジア事業現地代表の大村です。

「次が最後の更新になります」と締めくくった前回の更新からだいぶ日が経ってしまいましたが、下書きしたままになっていた(!)この記事・・・更新させていただきます。

JVCカンボジア事業は、2007年から少しずつ対象地域や対象者を変えながら、最後の事業地となったシェムリアップ東部のチークラエン郡で活動を続けてきました。継続した活動を通じて対象地域では食料確保手段や食料資源の多様化が見られ、JVCの実施する農業研修に意欲的な住民も多く、研修参加者の7割以上が食品加工や食用の多年生植物の栽培を開始するなど、一定の成果を得ていました。

毎回人気だった地元食材を使用した食品加工研修毎回人気だった地元食材を使用した食品加工研修
自給の強化を目的とした農業研修自給の強化を目的とした農業研修

一方で、「実践ができているのは水が比較的容易に確保できる人」に限られており、水の確保が困難な住民にとって、家庭菜園や食品加工など生業強化のための研修を実施・提供しても実践が始められないなどの課題が一部残されていました。

そこで、2019年からは家庭菜園研修と並行して改めて水源の調査を実施し、それぞれ複数回にわたる村内会議を経て、ため池や井戸を掘削してきました。

掘削する場所を決める村内会議には毎回多くの住民が参加した掘削する場所を決める村内会議には毎回多くの住民が参加した

同時に、既に家庭菜園が軌道に乗っており自家消費用のほかに外部への販売を希望している住民に対しては、村にいながら現金収入を得られるきっかけを提供してきました。

具体的にはシェムリアップ市街地の飲食店や、車で5時間程の首都プノンペンに工房を持つハーブティーブランドと提携し、野菜や加工品の生産、出荷をおこないました。2年間で葉物や香草、ハーブティー用のドライハーブの出荷までを住民自身の手で行えるようになり、その生産や出荷は現在も続けられています。

商品は日本からも購入できます!商品は日本からも購入できます!

2020年に新型コロナウィルスが流行し、卸先の飲食店が休業となった時には、住民自身で価格や品目を調整し地元での販売に切り替えるなど、外部状況の変化にしなやかに対応する姿もありました。

「菜園の野菜の売上が安心感につながる。これまでタイで出稼ぎ中の息子からの仕送りをあてにしていたが、今は依存せずに済んでいる(50代女性)」という声や、「野菜が売れるようになってからは、コロナで収入が安定しない娘に私が仕送りすることもある(40代女性)」という声が聞かれるようになりました。

2021年、プロジェクト終了時に実施したインタビューでは、家庭菜園に取り組んだ世帯のすべてが「生産量があがった」と回答しました。研修参加前に平均約2種類だった生産品目は、約13種類になり、「寝て起きて食べるだけの暮らしより、今は食べ物があって収入もあって、農業のやり方を尋ねにくる人もいる。それが嬉しい」という女性や、「野菜が上手にできて、食べ物に困らないばかりか、販売までできるようになった。あそこの畑がすごいから見に行こう、という人も現れて、村の中で存在が認められていると感じます」と語る70代の男性の話を聞くと、JVCの活動が食(農)を基盤に村の有機的な繋がりの活発化に貢献した一面もあったように思います。

新型コロナウィルスの影響で出稼ぎから戻ってきた人の中には、「勤務先の休業が続き、やむなく村に戻ってきた。かつてJVCの研修で学んだ菜園づくりを再開し、野菜をつくることに成功した。昔学んだ技術が今、役に立っている」という人もいました。JVCが続けてきた研修技術や知識は、こうした非常時にいつでも取り出せるお守りのような存在にもなっています。

活動終了時、村の皆さんからは「JVCがいなくなっても、ここにJVCがいて、日本から支援してくれた人がたくさんいたことを伝え続けたい。そのためにも、まずは自分が実践を続けていく」という力強い言葉を聞くこともできました。

終了にあたっての声はこちらから終了にあたっての声はこちらから

事業地出身の元スタッフのポクは、JVCの農業関連書籍を引き継ぎ、長年の夢であったブックカフェを開店しました。「自分が小さい頃、本に触れる機会がなかった。子ども達が気軽に寄って、知識を得る場所を提供したい。自分がJVCで得た経験を次世代に還元したい」と語る姿は本当に頼もしいものでした。

そして2021年3月、JVCは41年にわたるカンボジアでの活動を終了しました。当然ですがJVCの活動の区切りとは関係なく、現地の方々の暮らしは続いていきます。数年後に花開く活動成果があるかもしれないし、現時点で順調に見えることがうまくいかなくなることもあるかもしれません。今後も1人の人間として、お世話になったこの地域と繋がり続け、活動で関わった村の皆さんに定期的にコンタクトしていきたいと思っています。

