6月28日から3日間、カンボジアのシェムリアップでCSO開発効果第二回世界大会が開催されました。CSOというと、日本ではまだ耳慣れないかもしれませんが、日本語では、「市民社会の団体」という意味で、NGOはもちろん、環境グループや女性グループ、人権団体、労働組合、協同組合、独立したリサーチ団体など多岐にわたり、その利益を公のために活用する団体などと定義されています。今回は、この大会に参加しての報告をしたいと思います。
CSO開発効果8原則
昨年9月に第一回大会がトルコのイスタンブールで開催され、そこではCSOとして今後実施すべき8原則が採択されています。
- 1.人権と社会的正義を尊重し推進する
- 2.女性と少女の人権を推進し、ジェンダーの平等と公平性を実現する
- 3.人々のエンパワーメント、民主的オーナーシップと参加に焦点を当てる
- 4.環境の持続性を推進する
- 5.透明性とアカウンタビリティを遵守する
- 6.公平なパートナーシップと団結を模索する
- 7.知識を創出、共有し、相互学習に関与する
- 8.プラスの持続的変化の実現に寄与する
第二回CSO開発効果世界大会の概要
今回の第2回大会には、70カ国から240名が参加しました。NGOを始めリサーチ団体・労組などCSOアクターが各国から集まり、上記8原則を実施するための行動基準やガイダンスについて検討しました。小グループに分かれて検討した結果、全体に修正・追加・削除が大きくされたものの、国によって使用言語や意見の相違もあり、私は2日間しか参加できなかったために、その時点では採択されなかったのですが、その後、主催したオープンフォーラムのHPに、修正版(英語)が掲載されています。
【参考HP】
http://www.cso-effectiveness.org/spip.php?page=rubrique&id_rubrique=52&lang=en
より効果的なCSOの活動のために
8原則の他、Accountability(説明責任)とEnabling Environment/standardsも非常に重要で、前者は、政府にも当然求められますが、CSOとしてAccountabilityを強めることが開発効果を促し、同時に我々にとってチャレンジでもあること、後者は法律や制度、政治などの政策環境を整え、各アクターが相互に関係することでCSOとしての活動効果にインパクトを与える、とされています。
日系NGOとして、国際的プロセスに関わる意義を強く感じたと同時に、NGOワーカー一人一人が、CSOで働く認識を持ち、ネットワークや団体及び個人のキャパシティーを強化していければと思います。