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現地ブログ from 南スーダン

南スーダン日記

泥沼化した紛争の中で人道危機が叫ばれる南スーダン。紛争下の人びとの生活とJVCの支援活動について、担当の今井がお伝えします。

キャンプ①には、難民キャンプの子どもたちのために設立された小学校があります。

トタン板の屋根に竹材の壁という教室で、入学前の幼稚園クラスから5年生まで、計6クラスが運営されています。1月に先生と協力してキャンプ内の家庭を訪問し、通学していなかった子どもも含めて300名の児童名簿を作成しました。そして2月にノート、鉛筆・ペン、消しゴムなどの学用品を配布しました。

写真は今年2月に配布したときの様子です。

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JVCは現在、南スーダン、首都ジュバ郊外の「マンガテン国内避難民キャンプ」で活動を続けています。

現在は治安などの問題から現地事務所に日本人職員は駐在していませんが、 現地の南スーダン人スタッフと連絡を取り、そして日本からの出張も繰り返しながら 事業を継続しています。

今回は、2018年1~6月の活動の様子をお伝えします。

マンガテン国内避難民キャンプとは...

マンガテンは、ジュバ市内の西北に位置するムヌキ地区の北側に位置します。
2013年12月に勃発した大統領と副大統領派の内戦により、 この地域に南スーダン各地から避難民が流入したため、2015年に難民キャンプとして設立されました。

キャンプは①と②の2つに分かれており、両方あわせて約600世帯が居住しています。

マンガテン難民キャンプでの2018年1~6月の活動

この3回に分けてご紹介したいと思います。

【2017年11~12月南スーダン現地レポート】
子どもたちに教育を 学用品の支援(完)

人道支援/平和構築グループマネージャー(南スーダン緊急支援担当) 今井 高樹
2018年3月 6日 更新

11月~12月に行った現地出張でみた現地の状況や活動の進捗について、何回かに分けてレポートをお届けします。いよいよ出張最終日となります。

今回は滞在13日目と14日目の活動をお伝えします。

13日目:12月5日(火)

  • 学用品・生理用品の配布@キャンプ②

今日はマンガテン避難民キャンプ②で学用品の配布をします。朝8時に行動開始、コニョコニョ市場近くの文房具卸売商でノートなどの学用品を受け取って積み込むと、ミニバンの車内は天井まで埋まりました。

学用品を受け取った姉弟学用品を受け取った姉弟

今日の配布には南スーダン政府から救援・復興委員会の職員2名が立ち会います。キャンプに到着して、配布前に関係者で簡単な打ち合わせをしました。集まったのは、校長のポウチさんと教員2名、キャンプリーダーのガブリエルさん、救援・復興委員会の職員2名、それにJVCの私とクリスティンです。私から、マンガテンでのJVCのこれまでの活動や、今回の配布の趣旨や配布数量、対象児童数について説明しました。

今回の配布の概要は下記の通り。

<学用品の配布>
・対象児童数:500名
・配布内容(児童1名あたり)
ノート5冊/鉛筆3本/ボールペン2本/消しゴム1個/鉛筆削り1個(上級学年は2個)

<高学年の女子生徒を中心に衛生用品の配布>
・対象者:200名
・配布内容(1人あたり):生理用品4パッケージ

私の説明のあと、校長、キャンプリーダー、救援・復興委員会からそれぞれ挨拶をもらいました。
校長は「この学校は、これまでどこからの支援も受けていない。今回が初めてだ」、キャンプリーダーからは、これまでのマンガテンでのJVCの活動(食料支援、生活用品支援)に触れながら、感謝の言葉がありました。

その後、いよいよ配布です。教員事務所を配布場所にして、上級学年から順に、教室内に待機している児童を先生たちが呼んできます。名前を呼ばれると事務所の中に入り、受け取る、という手順です。

学校側が用意した対象児童500人の名簿に対して、名前を呼んでも教室に来ていない子どもが多くいます。学校に顔を出したことはあるが、学用品が買えないなどの理由で実際には通ってこない子どもたちが多くいるようです。ノートを持たずに通学してくる子どもたちに対して、教員は「家族に買ってもらいなさい」と指導しているので、ノートが買えない家庭の子どもたちは来なくなってしまいます。「でも何も言わないと、子どもたちがみんなノートを持たず学校に来るので、教える側は困るんだ」と、ある先生がこぼしていました。そうした子どもたちがノートを手にして毎日学校に通ってくることが、今回の学用品配布の目的です。