東京本部からの異動で駐在員となり、図らずもカンボジア事業最後の駐在員となりました。日本から見ていた以上に、現地にはたくさんの涙や笑いがあり、そして、逆境を諦めることなく進む人びとの強さがありました。「JVCのおかげで人生に楽しいことが増えた。自分の力で子どもの教育費を出すことができるようになった」と語る女性が流した大粒の涙を忘れることができません。顔の見える関係を築くことができる小さなNGOだからこその活動が、今後もJVCにあることを願っています。

活動終了から約1年、2022年の2月に正式に現地行政とのやりとりを終え現地事務所を閉鎖し、私も日本に帰国しました。これまで長きにわたりカンボジア事業を応援してくださった方々に、改めてこの場を借りて御礼申し上げます。

またどこかでご縁があり、皆様にお目にかかれる日を楽しみにしています。本当にありがとうございました。

こんにちは。カンボジア事業の大村です。前々回前回と続けて、カンボジア事業終了後の事業地の様子を紹介してきました。

立派に育った出荷前のショウガを見せてくれた事業地の方立派に育った出荷前のショウガを見せてくれた事業地の方

今回はご質問いただくことも多い、事業終了後の「JVCスタッフの今」をお届けしたいと思います。

ソマッチ

約10年にわたってJVCカンボジア事業を支えてくれたスタッフのソマッチ

事業地・コンポンクダイ出身の彼女はJVC退職後、コンポンクダイの村役場の一員として働いています。
日々の業務はCOVID-19のワクチン接種の受付や、担当地域を訪問して生活が苦しい方々の聞き取りを行ったりと、多岐にわたるようです。

JVC時代の研修講師の経験や、村の方々との細やかなコミュニケーション、インタビューなどの経験が現在の仕事にも生きているそう。

そのほか、副業として、洋服の通販サイトの運営などもやっているそうです。 カンボジアはFacebook上での洋服や健康食品、化粧品の販売がとても盛んで、私のカンボジア人の友人の多くも、頻繁にFacebookライブでものを販売しています。ちなみにソマッチは役場の職員ということで公務員ですが、カンボジアの公務員は副業が可能です。

COVID-19ワクチン接種の窓口担当の日の一枚だそうCOVID-19ワクチン接種の窓口担当の日の一枚だそう

リツ

このブログにも何度も登場したドライバーのリツさん
25年以上に渡り、JVCカンボジア事業を支え続けてくれました。

そんな彼は事業終了後、息子さんとともにプノンペンの市場に携帯電話ショップを開業。 携帯電話の修理技術を学ぶ学校を卒業した息子さんが修理担当、リツさんは新規機種販売担当として、毎日お店に立っています。

どっちがリツさん・・・?!瓜2つの息子さんとリツさんどっちがリツさん・・・?!瓜2つの息子さんとリツさん
コロナの規制で補償なしの休業や一日置きの営業が続いた時期もありましたが、ようやく毎日営業できているそうですコロナの規制で補償なしの休業や一日置きの営業が続いた時期もありましたが、ようやく毎日営業できているそうです

年齢を重ね、長距離運転はもうやらないそうですが、プノンペン近郊限定でドライバー業も継続しています。私も、事業終了後も友人たちとの小旅行のドライバーを個人的にお願いしたりしていました。リツさんの運転は誰よりも安心安全!

日帰り旅行のドライバーをお願いした日の一枚日帰り旅行のドライバーをお願いした日の一枚

私は2月中旬に現地での業務を終え日本に帰国したのですが、最後の空港までの運転も、もちろんリツさんにお願いしました。この丸4年、多い時は事業地~首都プノンペンの約5時間の長距離移動を週に1~2往復していたこともあり、本当に多くの時間をともに過ごしました。

これからもカンボジアに行った時は、リツさんが完全引退を決めるまでずっと、ドライバーをお願いしたいと思っています!

公私ともに一番、私の面倒を見てくれました公私ともに一番、私の面倒を見てくれました

ポク

最後はポク

ポクも冒頭で紹介したソマッチと同じで、事業地・コンポンクダイ出身在住の女性です。彼女はJVCを退職後、長年の夢だったブックカフェをコンポンクダイにオープンしました。

自分が小さな頃、本に触れる機会がほとんどなかったことから、いつか地元で学生が集うカフェを開きたいと昔から語っていた彼女。夢をかなえた姿はただただかっこいいです。

JVCの農業関連の書籍の一部も、このカフェに引き継ぎましたJVCの農業関連の書籍の一部も、このカフェに引き継ぎました
ご家族で一から建設。予算に限りもあるので少しずつ少しずつ大きくしていきたい!と語っていましたご家族で一から建設。予算に限りもあるので少しずつ少しずつ大きくしていきたい!と語っていました
絵本もあるので小さなお客様も遊びに来ます絵本もあるので小さなお客様も遊びに来ます
コロナで休校が続いていた近所の高校も開校し、ポクが一番来て欲しいと語っていた学生のお客様もチラホラコロナで休校が続いていた近所の高校も開校し、ポクが一番来て欲しいと語っていた学生のお客様もチラホラ

きっとこれからも、ポクの輝くような笑顔に、たくさんの人が集まるカフェになるんだろうなあ、と思います。彼女はこのカフェのほか、事業で担当していたハーブティーの原料の出荷の仕事も、出荷先の工房と業務委託を結んで続けています。 発注が入るたびにポクがコンポンクダイへの注文分をとりまとめるなどしているそうで、頼もしい活躍ぶりです。

自分がJVCで得た知識と経験を次世代に伝えたいと言うポク。次に会う日が楽しみ!自分がJVCで得た知識と経験を次世代に伝えたいと言うポク。次に会う日が楽しみ!

