「うん。そうだね。ハハッ。」
意気込んで始めたトマトの栽培はあっけなく失敗に終わりました。栽培が上手くいかなかったことを農場長ソカーに伝えたところ、冒頭の返事が返ってきました。失敗した悔しさよりも、そのことを鼻で笑われたこの悔しさはこの先もきっと忘れないでしょう。「あなたもたくさんトマトを枯らしてきたじゃないか」とはさすがに言えませんからね。
しかし、肥料を与えるタイミングや日々の観察等、自分自身の管理が甘くトマトを枯らせてしまったのは事実でありますので、今回の反省を生かして再度挑戦したいと思っています。失敗は成功のもとですからね。一度の失敗で諦めるつもりは毛頭ありません。いつかソカーを見返してやりたい...。
さて、今週の農場の出来事はというと、とうとう魚がやってきました。そうです、新メンバーとは彼らのことです。大量のナマズ、ティラピア、その他2種類の計4種類の魚が農場の仲間入りを果たしました。その数なんと総計で900匹ほど。ソカーは、昨年の失敗を繰り返すまいと(いうことは定かではないですが)やさしい目で彼らを見守り、丁寧に毎日餌やりを行っています。そんな魚たちは、事務所の近隣の村にある養殖場で購入しました。広々とした養殖場には何種類ものたくさんの魚が飼われていたのですが、これにはみんな大興奮。
一緒に魚を購入しに行った農場従業員のトーおばさんとソチェット君、そしてソカーの3人は満面の笑みでパシャパシャと写真を撮ったり、ふざけ合ったりととにかく楽しそう。何とも言えない微笑ましい光景に傍から見ていて自分も笑顔になれました。
購入してきた魚は、毎週体重を量り成長度合いを見ていきます。一度に10匹ごとの体重とその週に与えた餌の量を計測することで、どのくらい餌をあげるとどのくらい体重が増えるかといったことを調査します。こうした観察や計測は野菜栽培においても有効なものとなるかと思います。毎日の観察を通じて野菜がどう成長するのかという過程を記録することで、どうしてその結果に至ったのかということを推察することが出来ます。地道な方法ですが、それを辛抱強く続けることこそ自分たちが農場でやっていくべきことなのだろうと思います。
その繰り返しの中でスタッフが自分の取り組みに自信を深めていくことで、堂々と農家の方々に技術やアイデアを提供できるようになることを期待しています。スタッフ自身が自信を深めることで教えることに喜びを感じられるようになれば、きっと積極的に学びの機会を作るようになるのではないかと思います。やはり、農場は農家の方々と繋がることに存在意義があるはずです。スタッフと農家、双方にとっての学びの場としての農場が目指すべきところではないかと最近はぼんやり考えています。小さなことから一歩ずつですね。
最後に、先日農場で不思議な出会いがありました。蛇とサソリ。いやー、びっくりです。日本に比べて虫やら動物やらには頻繁に出くわすわけではありますが、まさかこのお二方にお目にかかろうとは。しかも同時に。お二方は農場長の判断で彼らは新メンバーとして受け入れられることはなかったのですが、それはそれは印象深いご対面となりました。
これからも引き続き毎週、農場や村の様子をお伝えしていきたいと思いますので、どうぞご期待ください。