アジア・中東・アフリカで活動する国際協力NGOです。
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現地ブログ from 南アフリカ

南アフリカ通信

南アフリカ事業担当渡辺が、現地での活動の様子をお伝えします。

【南アフリカ出張記】
【南アフリカ出張記③】2018年度以降の活動に向けて

地域開発グループマネージャー/南アフリカ事業担当 渡辺 直子
2018年2月28日 更新

前回の出張記②の続きです。

JVC南アフリカでは、2018年度以降、今の事業地で行っている活動の経験・成果を周辺地域に広げて行きたいと考え、さまざまな準備を進めています。そのうちのひとつが、これまでの経験上、初めて活動を行う地域で必ず起きると想定される困難について、周囲の人たちに「どう乗り越えてきた?」などの話を聞いてアドバイスをもらい、今後の調査・立案の計画に活かしていくことです。

【南アフリカ出張記】
【南アフリカ出張記②】南アフリカのご飯

地域開発グループマネージャー/南アフリカ事業担当 渡辺 直子
2018年2月27日 更新

前回の出張記①の続きです。

JVCの南アフリカでの活動の紹介をするとよく聞かれるのが、「現地にいる間はいったい何を食べているの?」という質問です。JVC南アフリカ事務所はオフィスと宿を兼ねていて、首都のジョハネスバーグに自宅がある現地スタッフのドゥドゥは普段事務所で生活しています。出張時は私もここに泊まり、日々ドゥドゥと分担しながら自炊しています。

分担といっても、以前は、私が持ってきてつくる和食が好きなのと、そもそも料理が面倒なタチであるがゆえに(笑)、私の滞在中にドゥドゥがキッチンに立つことは滅多にありませんでした。しかし!今回の出張時はドゥドゥが率先してほとんどの食事でキッチンに立つではありませんか。いったい何があったのでしょうか・・。

アジア学院の研修での学びを活かして

ドゥドゥは、昨年の4月から12月まで栃木県にあるアジア学院の研修コースに参加し、有機農業とリーダーシップを学んでいました。毎日朝から晩まで座学や農作業を通じてみっちり学ぶ厳しいコースなのですが、学びのひとつに仲間たちとともに行う「調理」があります。このコースにはアジアとアフリカのさまざまな国からの参加者もいます。どうやらドゥドゥは、彼ら・彼女らとの調理や食事を通じて、いろんなものを料理し食べる楽しみを実感したようです。

そして学びの成果として、なんとタイのグリーンカレーを作ってくれました!!うれしい~。昨年ドゥドゥを研修に派遣すると決めたときには全く想定していなかった、思いがけない「成果」で、こんなありがたい変化をもたらしてくれたアジア学院にこれまで以上の感謝を覚えました。

左の写真は、ご飯とオクラのトマト煮(カメルーン風)、エビの煮込み(味付けはイタリアン風)、ほうれん草炒め。どれもとってもおいしかった!「料理をして食べる楽しみ」も活動を通じて伝えていきたいそうです。右の写真は和食バージョン。ご飯、味噌汁、切干大根、春雨・きゅうり・錦糸卵の酢の物、かぼちゃのサラダ。東京にいるときより健康的な食事です。

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「自分で食べものをつくること」の大切さ

いっぽうで「食べもの」にまつわる悲しい変化も・・。南アフリカでは過去一年だけを見ても食べものがべらぼうに高くなっています。失業率の高い南アフリカで、多くの人びとはそんな値段のものを栄養バランスがとれる形でじゅうぶんに買えないのは明白です。

特に南アフリカではアパルトヘイト時代に、黒人の方々が行う伝統的な農業が破壊されてきたため、農村部でも農業をする方が少なく、私たちの活動地でも「お店」「現金」に大きく頼る暮らしをしている人たちが多く、とても心配になります。ドゥドゥと値段を見て「ひえ~」と叫びながら買い物をしていますが、同時に「だからこそ、少しでも、完璧でなくても自分たちで作ることはとても大事だ」と確認しました。