1時間半をかけて終了。この日、配布が完了したのは193人でした。残りの300人程度は、学校に通ってくるように呼びかけて、今月中には配布を完了すると校長は言っています。配布が完了したかどうか、をして学用品を受け取った子どもたちが学校に通うようになったかどうか、年が明けてから再訪して確認しなくてはなりません。

配布される学用品配布される学用品

次に、高学年の女子生徒を中心に、女性たちへの生理用品の配布に移ります。名簿に名前はあるが受け取りに来ない対象者がいたために予定数から多少の余りが出ましたが、逆に「名簿に名前はないが受け取りに来て並んでいた」女性たちもいたため、そうした女性たちを優先して残りもすべて配布しました。

小学校も高学年になると英語を話すので、学用品を受け取った女子生徒と少し話してみました。
さっそく、「どうして学校カバンを配布しないの?」と文句を言われます。 「だって、学校カバンは値段が高いじゃない。予算が足りなくてね」と答えると、大笑いされました。
「ノートやペンに比べると、カバンは比較にならないほど値段が高いよね。でもさ、カバンがなくても勉強はできるんじゃない?だけど、ノートがなかったら、どうかな?」と尋ねると、「そうか、ノートがなかったら勉強できないね」と生徒。
「だからノートをたくさん買ってるんだよ」というと、みんな笑顔で「わかった」と言って理解してくれました。なんていい子たちなんだ。

ということで、配布は終了しました。

このときの配布の様子を、報告会用にまとめだ動画があります。こちらもどうぞご覧ください。

14日目:12月6日(水)

本日が活動最終日です。

  • キャンプ①の小学校へ
キャンプ1の子ども達キャンプ1の子ども達

キャンプ①では、300人を対象に学用品を支援する予定です。
学校を運営する援助団体DMIとの話し合いにより、生徒への配布はクリスマス休暇をはさんだ1月に行うことになっています。

前回訪問した11月25日は土曜日で子どもたちがいなかったため、今日は、子どもたちが勉強している教室の様子を見せてもらうことにしました。
教室に入っていくと、生徒は私が手にしているカメラに反応して大騒ぎ。「写してくれ」と言って次々に迫ってきます。そして、誰かが私の髪にさわると、「この髪、ボクらの髪となんか手触りが違うぞ」と言ったらしく、生徒が私の髪をさわりに殺到してきて、もみくちゃに。

生理用品の配布は、今日行います。
教員が作成したリストに従って、高学年(といっても4年生。小学校に行き始める年齢が遅れるので、4年生で12歳程度)の生徒、そしてキャンプ内の女子中学生などを対象に、100名への配布を行います。
配布場所には、対象者リストに入っていない同世代の女性たちも並んでいたので(恐らく学校に通っていない子どもたち)、残っていた生理用品は、彼女たちに配布しました。

学用品の配布は学校が再開する1月15日以降に、JVCとDMIの立会いのもとに教員が実施します。JVCからはクリスティンが参加します。

今回の出張では、キャンプ②で子どもたちが学校に通うための学用品の配布を実施しました。しかし、家庭に安定した収入がなければ、配布された学用品を使い切った後に再び学校に通えなくなってしまいます。そうしたことにならないためにも、キャンプの母親たちへの生計向上支援を実施していきます。

そして、実は活動を次のステップに進めるため、3月1日から南スーダンに入っています。このブログが掲載される時には、既に南スーダンに入っています。
ジュバの様子、私たちの活動についての最新情報を、またこのブログでお届けしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

ぜひこれからの活動を応援してください。ご寄付の方法は下記をご参照下さい。

【2017年11~12月南スーダン現地レポート】
キャンプの女性たちとの話し合い

人道支援/平和構築グループマネージャー(南スーダン緊急支援担当) 今井 高樹
2018年2月28日 更新

間があいてしまい、すみません!11月~12月に行った現地出張でみた現地の状況や活動の進捗について、何回かに分けてレポートをお届けします。

今回は滞在10日目と、11日目が休日なので12日目の活動をお伝えします。

10日目:12月2日(土)

  • マンガテン「キャンプ①」避難民女性との話し合い

今回の出張では、就学支援実施とともに、生計向上支援に向けた話し合いを予定しています。
まず最初に、マンガテン「キャンプ①」を訪問して、その話し合いを実施しました。集まってくれた女性は5人。