ちなみにポクは、カンボジア事業40年の歩みをまとめた記念映像でも、このブックカフェオープンの夢を語っています!〈22:58~〉登場します。ぜひご覧ください。

=================

以上今回は、事業終了後のスタッフの今!でした。 他にも紹介しきれなかったスタッフがいますが、インターナショナルNGOに転職したり、カンボジアのローカルNGOに転職するなど、新たな道を歩んでいます。 この40年、本当に多くのカンボジア人スタッフが在籍していましたが、自分で事業をおこしたり、転職したり、政治家になったり、海外に留学したり・・・皆それぞれの場所でJVCでの経験を生かしながら、また活躍の場を広げていくのだろうな、と思います。

さて次回が、JVCカンボジア事業ブログの最後の更新になる予定です。事業終了から早1年が経ちますが、あと少しお付き合いいただければ幸いです。

こんにちは。カンボジアから大村です。前回11月に続いて、12月も元事業地を訪れることができたので、村の皆さんの様子をお届けしたいと思います。

元スタッフのポクが同行してくれました元スタッフのポクが同行してくれました

続きを読む

【事業終了関連】
久しぶりに元事業地へ!JVCがいなくなった後は・・・

カンボジア現地代表 大村 真理子
2021年12月21日 更新

こんにちは。カンボジアから大村です。11月に、数カ月ぶりに元事業地・コンポンクダイに行くことができました。活動が終わってから8カ月。事業地はどのような様子なのでしょうか。日数が限られていたこととコロナのこともあり、それぞれのお宅に長くいることはできませんでしたが、それでも皆さんに再会できたのはとても嬉しいことでした。今回は、これまでこのブログに登場してきた方を中心に、お伝えします。

元スタッフ・ポクの家に泊まらせてもらいました元スタッフ・ポクの家に泊まらせてもらいました
久々に雨水をためた水瓶の水でシャワーと洗濯。大切に使います久々に雨水をためた水瓶の水でシャワーと洗濯。大切に使います

続きを読む

【事業終了関連】
プロジェクト終了にあたっての村の皆さんの声

カンボジア現地代表 大村 真理子
2021年10月26日 更新

こんにちは。カンボジアから大村です。前回の「活動40年映像完成!」報告記事と少し内容が前後してしまい、また、ブログでのご報告が遅れてしまいましたが、JVCカンボジア事業は2021年3月末を持ち、約40年の活動の歴史の幕を閉じました(代表理事からのご挨拶)。

長きにわたり応援いただいた皆様に、スタッフ一同、この場を借りて御礼申し上げます。本当にありがとうございました。・・・とはいえ現在は閉鎖の行政手続きの途中で、私も10月現在、カンボジアに駐在しています。この数ヶ月は行政対応に多くの時間を費やしており、このブログもまだもう少し、更新したい記事が残っています。少しずつ更新していきたいと思いますので、あと少しお付き合いいただければ幸いです。

40年間、本当にありがとうございました!40年間、本当にありがとうございました!

続きを読む

【事業終了関連】
活動40年映像完成!撮影秘話

カンボジア現地代表 大村 真理子
2021年9月29日 更新

こんにちは。カンボジアから大村です。有志で制作を続けてきたJVCカンボジアの40年をまとめた映像が、先日無事に完成しました!

1980年、カンボジア事業の始まり(=JVCの始まりでもあります)ともなったカオイダン難民キャンプでの活動記録から、最新のコンポンクダイでの映像まで、JVC創設メンバーの1人でもある熊岡路矢さん、元現地代表の清水俊弘さん、山﨑勝さんや現地スタッフ、村の皆さんのインタビューをもとに構成されています。

撮影されているスタッフのソマッチ撮影されているスタッフのソマッチ

最後の活動地・コンポンクダイでの撮影は2021年3月におこなわれました。カンボジアでは4月以降、首都プノンペンを中心に新型コロナウィルスの感染が急拡大し、ロックダウン施策などが開始したので、思えばギリギリのタイミングだったな、と思います。村の皆さんの多大なるご協力のもと、トラブルなく撮影を終えることができました。

和気あいあい和気あいあい

続きを読む

団体案内
JVCの取り組み
5ヵ国での活動
イベント/お知らせ
現地ブログ
あなたにできること
その他
特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター
〒110-8605 東京都台東区上野5-22-1 東鈴ビル4F 【地図】
TEL:03-3834-2388 FAX:03-3835-0519 E-mail:info@ngo-jvc.net