実際、JVCで活動しながら、自宅で食べる基本的なものを自分で作っているモーゼスとフィリップに「今年は雨が降らなくて大変っていうけど、いま実際に家でどんな食事しているの?」と聞いてみたところ、二人とも口をそろえてこんな風に言っていました。

写真はモパニワームとターマイツをトマト煮にしたものです。写真はモパニワームとターマイツをトマト煮にしたものです。

「メイズは確かに不作だけど少しはあるし、雨が少ないとバターナッツ(ひょうたん型のかぼちゃみたいな野菜・・)がよくできるしカウピー(豆)も植えている。これらは葉っぱも食べられる。デレレ(野草。モロヘイヤみたいでとてもおいしい!)も庭に生えてくる。ここではトマトが欠かせないからこれも買うとなると大変だけど、自分は玉ねぎとトマトを少し植えているから、基本的にはそういうもので足りているかなぁ」

他には果物や、虫(モパニワームという毛虫みたいなのと大きな蟻とバッタ)が採れるからそれを食べているそうです・・。この時期に研修などを行うとその際のランチにモパニワーム(写真右)やターマイツという大きな蟻(写真中央)が出てくることも。ちなみにこれらの食事、私はおいしくいただきますが、南アの活動地とは別の地域の出身であるドゥドゥは一切食べられません・・。

食べるものを自分たちでつくれる、まなかえる、ということは暮らしを支える大きな力になっているようです。

JVC南アフリカが目指すこと

JVC南アフリカでは現在、親を亡くすなど家庭環境が困難な状況にある10代の青少年たちとの活動を行っています。今年度までに目指していた成果が見えてきたので、2018年度以降は、これまでの経験を今の活動地から少しずつ周辺地域に広げていきたいと考えています。その際のキーワードが「若者」と「食と農」「自分でつくること=家庭菜園づくり」。自分で食べものをつくることは、今の暮らしの支えとなると同時に、将来を生きぬいていくための選択肢のひとつにもなるから、その大切さを若いうちに伝えておきたいというローカルスタッフの強い思いがあります。

新しく子どもケアセンターに通い始めた子どもたち、まずはセンターのスペースを使って菜園づくりを学んできます。その後、自分の菜園を持ち始める子もいえて、たとえば、子どもケアセンターに通うマーティン君が手がける菜園は年間を通じて何かしら植えているので、いつでも食べるもの収穫できる素晴らしい菜園です。そしてそんな青少年たちを、JVCの活動を通じて村の菜園づくりトレーナーになったフローレンスさんが、日々細やかに実践状況のフォローをしてくれています。

子どもケアセンター内で菜園づくりを学ぶ子どもたち子どもケアセンター内で菜園づくりを学ぶ子どもたち
マーティン君(写真左)とフローレンスさん(写真右)。マーティン君(写真左)とフローレンスさん(写真右)。

農業の習慣がない南アフリカの農村部で、身近にあるものを使って食べものを作ることを伝えることには時間がかかりますが、10代の子どもたちの場合、意外にも「楽しみながらまず実践してみる」という様子が今の活動において確認されています。なかなか一筋縄ではいかないことも予想されますが、ドゥドゥ・モーゼス・フィリップの熱い思いは、同じ南アフリカ人どうしならちゃんと伝わっていくのではないかと期待しています。

次回の出張記もどうぞお楽しみに!

【南アフリカ出張記】
【南アフリカ出張記①】ただいま年次計画会議中!