グループインタビューの様子グループインタビューの様子

【2017年11~12月南スーダン現地レポート】
マンガテン国内避難民キャンプ、テントでの生活

人道支援/平和構築グループマネージャー(南スーダン緊急支援担当) 今井 高樹
2017年12月14日 更新

11月23日から南スーダンのジュバに入り、国内避難民キャンプへの支援や聞き取りなどを行っています。現地の状況や活動について、何回かに分けてレポートをお届けします。

今回は滞在8日目と9日目の活動をお伝えします。

8日目:11月30日(木)

  • 南スーダン救援復興委員会(RRC)で学用品配布の許可証を取得
    ジュバ中心部、財務省など省庁が建ち並ぶ一角にRRC本部があります。緊急救援に限らず、あらゆる「物資配布」あるいは「物資輸送」についてNGOはRRCの許可を受けなくてはなりません。ただし、これは規制という側面と同時に人道支援活動を軍や警察の介入から守るという意味もあり、RRCの許可証を持って物資を輸送すれば、少なくともジュバ市内では軍や警察に通行を妨害されることが少なくなります。
    政府から許可証などを取得するときに、とにかく一筋縄ではいかない南スーダンですが、支援物資配布の許可証だけは、今回もその場で発行されました。助かります。
  • マンガテン避難民キャンプ「キャンプ②」テント訪問
    小型テント内部、ここで3~6世帯が生活小型テント内部、ここで3~6世帯が生活
    昨日の「キャンプ①」に続いて、今日は「キャンプ②」のテントを訪問しました。とはいえ、昨日行われていた南スーダン赤十字社による物資配布が今日も続いていて、どうもキャンプ全体が落ち着かない感じです。加えて、テントそのものが狭くて座る場所もなく、そして暑さも加わって、あまりじっくりと話を聞くことはできませんでした。
    キャンプ内には大型と小型の二種類のテントがあります。
    小型テントのひとつを訪問すると、4世帯、つまり4人の母親とその子どもたちが住んでいます。母親のひとり、アワディヤさんは子ども4人と生活しています。JVCから受け取った鍋を見せてくださいというと、家財道具が入っている大きな袋をゴソゴソっとやって、取り出してくれました。まだ、使っていないようです。
    「古い鍋がまだ使えるので、新しい鍋は大切にしまっているんです」
    鍋はとても貴重なので、とにかく今の鍋をダメになるまで使い切って、そのあとJVCの鍋を使い始めようとしているようです。<>br / JVCが支援した蚊帳は、テントの中に吊り下がっていました。
    テントは8畳間程度のスペースですが、4世帯ということは、20人くらいが生活しているのではないでしょうか。ベッドやマットレスはなく、マットが1枚敷かれているほか、寝具といえば毛布が何枚かあるだけです。椅子などの家具はありません。どうやって座ったり眠ったりしているのか、と思います。居住環境は明らかに「キャンプ①」より劣っています。「キャンプ①」では、訪問したテントはどこでも椅子かベッドがあり、そこに腰かけていましたが、ここではひとつのテントを除いて腰かける場所もありませんでした。
受け取った鍋をみせてくれたアワディヤさん受け取った鍋をみせてくれたアワディヤさん

9日目:12月1日(金)

  • 学用品の調達

    コニョコニョ市場周辺の文房具卸売商で、物資を調達します。
    事前にいくつかの業者から見積もりを取っていたので、その中で最安値の店から購入します。ただし、品質にも注意。今回は学習ノートを安く提供する業者があったのですが、表紙がペラペラですぐに破れてしまいそうだったので、表紙にビニールカバーが付いたものを選びました。
    購入したのは、学習ノート、鉛筆、ボールペン、消しゴム、鉛筆削り。「キャンプ②」で配布する500人分です。(キャンプ①は1月に配布予定)

    そして、女子生徒用の生理用品も購入しました。こちらは、キャンプ①と②を合わせて300人に支援する分です。ひとりあたり約4か月分を提供して、3~4か月後にその効果(学校を休むことが少なくなったか等)について聞き取りを行います。

    調達した物資は、配布日の朝に卸売商の倉庫から受け取ります。

    次回のレポートでは、マンガテン国内避難民キャンプ①での女性たちへの生計改善の方法についての聞き取りの様子などをお伝えします。

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【2017年11~12月南スーダン現地レポート】
グンボ診療所へマラリア治療薬などの医薬品を支援

人道支援/平和構築グループマネージャー(南スーダン緊急支援担当) 今井 高樹
2017年12月 8日 更新

11月23日から南スーダンのジュバに入り、国内避難民キャンプへの支援や聞き取りなどを行っています。現地の状況や活動について、何回かに分けてレポートをお届けしています。

