現在、環境教育プロジェクト(EE)のリーダーを務めるテロアット。彼女がJVCで働き始めたのは2012年の3月のこと。来月でもう3年になりますが、ここ数カ月で彼女を取り巻く環境は大きく変わりました。EEチームの彼女以外のメンバーは全員入れ替わり、その結果として最古参であった彼女が新たにリーダーを任されることとなったのです。これまでとは違って責任ある役割を果たすことになり、やる気に満ち溢れる彼女に少しだけ話を伺いました。
テロアットは非常に優しい性格の持ち主で、現在JVCカンボジアに在籍するスタッフの中では抜群に面倒見が良く、チームのまとめ役にはもってこいの存在と言っていいでしょう。力強くみんなを引っ張るタイプのリーダーではないものの、チームに一体感をもたらす不思議な魅力の持ち主でもあります。そんな彼女がリーダーの役割として挙げるのが、プロジェクトへの深い理解と人材育成です。
彼女を除くEEチームのメンバー2人は今年になってからJVCで働き始めたばかりのため、プロジェクトへの理解度が低いというのが現状です。チーム一の古株として、そんな彼らのために出来ることは自分が誰よりもプロジェクトのことを深く理解し、教え伝えることだと彼女は話します。ふたつ目の人材育成については、テロアットが特にこれから力を入れていきたい点だそうです。
「私の夢はプロジェクトの完遂にとどまらず、私たちスタッフがより高みに到達すること。」という言葉から彼女の強い思いがひしひしと伝わってきます。そのために私は全力で彼らの手助けをするし、彼らには私を超えていってほしいとも話す彼女がどのようなリーダーシップを発揮しチームを導いていくのか楽しみで仕方がありません。
話を聞く中でしきりに「新しいことにチャレンジしたい」という思いを口にしたテロアット。その思いの裏にはこれまでやりたいと思ってきたことが出来なかった悔しさがあるそうです。新しいことをやるのが好きという彼女ですが、リーダーとなる前まではその思いをなかなか表に出せずにいたと言います。それは環境的な制限や能力的な限界があったことが理由だとしています。
しかし、今は環境も変わり、過去とは違う自分についても「確実に以前よりも成長している。」と自信を見せています。悔しさをバネに成長と遂げた彼女は今まさに飛躍の時を迎えようとしています。
彼女の言葉はどれも非常に自信に満ち溢れています。「以前よりも責任のあるこの立場を喜んで引き受ける。私には出来る。」というたくましい宣言には頼もしさを感じずにはいられません。それでも「リーダーとしての自信はあるけど完ぺきではないし、まだまだ。」と謙虚な姿勢も忘れることのなかった彼女はきっといつか私たちの想像をはるかに超える高みに到達してくれることでしょう。