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JVC持続的農業・共同体開発(SACD)事業スタッフ研修報告

JVCカンボジア現地代表 米倉 雪子
2006年3月14日 更新

昨年12月の「プロジェクトの動きから」で簡単に報告しましたスタッフ研修について、企画とコーディネーションを担当した、カンボジア現地代表米倉からお伝えします。

2005年10月31日〜11月8日にかけ、各国でJVCの持続的農業・共同体開発(SACD)事業を担うスタッフがカンボジアに集まった。JVCカンボジアのSARD事業を起案したアルデンドゥ・S・チャタジー氏をインドから招き、研修を行なったのである。目的は、タイ、ベトナム、ラオス、カンボジア、南アフリカで、小規模農家が生計を改善するよう持続的農業の普及や住民による自然資源管理やコミュニティーの相互扶助を強めるグループ活動を担うスタッフが、活動の質を高めるために必要な力をつけることだった。具体的な目標は、
1)スタッフが 「エコロジー」、「エコシステム」、「持続性」などの基本的なコンセプト、そして「農業」、「自然資源管理」、「開発」、「コミュニティー」など関連するコンセプトも理解すること。
2)スタッフが外部者としての役割を自覚すること。
3) SACDプロジェクトを企画、実施、モニター、評価、改善(プロジェクト・サイクル・マネジメント)ができるようになること、だった。

この研修を企画した背景には、JVCは各国でSACD活動を10年以上、実施してきたが、日本人と現地人スタッフの頻繁な人事異動がある一方、過去の経験の蓄積が体系だてて行なわれておらず、後継者に充分に引き継がれていない面があり、SACD事業を推進する日本のNGOが希少な中、もったいないと思われたことがある。また、現在、SACD活動を現場で担うスタッフが、現活動の質をあげ、よりよい斬新な企画を考え実践できるようになるには、さらなる研鑽が必要であることを、各国の現場で感じていたことがあげられる。

チャタジーさんチャタジーさん

企画についてのブレーンストーミングは1年前に始まった。チャタジーさんが2004年にカンボジアを再訪した際に、JVCカンボジアのSARD/TRC現地スタッフに対して3日ほど研修をして下さったことがきっかけだった。チャタジーさんが10年前にSARD/TRCを立ち上げた時に研修を受けたことがある古株スタッフは2人しか残っていなかった。初めて研修を受けたスタッフ達は啓発され、これでは足りない、また研修を受けたい、と希望した。一方、JVCの現地スタッフの継続的な能力強化には、各国の日本人担当者が力量をつけることが不可欠と思われ、当初は日本人担当者向けの研修にしようと考えていた。しかし、各国の現場からは、ぜひこの機会に相棒の現地スタッフの能力強化も行いたい、と強い希望が出たため、日本人と現地スタッフの両方を対象とすることにした。ただ研修では通訳をいれずにチャタジーさんと直接、対話をしながら学ぶ点が重要なので、その条件を満たすため、研修は英語を共通語として行ない、現地スタッフ参加の場合は英語で対話ができること、が条件となった。これにより英語はできないが村での活動に優れるスタッフが参加しにくくなってしまったことは残念だったが、研修後、各参加者は学んだことを帰国したら他の同僚に共有することも条件とした。これは、過去のスタッフが、後継者に自分の知見や経験を充分に伝えきれずに去っていったという教訓にもとづく。また、過去に研修や研修旅行の後、学んだことを実践するという面が弱いことも教訓としてあがっていたので、参加者は現場にもどったら実践を試みることを心がけるよう、促された。

最終的な参加者は、対話式の研修なので参加人数は20名以下に抑えたい、というチャタジーさんの意向をくみ、チャタジーさんを含め、総勢19名(うち女性10名)となった。タイから参加できず残念だったが、ベトナムから5人(伊能、栗原、フン、フオン、ニャー)、ラオスから3人(名村、新井、フンパン)、南アフリカ1人(小林)、カンボジア7人(山崎、米倉、ヴィラク、ソチアット、ネアリー、チンダ、ソヴァニー)、東京事務所3人(壽賀、川合、鈴木)が参加した。
3日座学、3日フィールド、3日座学で計9日間をかけた。長いようだが、一つ一つの内容が濃かったため、もりだくさんの研修となった。

今回はカンボジアSARD事業の活動地でフィールド研修を行なったが、研修中に参加者は日頃、自分が担っている事業の経験をふりかえって考察する機会も多く、各国の日本人・現地スタッフの交流も深まった。お互いの各国事業について紹介しあうまとまった時間を、とらなかったことは反省点として残った。

この研修で学んだことを、いかに各人が現場で生かしていくかで、この研修をやってよかったかどうかが決まる。カンボジア事務所では研修後、参加できなかったスタッフに対して数日かけて研修内容を共有した。SARDスタッフの中には、研修直後のSARD中間レビューや年末レビューにおいて以前よりも慎重にデータを収集・分析したり、新活動地でも学びを生かしたいという意欲をみせる者もおり、今後が楽しみである。

「幼苗一本植え」の実践を見学する「幼苗一本植え」の実践を見学する

最近注目を集めているカンボジアNGOのCEDACが勧める「幼苗一本植え( SRI:system of rice intensification)」を見学した。農家の中で最初に「幼苗一本植え」をやった篤農家のメイソムさんは、当初、周囲の人たちに「1本で苗を植えるなんて!」と驚かれたが、一本の苗で多くの収量を上げるのを見た周囲の村人は次々と彼のやり方を見習うようになった。彼と一緒に活動する農民グループは、最初 8人だったが、現在は彼の村だけでも35人に増えている。

農民協会の話を聞く農民協会の話を聞く

篤農家が繋がり、農民協会を作っている。農民同士がお互いに工夫した知恵などを話し合い、励ましあい、さらに活動は、他の村の農民協会との交流へと広まっている。化学肥料を使わず、有機肥料で農業を行う研修などを、農民自身が講師となり実施している。貯蓄グループのリーダーに来てもらって話を聞いた

持続的農業・共同体開発(SACD)研修持続的農業・共同体開発(SACD)研修

カンボジアの伝統的な木の家を改築して作ったタイ料理屋のバンタイレストランで研修が行われた。プノンペンの街中でありながらオープンエアーで、周囲を樹木に囲まれたレストランは、実にゆったりできる場所でした。みんなでくつろぎながらもチャタジーさんの哲学のような「自然とは?」「エコロジーとは?」「開発ワーカーとは?」という話は尽きることなく、各現場が直面している壁や問題を根源から問い直す作業を行ったのでした。


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