今回は滞在6日目と7日目の活動をお伝えします。これまでのレポート一覧はページ最下部のリストをご覧ください。

6日目:11月28日(火)

  • グンボ診療所へ医薬品支援

その後グンボ診療所に移動して、レモ医師と打ち合わせ。限られた予算の中で、必要性が高い医薬品に絞るようにしました。卸売業者3社から取得した見積もりを比較して業者を決め、レモ医師が優先順位付けをした医薬品リストに従って、調達を行いました。調達した医薬品は、明日の朝に受け取って診療所に搬送します。

7日目:11月29日(水)

  • カリタス・ジュバ教区事務所

JVCが行う支援の協力団体であるカリタス・ジュバ教区事務所を訪問。新しい責任者のベンさんに、グンボ診療所での医師との打ち合わせと医薬品の調達が完了したことを報告、本日、医薬品の引き渡しをしたい旨を伝えると、引き渡しの立会人としてカリタスの保健担当スタッフを私たちに同行させてくれました。

  • グンボ診療所での医薬品引き渡し
医薬品の積み下ろし医薬品の積み下ろし

ナイル川沿いのコニョコニョ市場近くの卸業者に立ち寄って医薬品17ケースほどを積み込み、そのまま渡って診療所に向かいます。ナイル川の橋を渡ると検問所があります。外国人がクルマに乗っていると、検察官に必要以上に目を付けられて、積み荷の検査などに時間がかかる可能性があるため、私は同乗せず、後ろからタクシーで追跡します。支援物資を運ぶときはいつもこの方法です。医薬品とカリタスのスタッフを乗せたクルマは検問所で通常の質問を受けて無事通過、診療所に到着しました。

【2017年11~12月南スーダン現地レポート】
マンガテン国内避難民キャンプでの聞き取り

人道支援/平和構築グループマネージャー(南スーダン緊急支援担当) 今井 高樹
2017年12月 6日 更新

11月23日から南スーダンのジュバに入り、国内避難民キャンプへの支援や聞き取りなどを行っています。現地の状況や活動について、これから何回かに分けてレポートをお届けしていきます。

今回は前回から続き、滞在3日目と5日目の活動をお伝えします。(4日目は日曜で休日)

3日目:11月25日(土)

  • マンガテン国内避難民キャンプ①へ

今回の活動予定地であるマンガテン国内避難民キャンプは、数百メートル離れたふたつの敷地内に、キャンプ①とキャンプ②があります。今日はまず、キャンプ①を訪れました。

前回より空き地が減ってテントの数が増えたように見えます。新しいテントのために木材で骨組みを組んでいるのも見かけます。

キャンプリーダーのピーターさんが不在のため、副リーダーのマリカンさんに会い、訪問の目的を説明します。前回8月に支援した鍋や蚊帳について、いくつかのテントを訪問して実際に使われていることを確認したいのと、今回予定している子どもたちへの支援に関連して学校の様子などを尋ねたいと話すと、キャンプ内の小学校の先生3人を連れてきてくれました。
キャンプ内の小学校は、DMI(Daughters of Mary Immaculate)という教会系人道支援団体が設立したもので、「DMI小学校」と呼ばれています。
小学校の概要は以前の訪問時にも聞いていましたが、あらためて以下のことが分かりました。

・DMI小学校には幼稚園が1クラス、小学校が1~3年までの3クラスで合計4クラス(教室)あり、児童は220名。幼稚園に約70人、あとは各クラス50人程度。

・キャンプ内から外の小学校に通う子どもも一定数いるが、外の学校は年間の授業料が12,000SSP(約60ドル)くらいと高額。DMI小学校では授業料は無料。

・DMIは、教材については児童1名にノート1冊を配布しているのみ。

・12月15日に学年が終了し、1月15日に再開する。新学期からは、4年生クラスと5年生クラスが開かれる予定。

このあと、マリカンさん、先生たちと一緒に五つのテントを訪問しました。
6名の母親に、8月に配布した物資(鍋、蚊帳、石鹸)の確認のほか、子どもの就学状況について聞いていきました。

配布物資については、3種類の物資を全部受け取ったと答えた母親世帯が半分。部屋に吊るされた蚊帳、そして炊事場から鍋を持ってきて見せてもらいました。一方で、配布当日にキャンプを留守にしていて鍋だけ受け取った人や、今年になって新しくキャンプに来たために配布対象の名簿に名前がなく受け取れなかった人、そして、同じテントに複数家族が住んでいる場合に、全部の家族には配布されていないケースもありました。

