2014年10月の記事一覧
未知の世界に飛び込んできて早2カ月。模索を続ける毎日を過ごしています。今週は農場の仕事を少し休んで、スタッフと共に活動地の村を回ってきました。ここ数日は激しく雨が降る日が続いたために、村へ出向くのにもひと苦労。村への道は決してキレイに舗装されているわけではありませんので、ボコボコであるのに加えてそこに水が溜まった道をバイクで慎重に走るのですが、時に「えっ...」と言わずにはいられないような道をも進んでいきます。
自分は基本的にスタッフの後ろに乗せてもらうので、そんな険しい道程もアトラクション感覚で楽しんでいます。そんな悪路を乗り越えて辿り着いた先にもさらに困難が待ち構えています。雨の影響は道だけではなく、当然家庭にも及びます。土地の一部が浸水している家庭は珍しくないので、JVCが池を支援した農家も例外ではありません。
支援した池の様子を伺いに出向いた農家は、池に辿り着くために水に浸かって歩かなければいけないほど。これでは池の周りに植えている野菜等の管理も大変です。庭先も水に沈んでしまっては野菜栽培も出来なくなってしまいます。雨季は水があるというメリットがありますが、洪水などの被害に見舞われる可能性も孕むというデメリットもあります。
「うん。そうだね。ハハッ。」
意気込んで始めたトマトの栽培はあっけなく失敗に終わりました。栽培が上手くいかなかったことを農場長ソカーに伝えたところ、冒頭の返事が返ってきました。失敗した悔しさよりも、そのことを鼻で笑われたこの悔しさはこの先もきっと忘れないでしょう。「あなたもたくさんトマトを枯らしてきたじゃないか」とはさすがに言えませんからね。
しかし、肥料を与えるタイミングや日々の観察等、自分自身の管理が甘くトマトを枯らせてしまったのは事実でありますので、今回の反省を生かして再度挑戦したいと思っています。失敗は成功のもとですからね。一度の失敗で諦めるつもりは毛頭ありません。いつかソカーを見返してやりたい...。
日本という恵まれた環境で育ってきた自分が、「途上国」と呼ばれる国の「貧困」とされる現状を見たら何を感じるのか。
そんな興味から大学で国際協力を学び始めました。大学の講義ではそれは悲惨な世界の現状や目を覆いたくなるような事実を突きつけられました。「世界ではこんなことが起きている」「問題の解決のためにこんな取り組みが行われている」そんな話を毎日のように聞いてきました。しかし、自分はそうした世界の様々な問題をどうにか解決したいというような思いはほとんどなく、自分の目にはそうした世界がどう映るのか、何を思うのか、無責任ではあると思いますがそのことだけに関心がありました。
改革とは言っても大したことをやっているわけではないのですが。どんなに格好つけてみても地味なものは地味ですから。たとえ地味であろうと農場は毎日少しずつ変容していきます。毎日のように小さな改革があちらこちらで起こっているのです。
まずは池作り。去年、小規模養魚に失敗したため、人一倍、魚への思い入れが強い農場長ソカーが指揮を執り、農場内に新たに池を作りました。昨年掘った小さな池があるのですが、それを多少拡大し、形状を整えるために、灼熱の日差しに照らされながらひたすら土をかき続けました。
ただでさえ暑いのに炎天下で作業すればもう汗が滝のように流れ出してきます。どうしてカンボジア人はこの暑さの中、長袖で作業しているのだろうか、不思議でしょうがないですよ。