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目で見て、肌で感じて

カンボジア現地インターン 萩原 大地
2015年3月16日 更新

「カンボジアの現実をこの目で確かめたい。」

そんな思いでカンボジアに来て半年が過ぎ、いよいよインターンとしての期間を終える日を迎えることとなりました。

首都プノンペンでは次々と高層ビルが建設されています。首都プノンペンでは次々と高層ビルが建設されています。

急速な経済発展を遂げる首都プノンペンでこの国の勢いを、一大観光地と化したシェムリアップで世界中から集う人々の賑わいを、カンボジアの秘境とまで言われるラタナキリで自然の壮大さを。そして活動地コンポンクダイで和なカンボジアの村での生活を。この半年、カンボジアの様々な場所で異なる景色、異なる雰囲気を見て感じてきました。

カンボジアの農村での生活を見てきて改めて感じるのは、やはり「貧しさ」とは何なのかということです。彼らには彼らの生活があり、それを私たちが「貧しい」と決めつけてしまうのはいかがなものかと考えることもありました。日本にいた時は、話を聞いて、写真を見て、厳しい状況下での生活を余儀なくされた人々のために何かしてあげたいと思っていました。

ですが、ここで私が見た現実は少し違っていました。確かに「貧しい」と形容できるような生活がそこにあることは事実だと思います。それでも支援の絶対的必要性があるかと言えば微妙なところ。そのようなところで何が出来るのか。私たちは彼らにないアイデアを持っていたりします。それは彼らもまた然り。そのアイデアを組み合わせて少しでも彼らの生活に新たな刺激が与えられたら、それは素晴らしいことなのではないでしょうか。

支援のあり方ということでいえば、そこで求められているニーズに対してどう応えていくのかということがあるでしょう。何かをしてあげたいという自分の気持ちを否定することはできません。私も同じ気持ちを持っていましたから。しかしながら、それはやはりこちら側の一方的な好意、エゴなのだろうと思うようになりました。

一般的なカンボジアの家屋。この家を見て何を感じるでしょうか。一般的なカンボジアの家屋。この家を見て何を感じるでしょうか。

私たちが必要と感じてやったことが相手にとって全く必要のないものだったという可能性もあります。まずは誰のために、そして、どういう問題に対処するためにやるのかということが明確であることが重要です。何も学校を建ててあげることだけが支援ではありません。ここカンボジアでは様々な形の支援が行われています。

偉そうなことは言えませんが、何かしてあげたいと思ったら一度現地に足を踏み入れて現実を見ることから始めるべきだと思いました。そうすればきっと見えてくることがあると信じています。

私はこのインターン期間中、多くの時間を試験農場で過ごしました。雨季から乾季へと日々変わりゆく農場の姿を目の当たりにしてきました。現在の農場の姿は私がカンボジアに来た時とは随分と違っています。全体的に青々としていた景色も、乾季となった今はもの悲しさとところどころに感じさせます。

カンボジアに来た当初(左)と現在(右)の農場風景。カンボジアに来た当初(左)と現在(右)の農場風景。

私の農場での取り組みは、とにかく失敗続きでした。どう見ても野菜が育たないような岩のようにガチガチの土。もしかしたらと期待して野菜を植えてみたら、案の定育たない。折角芽を出した野菜も、水やりを怠って枯らしてしまうこともしばしばありました。

しかし、そうした経験は土や水の大切さを教えてくれました。それらがいかに大切かということは本などを読めばいくらでも分かります。当たり前と言われることもやってみて初めて経験として自分の中に蓄積されます。固い土と言われてもその固さは実際触ってみないことには分からないものです。そうした感覚的な経験は私にとって非常に貴重なものとなりました。

また、カンボジアにはカンボジアの農業のやり方があります。その意味ではこの地で農業をやってきた農家のほうが私たちよりはるかに多くのことを知っているはずなのです。科学的に実証されてないことでも自然とこの地に適した独自のテクニックを持っていることもあるので、彼らから教わることというのは実は多いのです。私たちには現地の知恵や技術を謙虚に学び続ける姿勢が求められるのだろうと思います。

「正しいを疑う。」

この6カ月の間、常に何が正しくて何が正しくないのかということを考えていました。自分が正しいと思うことを信じることは素晴らしいことです。ただ、それを信じるがあまり周りが見えなくなったり、周囲の声が聞こえなくなったりしてしまうことはないでしょうか。

右も左も、表も裏も全部見たうえで歩むべき道を決める。時に立ち止って、冷静に周りを見つめて「本当にこの道で合っているのか。」と問いかけることが大切なのではないか、と思います。

国際協力というのはその名だけでとても良いことをしているように思われがちです。しかし、そうでない現実も当然あります。プロジェクトを行う中で上手くいかないこと、これは失敗だということは日々起こり得ます。支援の結果としてあまり好ましくない方向に向かってしまうこともあるでしょう。国際協力分野で行われている支援のすべてが良いこと、正しいこととは限りません。

だからこそ、JVCの活動を支援してくださる方々、この分野で働きたいと考えている方々、この「カンボジア現地通信」を見てくださっている皆様に、ここカンボジアで何が起きているのかということを想像し、考える機会を持っていただきたいという思いで原稿を書き続けてきました。

好奇心の赴くままに。好奇心の赴くままに。

私の稚拙な文章でどこまで皆様に私の気持ちを伝えられたかは分かりません。私には私の視点があります。ですから、私が見てきたことのすべては皆様にはまったく異なるものに見えるのかもしれません。もし私の文章を読んで少しでもカンボジアに興味を持っていただけたら大変うれしいですし、ぜひ一度、この地に赴き皆様の視点でカンボジアの現実を見つめて欲しいなと思います。

半年間どうもありがとうございました。

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