キャンプ①に住むマリー・ニャンゴックさんと、JVCから受け取った鍋キャンプ①に住むマリー・ニャンゴックさんと、JVCから受け取った鍋

子どもの就学率は思った以上に高く、訪問した世帯では大半の子どもが学校に通っていました。これは、学費無料のDMI小学校の存在が大きいと思います。
ただ、ノートや鉛筆などの学用品は、家族が購入しなくてはなりません。現金収入がほとんどない母親たちに、これは難しい注文です。
「子どもからノート買ってくれと言われて、でもお金がないから、紙きれを何枚か探し出して子どもに渡すしかなかった」
とこぼす母親もいました。

小学校の先生たちに聞いても、
「多くの子どもたちは、ノートも何も持たずに学校にやってくる。これでは勉強できない。親に買ってもらうように言うが、避難民家族にそれは難しい。仕方なく、教室では教師が紙を配ってノート代わりに子どもに使わせたりしている」

訪問したテントには、キャンプの外にある一般の公立小学校に子どもを通わせている母親もいました。そうした場合、学費も払わなくてはなりません。自分たちではまかなえないので、親戚に頼んで送金してもらったりしているとのことでした。

今回、私たちはキャンプの子どもたちにノートなどの学用品を支援する予定です。

帰り際、キャンプ内の木陰で若者たちが集まって、話し合いをしているのを見かけました。呼び止められて話をすると、キャンプのユースの集まりとのこと。
私たちの活動の話をしていると、彼らから「支援の一環として、ぜひ女子生徒に生理用品を支援してくれないか」と要望されました。生理用品がないために、女性生徒が学校を休む、行かなくなる、というケースが多いそうです。
こうした要望は、なかなか当の本人たちからは出てきにくいものだと思いますが、それがユース(基本的に若年男性の集まり)から出てくるところが少し意外で、でも興味深いところです。この要望は、考慮する必要があると感じました。

  • 医薬品の価格見積もり
  • グンボ診療所から受け取った医薬品リストに基づいて、3件の医薬品卸業者から単価の見積もりを入手しました。これに基づいて、レモ医師と相談して数量を検討することになります。

5日目:11月27日(月)

※4日目は休日のため、5日目になります。

  • グンボ避難民キャンプでイベント'16days of activism'に参加

国連/NGOが世界的に行っている11月下旬~12月上旬の16日間のキャンペーンのキックオフイベントに参加しました。テーマは「Stop Gender Based Violence」。

開催地は、ジュバ市内から見てナイル川の対岸にあるグンボ避難民キャンプで、ここでは、日本紛争予防センター(JCCP)さんが継続的な支援活動を行っていらっしゃいます。そして、2016年9月にJVCが食料支援をした場所でもあります。
今回のイベントもJCCPさんが中心になって準備されたもので、グンボのほか、ジュバ周辺の他の2か所のキャンプからも避難民たちがバスに乗ってやってきて、イベントに参加していました。

イベントの様子イベントの様子

伝統ダンスあり、歌あり、演劇あり、となかなか楽しいイベントで、特に、Gender Based Violenceをテーマにした学生たちによる演劇は、なかなかの観応えがありました。

  • 学用品の価格調査

イベントを抜けて、コニョコニョ市場周辺で、学用品(ノート、ペン、学用カバンなど)の価格を調査しました。この価格をもとに、支援品目や支援対象となる児童数などを調整していきます。

その日、ホテルに戻ると、携帯会社からSMSが。いつものような宣伝広告かと思ったら、そうではありません。

「Stop gender based violence. Real men don't beat women」

携帯会社も、国連/NGOのキャンペーンに協賛しているようです。

次回のレポートでは、マンガテン国内避難民キャンプ②への訪問とグンボ診療所での医薬品支援の様子をお伝えします。

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【2017年11~12月南スーダン現地レポート】
今も支援を必要としている人々がいます

人道支援/平和構築グループマネージャー(南スーダン緊急支援担当) 今井 高樹
2017年12月 5日 更新

11月23日から南スーダンのジュバに入り、国内避難民キャンプへの支援や聞き取りなどを行っています。現地の状況や活動について、これから何回かに分けてレポートをお届けしていきます。

1日目:11月23日(木)

