JVCは、農家が、農業や環境についての情報を得やすいよう、カンボジアのNGOや地元の農民協会と協力し、草の根文庫的なCRCの支援を始めました。
先の現場便りでは、CRCを利用した農家の声をご紹介しましたが、ここでは平和NGO「Dhammayietra(ダーマイェートラ)」が支援するバンテアイメンチャイ刑務所の図書室の利用者の声を紹介しましょう。
所内では、囚人の食料が足りず、野菜を育てています。カンボジアは人口の7割が農家です。収量が増える農業技術を学べば、実践して食料が得られるだけでなく、出所後の生活改善に役立ちます。バンテアイメンチャイ刑務所で、本を読んだ囚人から、手紙が届きました。
※個人のプライバシーを守るため、本名はふせてあります。
1.農業部門の方へ。
私の名前は、A(仮名)です。28才、男です。私は『池と稲田での家族の魚の養殖』を読みました。
私は、この本『池で魚の養殖』を読むことに大変、関心を持ちました。なぜなら、この本は、実践が簡単な魚の養殖の方法について、活動と説明を示していたからです。これら活動と説明が示している方法を、自分で実践するのは簡単だと期待しています。またこれは、将来の私の生計を救済し助けてくれるかもしれません。
農業の本『池での魚の養殖』を読む時、私は非常に集中するように、努めました。なぜなら、これは、私が池で家族のために魚の養殖を実践し、私は家族の生活のために魚を市場で売る事もでき、私がよい人間になるようにしてくれる教えだからです。
私は農業部門の方に非常に感謝しています。もし上記の私の文が間違っていたり失礼でしたらば、どうぞ私をお許しください。
2007年4月5日
2. 私の名前はB(仮名)です。
私は本を読み、魚の養殖についてもっと理解し、非常に感動ました。
今、私はこの魚の養殖の方法は、もし私が刑務所から釈放されて自由になり、少しお金があるなら、私の家族の将来にとって私の重要な仕事として、自分で実践したいと思っています。
私は、私が魚の養殖について読み、もっと理解できるようにしてくれた本の支援をしてくださった日本国際ボランティアセンター(JVC)に、非常に深く感謝しています。
最後に、私はJVCが、いつも幸運と健康と成功に恵まれるよう、願っています。
3.私の名前はC(仮名・男)です。
私は『養鶏』の本を読んで非常に感動しました。どのように鶏を育て、世話をするか、もっと理解しました。
刑務所から釈放されて自由になり、十分な可能性があるなら、私は養鶏を自分の仕事として選びたいと思います。 私は、自分がより理解を深められた養鶏の本をご支援くださった日本国際ボランティアセンター(JVC)に非常に深く感謝します。
最後に、JVCがいつも良い健康と幸運に恵まれるよう、私は願っています。
4.私の名前はD(仮名)です。
私は図書室の『豚の病気』の本を読んで、非常に感動しました。私は刑務所を出所したら養豚を実践したいと思います。養豚をやる可能性が十分にあるなら、私は治療法と良い餌のやり方に、目を向けます。
私は、私が家畜の育て方について読み、よく理解するために、本を配り、ご支援くださった日本国際ボランティアセンター(JVC)に非常に深く感謝しています。
最後に、私はJVCが良い健康に恵まれ、全ての面で成功するよう、願っています。

5.状況分析の手紙。
私の名前はE(仮名)です。36才、男です。
私はバンテアイメンチャイ刑務所の4号室に滞在しています。私は、JVCがバンテアイメンチャイ刑務所に支援してくださった『家畜を育てる技術』の本を読み、とても関心をもちました。
これらの本を読んで、良いと思ったのは次の2点です。
(1)もし、JVCが支援してくださった本の技術と同じように家畜を育てる事を実践し始めたら、私は私の家族のためにもっと収入を得ることができます。
(2)私は、家畜の育て方の技術について、よく理解ができました。
私は、村のコミュニティーと刑務所の人々に次のようなアイデアを提案したいと思います。私は、異なる技術に関する本を読みましたが、研修や指導と実践が無いので、50%しか理解できていないと思います。
・私は、自分自身を信用してません(自信がありません)
・私は、お金が無いので、何かを危険にさらす事はしない(リスクはとらない)
・私は、モニターと評価が足りない。
私は、これらの本をバンテアイメンチャイ刑務所に支援してくださった方々に、とても感謝しています。皆様が、いつも幸せであることを願っています。
バンテアイメンチャイ 2007年4月5日
資料情報センター(TRC:Trainers' Resource Center)とコミュニティ・リソース・センター(CRC)の概要
JVCは、1994年にTRCをプノンペン市に開設し、生態系に配慮した農業、農村開発、環境等に関する国内外の書籍、視聴覚資料などを集め、現在、図書室は約6000点を有し、無料で貸し出している。図書館の整備が遅れているカンボジアにおいて、重要な役割を果たしている。主な利用者は、農業や環境について学ぶ大学生や教員、研究者、この分野で活動するNGOや国際機関のスタッフ、カンボジア省庁スタッフ、である。また、2006年から、農家が使いやすいよう、現地NGOや地元の農民協会などと協力し、2007年に地方に草の根文庫的なCRCを7県10ヶ所に支援した。特に、農家にとって新しい農業技術の教材で使いやすい物や、視聴覚教材などを貸し出している。
あなたのサポートが村を変える。
約500円で、環境や農業の本を1冊、資料情報センターに支援できます。
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