地域開発グループマネージャー/南アフリカ事業担当 渡辺 直子
2018年2月26日 更新

皆さん、こんにちは。南アフリカ事業担当の渡辺です。現在、JVCの「地域開発グループ」スタッフたちは各国現地事務所に出張して、年次計画会議をしています。年次計画会議は毎年度末に行われるもので、今年度の振り返りと、次年度の計画や予算立案を事業ごとに行います。私も、南アフリカ事務所で現地スタッフとともに会議に勤しむ日々。2017年度の振り返りで「11月の家庭菜園研修活動は他にあったはずだぁ~」と記録を菜園研修担当スタッフのフィリップが必死に探すなんてドタバタもありつつ(写真左/その後、記録は無事見つかりました)、2018年度以降の活動について話すなか、南アフリカが抱える課題について、ローカルスタッフのドゥドゥとモーゼスが繰り返し出てくる「Poverty(貧困)」について「"povertyが問題"って言うけど具体的にどんな状況を指しているの?」という渡辺の質問を受けて議論したり(写真右)など、みんな真剣です。

2017年度の振り返りで「11月の家庭菜園研修活動は他にあったはずだぁ~」と苦笑いする渡辺と、記録を必死に探す菜園研修担当スタッフのフィリップ(その後、記録は無事見つかりました)。苦笑いする渡辺と、必死なフィリップ
2018年度以降の活動について話すなか、南アフリカが抱える課題について確認しました。繰り返し出てくる「Poverty(貧困)」について「左がドゥドゥ、右がモーゼス

出るはずが出られなかった...「3カ国(モザンビーク・ブラジル・日本)民衆会議」のご報告

地域開発グループマネージャー/南アフリカ事業担当 渡辺 直子
2017年11月10日 更新

今日は、10月5日付「【速報】モザンビークのビザ申請に行ってきました」の記事の続きです。

10/18、たしかに署名を届けてきました。署名は11/10現在、4,546筆まで増えています。スタートしてから2カ月以上、増えなかった日はありません。感謝です10/18、たしかに署名を届けてきました。署名は11/10現在、4,546筆まで増えています。スタートしてから2カ月以上、増えなかった日はありません。感謝です

9月21日の外務省経由・モザンビーク大使館からの連絡を受け、10月2日にビザを申請したことを、前回のブログでお伝えしました。その後、18日にはchange.orgを通じて集まった4,516筆の署名を外務省に提出いたしました。

しかし、19日が受け取り日、20日から現地に出発、11月7日までモザンビークに滞在する予定だったにもかかわらず、今回もビザが出ず...11月9日現在、いまだ東京にいます(涙)。前回のように「今回は出ない」という明確な結論もまだ出ておらず、いつ出るのか全くわからず待ち続けている状態です。ちなみに、今回も「現地の司法当局の判断」と言われています。

【速報】モザンビークのビザ申請に行ってきました

南アフリカ事業担当 渡辺 直子
2017年10月 5日 更新

8月23日からはじまった、私のモザンビーク入国ビザの発給を求めるChange.orgでの署名活動にご協力くださった皆さま、Facebookやツイッター等で情報を拡散してくださった皆さま、励ましのメッセージを送ってくださった皆さま・・さまざまな形でのサポートを本当にありがとうございました。
残念ながらビザが発給されないまま帰国をいたしました(TICAD閣僚会議には参加できませんでした)が、4,000筆を超える署名は、モザンビーク現地の農民の皆さんや私の大きな励みになっています。

9月22日(金)には、クーリエ・ジャポンと堀潤さん率いるGARDENのご協力を得て、報告イベント「いま世界・アフリカで何が?~日本NGOのモザンビーク入国拒否問題から考える~」を開催しました。そこですでにご報告させていただきましたとおり、実はこのイベント前夜、外務省経由でモザンビーク大使館より以下の連絡がありました。

右が堀潤さん、左がゲストのJANIC事務局長・若林秀樹さん。堀さんの進行と、若林さんの鋭い視点に大変助けられました右が堀潤さん、左がゲストのJANIC事務局長・若林秀樹さん。堀さんの進行と、若林さんの鋭い視点に大変助けられました

「・・・在京モザンビーク大使館の臨時代理大使より本国に確認した結果として連絡があり,(1)司法当局として未来永劫入国査証を発給しないとの決定を行ったわけではなく,今後通常の手続きに従い,日本あるいはモザンビーク大使館の所在地において査証申請できる,(2)・・・」