  • ジュバ着
  • 飛行機を降りると、入国手続きのカウンターのあたりまで空港職員でもない地元の若い男性たちが入り込んできて、もみくちゃにされます。外国人と見れば声をかけているようで、私にも「お前の手荷物は何個だ?オレが探して受け取ってきてやる」と言い寄ってきて、手荷物の引換証を奪い取ろうとします。目的は「手数料」をせしめることです。以前にも増してアグレッシブ。少しでも現金を得るため、みな必死です。
    なんとか空港から外に出て、迎えに来たクルマで市内へ。今年7月以来、4か月ぶりのジュバです。市内の様子は、見たところ特に変わっていません。

    まずは、以前JVCが車両整備研修事業をおこなっていた南スーダン教会評議会(SSCC)整備工場へ。現在、JVC南スーダン事務所のスペースを工場内に借りています。

    「物価ばかり上がって、もう、研修生の昼食用の豆も買えないよ」 整備士研修は今も続いていますが、会計担当のドゥドゥさんはそうこぼしています。
    「おかずがないと、昼食にはならないんだけど・・」
    主食用のメイズやコメを買うだけで、予算がなくなってしまうそうです。
    物価は倍々ゲームで上がり、人々の日々の生活を直撃しています。最も影響を受けるのは、定職に付くことのできない人びと。そして、避難民の多くがそうであるように、母親と子どもだけの家庭。女性たちは洗濯などの家事手伝い、市場での食器洗いなどの仕事を探しますが、日雇い仕事の賃金相場は150南スーダンポンド程度(現在の為替レートは1ドル=190南スーダンポンド)。これでは、主食用のトウモロコシ粉がカップ1杯買えるだけです。家族の1日の食費にもなりません。

  • 滞在中の活動予定
  • JVCの現地調整員、ナカング・クリスティンと、今回の今井滞在中の予定について打ち合わせを行いました。

<医薬品支援>
ナイル川東岸のグンボ地区では、多くの国内避難民がキャンプの内外で生活しています。この地域の診療所に対して、昨年11月に約3か月分の医薬品支援を行いました。今年7月に再訪したところ、その後、政府からも他の援助団体からも医薬品の提供は受けておらず、医薬品不足の状況は変わっていません。今回、継続してこの診療所への支援を行う予定です。

<就学支援>
これが今回出張時のメインの活動になります。
ジュバの郊外、マンガテン国内避難民キャンプは、ふたつのキャンプ(キャンプ①とキャンプ②)に、合わせて600世帯が住んでいます。JVCは今年4月に食料支援、8月に生活物資支援を実施しました。
これまでの活動を通じて、キャンプには学校に通っていない子ども、あるいは通っていても学用品がなく学べない子どもが多くいることが分かりました。今回はキャンプ内で、就学児・未就学児への学用品の支援を行う予定です。

今年8月、キャンプ②での物資配布の様子。蚊帳、石鹸、調理具(鍋)を支援した。今年8月、キャンプ②での物資配布の様子。蚊帳、石鹸、調理具(鍋)を支援した。

<女性の生計向上支援>
同じくマンガテン国内避難民キャンプで、今年から来年にかけて計画している新しい活動です。
物資配布ではなく、避難民女性たちがどうやれば少しでも現金収入を得ることができるのか、自活することができるのか、それを女性たちと話し合い、必要な支援を行う予定です。今回、まずは話し合いの場を持つことから始めます。

クリスティンの意見として、収入向上・生計向上活動の可能性として、家庭菜園での野菜栽培、揚げパンなどお菓子を作って市場で販売といったことのほか、路上喫茶(ジュバでは多くの女性が従事)、裁縫、などが挙げられました。まずは、キャンプの女性たちと話をして、「これだったらできる」「既にやっている」という具体的なアイデアを彼女たちから出してもらうのが、第一段階です。

2日目:11月24(日)

  • カリタス・ジュバ教区事務所訪問
  • これまで、私たちはカリタス・ジュバ教区事務所と協力して診療所支援などを行ってきました。
    カリタスは、ジュバ周辺のいくつもの診療所を支援しています。今回、私たちがグンボ診療所への医薬品支援を計画していることを伝えると、「それはよい」と言って、医薬品の引き渡しの際には立ち会ってくれることになりました。

  • グンボ診療所
  • ナイル川を渡って対岸のグンボ地区へ。橋を渡ってしばらく走ると診療所があります。
    多くの患者さんたちが待っていて今日も忙しそうでしたが、診察の合間を縫ってレモ医師が会ってくれました。
    「待っていたよ」
    私の顔を見るなりそう言われました。
    「ウチの患者たちからも、あの外国人は、あの団体は次にいつ来るんだ?と何度も聞かれたよ」

