11月27日、地域の方々を巻き込んでの一大イベント、植林キャンペーン(TPC = Tree Planting Campaign)が盛大に行われました。このイベントは、植林を通じて自然資源の保護と持続可能な社会への関心を持ってもらうことを目的としています。
ビデオ上映会
TPCに先がけて、事前の啓発活動の一環としてビデオ上映会がありました。近くの村の小学校などの場所を借りて、2日間にわたり夜間に開催されました。昼間は農作業や学校で忙しい方が多いので、より多くの人に参加してもらおうとの配慮から、夜間に上映しています。ビデオの内容は、木が失われることのインパクトやどのように森林の保護をしていくべきかというもの。
スタッフからの質問等を交えながら、森林保護の重要性を伝えました。2日間ともビックリするほど本当に多くの方が参加してくれました。子供たちも大画面の映像に興味津々。上映が始まると食い入るようにスクリーンを見つめていました。夜間の開催でありながら、スタッフもMCで自慢の話芸を披露するなど楽しんでいました。
頑張りました!!
TPCは非常に規模の大きなイベントでしたので、準備もそれなりに大変でした。TPC実行委員会を作ることから始まり、コミューン長などのお偉いさん方とコンタクトをとったり植林用の苗木を運んだり、早朝から会場準備に追われたりと大忙し。スタッフのやる気や準備に勤しむ姿勢からいかにこのイベントを重要と思っているかがひしひしと伝わってきました。
気合の入ったスタッフは準備での疲れもみせず、しきりにスケジュールの確認をしたり記録用の写真撮影をしたりと、イベント当日もせっせと仕事をこなしました。大きな仕事はそれなりにやりがいがあるのでしょう。みんなの先頭に立って指揮をとるスタッフが少しだけ格好良く見えました。
植林活動は子供たちをまとめるのにひと苦労。元気いっぱいの子供たちはなかなか言うことを聞いてくれません。スタッフも「俺の手には負えないよ。」とか言ってしまうほど。いや、それはあなたの仕事だから頑張ろうよって感じですけどね。木は、ながーい一本道のわきに3m間隔でひたすらに植えていきます。
男の子は力を見せつけるように鍬を使って穴を掘り、女の子がていねいに木を植え、そこに一緒に水を与えてという感じ。子供たちが笑顔で木を植えている姿を見るのはいいもので、自分もつられて笑顔になってしまいます。子供たちの成長とともに植えられた木々も大きくなっていくのでしょう。ビデオの上映から植林まで、一連のTPCの活動で自然資源保護への意識が少しでも高まってくれたらうれしいですね。
誰も知らない
ひととおり木を植え終わると、みんなは集合場所へと戻っていきました。その集団の一番後ろで、ほかの子たちをよそにカゴを持って歩く2人の女の子。2人はみんなから大きく離されているにも関わらず淡々とゴミを拾い続けていました。彼女らが集合場所に戻ってきた頃には、ほかの子たちはすでに解散となって一斉に帰路に着きました。誰が見ていたわけでもない。誰かが気づくこともなかった。だから彼女らがゴミを拾いながら元の集合場所へ戻ったことを知る人はいない。
彼女らが何を考えこのような行動をとったのかは分かりません。それでも自分は彼女らの行動に拍手を送りたい。全部のゴミを拾ったわけではないのですごくキレイになったというわけではないんです。少なくともこのTPCの活動で出たしまったゴミは拾える範囲で拾っていました。自主的にこういう行動がとれたことが、単純に素晴らしいなと思うのです。
スタッフの努力は実を結び、イベントは大盛況のうちに終了しました。そんな成功の陰には、誰も知らない小さな貢献がありました。