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「開発」のあるべき姿を考えた

11期インターン 金森 史明
2009年3月10日 更新

11月のことですが、FASID(財団法人国際開発高等教育機構)が実施している「NGOディプロマコース(2学期)」の海外フィールドワーク研修」がタイで行われ、僕がお世話になっている森本薫子さんがコーディネーター兼通訳として関わっていた関係で、そのお手伝いという名目でこの研修に同行することができました。

この研修の内容は「NGOと住民主体の開発」というテーマに基づいて、コンケン県ポン郡の朝市を見学したり、この朝市を運営している委員会の人たちや、タイ国内や地元の課題・問題に取り組んできた人たちの話を聞いたり、村の中でテーマを決めてそれに沿って調査やその結果をまとめるという実習をしたり等、充実したものでした。また、参加者の方々は経験も意見も豊富で、参加者の方々と話をすることもとても勉強になりました。

タイで生活していて開発や国際協力について考えることがよくあったのですが、この研修に参加しいろいろな人の話を聞き、また僕も話すことで、これまで漠然と考えてきたことがなんとなく形になった気がします。開発や国際協力とは、その対象の国や地域に住む人々に、自分たちで自分たちの課題・問題を何とかしようという姿勢とそのための力を手にすることができるようにすることではないかと考えるようになりました。その国や地域の人々が、進むべき目的・目標やそのための手段・方法をまず考えるようにならなければ、開発や国際協力は不要だし無意味(ともすれば有害)なものになってしまうのではないかとも思うようになりました。
 そして、ここ(ヤソトン県ルーンノックター郡)に来て、グリーンネットや農民グループの活動を見たり、話を聞いたりして少し考えが変わりました。ここでは有機農業で作った米を生産者会員(95%が農民)から買い取り、ヨーロッパなど海外の国にフェアトレードという形をとって販売しています。これらはタイ人が始めたことなのでその点はすばらしいと思うのですが、「ここはどうなっているんだろう」と思うことがでてくるようになりました。それは主にフェアトレードについてのことです。
 フェアトレードは経済的に貧しい人々を支援することや生産者が適正な利益を得られるようにすることを謳っています。これはこれですばらしいことですし、実際に助かったり恩恵を受けられたりしている人々がたくさんいることを僕は理解しているつもりです。
 しかし、フェアトレードは生産者を、その仲介団体や顧客への依存体制に組み込むという側面・恐れがあるのではないかとも思うのです。現に、ここのグループでは生産者から買い取った米はすべてグリーンネットに売っています。もし、フェアトレードの仲介団体や顧客がいなくなってしまえば、生産者はまた元の困窮状態に戻ってしまう恐れもあるのではないでしょうか。また、仮にそのフェアトレードの製品が米や野菜など食べられるものならまだしも、民芸品など食べられないもので、それを生産するために米や野菜を作らなくなったり、米や野菜を作っていた土地をその民芸品の材料を作るところにしてしまっていたら、前よりもっと悪い状況になってしまうでしょう。あえて言えば、企業などが換金作物の単一栽培を勧めるのと変わらない部分があるとも思っています。

とはいえ、僕はフェアトレードが悪いものであるとは思ってはいません。フェアトレードでは生産者に適正(公平)な価格が保障されているというすばらしい点があることも理解しています。それでも、結局は生産者を経済の流れや枠組みに固定させ、経済的な問題から解放されることはない気がします。

FASIDの研修そしてルーンノックター郡滞在を経て、開発(外国に対してだけでなく自国や地元地域のものも含めて)や国際協力は外部(外国)の何か(団体とか顧客だけに限らず)への依存体制を確立・助長するようなものでは不十分だと思うようになりました。また、こういった問題は、経済の規模(金額もそうですが、その範囲)が大きいことや経済的価値が最優先されることに原因があるようにも思います。
 これからは、外部への依存を減らし、自立=足元・地域内での自給・循環を確立させ、経済的には低い価値しかつけられないものの見直しや保護および活用していくこと(=経済的価値や指標一辺倒な状況、経済の流れ・システムの変更や脱却)を目指していくようなあり方・方法が必要だとも思います。そして、このことは途上国よりはむしろ先進国にこそ必要なことだと感じています。


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