    私たちが前回支援した医薬品は、今年のはじめには全部消費されています。それ以降、保健省から解熱・鎮痛剤40箱が送られてきましたが「たった1日でなくなった」とのこと。それ以外は、医薬品の支援は受けていないそうです。
    診療所の受診者は1日200人前後。この数は、昨年11月に来た時と変わっていません。

    診察室の前では、「赤ん坊の熱が昨晩から下がらない」「3人の子ども全員がマラリアにかかった」という母親たちが、順番を待っていました。診療所について話を聞かせてもらうと、
    「何か月か前まで、ここの診療所にも少しは薬があったのに。今はほとんど何もない」
    「受付カードを受け取って待っている間に、他の患者から『今日は薬がないよ』と言われて、診察も受けずに家に帰ったこともあった」
    「ここで紙(処方箋)だけもらったって、薬局の薬は高くてとても買えない」
    「グンボ地域には他にも診療所はあるが、そこは医薬品が有料。あとは、川を渡ってジュバ市内に行けば公立診療所があって無償で薬がもらえるかも知れないが、バス代がかかるし、行くのは無理」

    薬局で薬を買えば、何百ポンド(南スーダンポンド)もかかります。薬によっては千ポンド以上にもなります。日雇いの仕事で150ポンド程度しか稼げない状況の中で、手が出ない値段です。

    レモ医師から、診療所で必要な医薬品のリストを受け取りました。それをもとに、ジュバ市内の医薬品卸売店3か所で見積もりを取ることにしました。

    診療所で治療を待つ人びと診療所で治療を待つ人びと

    自衛隊が撤収してから報道される機会がぐっと少なくなった南スーダンですが、支援が必要である状況は、依然として解決していません。
    ご寄付も随時受け付けております。ご寄付の方法は下記をご参照下さい。

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    郵便局口座番号:00190-9-27495
    加入者名:JVC東京事務所
    ※通信欄に「南スーダン」とご記入ください。
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    ※ご利用可能なカードは、VISA/Masterのみとなっております。
    ※寄付金の20%は管理費に充てさせていただきます。

次回のレポートでは、マンガテン避難民キャンプ①への訪問の様子をお伝えします。

南スーダン、その後どうなっているの?

人道支援/平和構築グループマネージャー(南スーダン緊急支援担当) 今井 高樹
2017年11月14日 更新

「自衛隊が撤収してから、日本では南スーダンの報道が全然なくなっちゃいましたよね。現地で紛争が解決したわけじゃないと思うんですが・・いったいどうなってるんですか?」

日本で、そう尋ねられることがあります。

テントの中には家財道具もほとんどない。「昨年7月に襲われて略奪された」というテントの中には家財道具もほとんどない。「昨年7月に襲われて略奪された」という

結局のところ南スーダンの人道危機は、自衛隊派遣という政治問題がなければ、日本ではニュースにもならないようです。しかし、現地の深刻な状況は何ら変わっていません。
自衛隊が撤退した後、南スーダンには他の国から国連平和維持活動(PKO)への増派部隊が送られています。PKO部隊が警備にあたる国内避難民保護施設では様々な暴力事件も起きており、部隊はますます危険で難しい任務に直面しています。
「自衛隊が残ればよかった」というのではありません。撤退すべきでした。しかし日本政府は、撤退を決めた際に「国際社会と手を携えて、南スーダンの平和と発展のためにできる限りの貢献をする」(3月、安倍首相記者会見)と言っていたのです。それがどうなったのでしょう?国際社会は、アフリカ連合を中心に、南スーダンの紛争解決に向けた働きかけを続けています。日本は「手を携えて」いるのか?
日本政府の動きからは、南スーダンへの関心は失われたように見えます。その一方で、憲法改正による自衛隊の「合憲化」を目指す動きなどを見ていると、南スーダンに自衛隊を派遣していたのも、「やっぱり、そういう道筋をつけるためだったのか」と思えてしまいます。

【2017年3月ジュバ訪問】
いよいよ食料配布、マンガテン避難民キャンプ 2017年3月ジュバ訪問④

人道支援/平和構築グループマネージャー(南スーダン緊急支援担当) 今井 高樹
2017年6月29日 更新
前回から続く)

マンガテン避難民キャンプで食料支援を行うことが決まりました。しかし、私に残された滞在期間は、あとわずかしかありません。
とにかく、トウモロコシの調達を行って、配布は現地の仲間に任せよう。
そう決めると、早速ジュバの市場を回って調達を始めました。今回は製粉後の「トウモロコシ粉」ではなく、粒だけを袋詰めにしたものです。品質が良く新鮮であるだけでなく、数量が確保できなくてはなりません。配布するのは、合計13トン、50キロ入りの大袋で260袋です。何か所かの市場を回って、やっと見つけ出しました。