つまり、今後ビザが発給される可能性が示唆されている訳ですが、報告イベント前夜に連絡が来たことから、私たちはこれを、署名をはじめとする「市民の声」が政府へのプレッシャーとなり、大きな力として働いたと考えています。一方で、残念ながら今回の「不発給」の理由は開示されず、また、再発防止の対策が取られているわけでもなく、相変わらずの"司法当局"という言葉・・・。不明確な部分がまだ多く残されており、引き続き粘り強く対応を続けていく必要があります。

とはいえ「今後通常の手続きに従い,査証申請できる」とありましたので、10月2日にひとまずビザの申請に行ってきました。これは、10月下旬に「プロサバンナ事業」の実施国であるモザンビーク・ブラジル・日本の三カ国の農民・市民社会組織による「民衆会議」の開催がモザンビークで予定されており、これに参加するためです。

申請のため、モザンビーク大使館に向かう道。桜新町駅を降りてサザエさん通りを南下します申請のため、モザンビーク大使館に向かう道。桜新町駅を降りてサザエさん通りを南下します
5分程すると「長谷川町子美術館」に到着。サザエさん好きとしてはぜひ立ち寄りたいところですが、ここはグッと我慢・・・5分程すると「長谷川町子美術館」に到着。サザエさん好きとしてはぜひ立ち寄りたいところですが、ここはグッと我慢・・・
長谷川町子美術館の先にあるのが、モザンビーク大使館です長谷川町子美術館の先にあるのが、モザンビーク大使館です

ビザ受け取り日は出発前日(!)の10月19日(うちの猫の命日でもあります・・涙)。果たしてビザは無事に出るかどうか・・・。またここでご報告させていただきます。引き続き、応援どうぞよろしくお願いいたします。

「申請受領書」。無事に発給されますように「申請受領書」。無事に発給されますように

「モザンビークビザ問題」と「民衆法廷」で感じたアフリカの連帯パワー

南アフリカ事業担当 渡辺 直子
2017年8月31日 更新

8月中旬、マラウィ、タンザニア、マダガスカル、南アフリカ、モザンビーク、ジンバブウェ、モーリシャス、ザンビア、アンゴラ、ボツワナ、スワジランド・・南部アフリカの人たちが南アフリカのジョハネスバーグに結集しました。
「STOP THE PLUNDER. AFRICA IS NOT FOR SELLING - THE SOUTHERN AFRICA CAMPAIGN TO DISMANTOLE CORPORATE POWER(略奪を止めろ。アフリカは売り物ではない‐企業の力を解体するための南部アフリカキャンペーン)」の一環として開催された「民衆法廷」に参加するためです。

「略奪を止めろ。アフリカは売り物ではない」と書かれた民衆法廷の旗「略奪を止めろ。アフリカは売り物ではない」と書かれた民衆法廷の旗

鉱山やダム開発による環境汚染と公害問題、多国籍企業のF1タネを押し付ける援助と自分たちで採種したタネをめぐる問題、タックスヘイブンの問題・・・日々の暮らしや主権をめぐる様々な問題に対し、現地に暮らす人、そしてそれを支える同国のNGOメンバーが協力しながら訴訟を起こし、法廷で、いかに人権が侵害されているのか、国内・国際法に照らし何が違法なのかを陪審員に訴えます。
これらのケースはいずれも国内のガバナンス(統治のあらゆるプロセス)が悪く、それゆえに司法も機能せず、どうしようもない状態になってから、問題に対する国際社会の目を集めて事態を変えたい、連帯によって社会正義と公正な社会の実現を、「誰か助けて」との祈るような思いで持ち込まれています。ゆえに、どの事例も、「プロサバンナ」における人権侵害やモザンビークの人たちが抱える土地収奪の問題(http://bit.ly/1VM0Rm0)と通じるものがあり、被害の酷さに驚愕しました。そして、自分が活動する南アフリカのケースもいくつか報告され、まだまだこの国の現状をわかっていない自分も痛感し、少々落ち込みもしました・・。しかし一方で、途方に暮れそうな大きな問題と権力に対し、力強く、かつ非常に冷静に、ファクトやデータを用いて訴える参加者の様子を見て、「こんなにすごい人たちがこんなにいるのか・・・」と民衆のパワーと自分がその連帯の輪のなかにいることを実感し、非常に勇気づけられました。