3月31日、市場にトラックをつけて朝から積み込みを開始。

「おいおい、ケンカだ、ケンカだぞ」

トラックから積み下ろしたトウモロコシの袋トラックから積み下ろしたトウモロコシの袋

そんな声が聞こえて、何かと思うと既に野次馬が集まっています。
「あれ?ケンカしているの、JVCの積み込みをしている作業員たちじゃないか?」
どうやら、そのようです。
「おいおい、いったい何が原因なんだ?」
市場には荷役を請け負う作業員のグループがいくつかあります。ひとつのグループが私たちの積み込み作業を始めたのですが、そこに別のグループが割り込んできて仕事を取りあっているのです。互いに「ここはオレたちの縄張りだ」を主張してゆずりません。
止めるのも難しいのでしばらく傍観していると、何のことはない、話し合いで決着がつきました。お互いに何人かの作業員を出し合って共同で作業をする、報酬は互いに分け合う、それだけのことです。ただし、双方から参加することで作業員の数が少し増え、私たちが支払う労賃が少しだけ上がりました。彼らにとっては、賢明な判断です。南スーダンの政治家も見習うべきでしょう。

積み込みが終わったトラックはジュバ大学の前を通って市内を横切り、中心部のセント・ジョセフ教会の敷地内にある協力団体(現地NGO)、カリタスの事務所に到着しました。積み荷を倉庫に下ろし、カリタスのスタッフに引き渡して私の業務は終了です。その2日後、私はジュバを後にしました。

二人がかりでも50キロは重い二人がかりでも50キロは重い

カリタスのスタッフが避難民キャンプのリーダーたちと調整した結果、配布は4月10日に行うことになりました。JVCからは現地スタッフのクリスティン、そして南スーダン政府の救援復興委員会の担当者が立ち合って、配布が行われます。

マンガテン避難民キャンプについて、事前には「民族間の争いがあり、支援活動は難しい」との情報がありました。確かに、自治会のリーダーであるガブリエルさんは「ここにはディンカ人、ヌエル人、シルック人が生活している」と説明してくれました。これらの民族グループは、今の内戦の中で敵対しあっている、というのが一般の解釈です。

しかし、食料の配布は何のもめ事もなく、きわめてスムースに行われました。

受け取ったトウモロコシを自分たちのテントへ受け取ったトウモロコシを自分たちのテントへ

キャンプは奥まった場所の「キャンプ1」、幹線道路に近い「キャンプ2」に分かれており、「キャンプ1」はヌエル人が中心、「キャンプ2」はディンカ人を中心に他の民族グループが混ざっています。それぞれのキャンプに自治会があり、リーダーたちが名簿を手にして避難民女性をグループ分けし、グループ毎にトウモロコシを1袋ずつ受け取っていきます。それはとても整然と行われ、あっという間に配布は終了ました。

配布を見守っていた女性リーダーが、JVCスタッフのクリスティンのところにやってきました。

キャンプリーダー(右)の話を撮影するJVCスタッフのクリスティン(左)キャンプリーダー(右)の話を撮影するJVCスタッフのクリスティン(左)

「いま、この時期に食料の支援があって本当に助かりました。子どもたちに食べさせるものも何もなかったんです」
キャンプには、推定で約1,500世帯が暮らしています。13トンのトウモロコシとはいえ、1世帯あたりでは10キロにもなりません。実は私たちは、配布の当日に「こんなにわずかな量でどうする?」という不満が噴出するのではないかと警戒していました。しかし、当日、そんな心配は吹き飛びました。みな晴れやかに、そして安堵を浮かべた表情で食料を受け取っていきました。長らく支援が止まっていたのは、本当のことなのでしょう。

食料を受け取った女性にカメラを向けていると、みなが集まってきて、掛け声に合わせて一斉に歌い始めました。
それは、彼女たち自身の言語で歌われています。カリタスのスタッフにも、JVCのクリスティンにも、意味が分かりません。
「すみません、今の歌、どういう意味ですか?」
質問すると、リーダーの男性が
「村で歌われる感謝の歌だよ。ありがとう、今日の食料に本当にありがとうってね」
故郷から遠く離れた場所にいても、喜怒哀楽の表現に、故郷の歌にまさるものはないようです。

カメラを前にして、みんな歌い始めたカメラを前にして、みんな歌い始めた
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