また、参加をしたことで自分たちの運動の意義も知ることになりました。訴訟が起こされるケースはそのテーマからも加害側は先進国の企業であることがほとんどです。ある国のオーストリアの企業のケースを扱っている際、陪審員の一人がこういいました。「モザンビークのプロサバンナの事例は、被害を受けている人びとと加害側の国の市民による連帯・協働の好事例だと思う。あなた方は、オーストリアの市民社会とのこのような連携はないのか」。気がつけば、どのケースも自国の被害者とそれを支える市民社会が国家権力による逮捕や脅し、拷問にあいながら、必死に、命をかけて闘っています。このやりとりから、援助国としてあるいは進出する企業が存在する加害国側の市民として、変えるべき自分たちの社会、そして果たすべき責任・役割の大きさを痛感しました。同時に、モザンビーク、ブラジルと自分たちとの連帯による一連の抵抗運動は、(国家)権力の側からしたら、非常にやっかいな存在なのだと気がつきました。
それだけに、やはりモザンビークに入国して、活動を続けることは、自分の使命でもあります。

今回、自分はあくまでも聴衆の一人であり、「南部アフリカの現状を少しでも知ってもらえれば」と誘ってともに参加したJVC南アフリカのスタッフたちと、ひっそりと座っているつもりでした。しかし、プロサバンナの活動とビザのことを知った運営側の人たちが、ビザ発給への連帯を求めるメッセージを伝える場を2分ほど用意してくださいました。(現在署名活動をおこなっています)
その結果、TICADに関する提言活動等を行う「市民ネットワークfor TICAD」がTICAD開催に際して出した声明(JVCも賛同)、「TICAD VIフォローアップ閣僚会議参加希望者へのビザ不発給措置について強く再考を求めます」にその場で20弱の団体が賛同署名をしてくれました。署名をしてくださった皆さま、本当にありがとうございます。皆、他人事ではなく、当事者として怒ってくれました。法廷が終わったあとの夕食時のレストランでも「この場でまだ集めよう!」と言って署名を募ってくれた方もいました。アフリカの連帯のパワーとともに、温かさも感じた場面でした。

様々な方とつながることができて、今後の活動にとっても非常に貴重な機会を得ました。こうした方々の思いに報いるためにも、なんとか頑張って「ビザ発給拒否」問題が解決されるよう働きかけを続けたいと思います。

現地の仲間のパワーと優しさにいつも元気をもらっています。「ビザ発給拒否」にめげている場合ではありません現地の仲間のパワーと優しさにいつも元気をもらっています。「ビザ発給拒否」にめげている場合ではありません

フィアボム村にスター誕生?!フェズィさんの野菜づくり

南アフリカ事業担当 渡辺 直子
2017年8月31日 更新

南アフリカはアパルトヘイト体制下でできた負の遺産・・・当時の社会構造が今も残り、農村部に仕事がないうえ、当時の伝統的な農業ですら破壊されたため、農村部でありながら、農業をして暮らす人もほとんどいません。このため、若い人たち、特に男性は都市部に出稼ぎに行く人がほとんどです。

そんな中、2015年からフィアボム村でJVCの家庭菜園研修に参加をしているフェズィさん(30代半ば)は、JVCの、そして村の人たちの、期待の星です。JVCの研修を受ける2年ほど前に出稼ぎ先で仕事を失い、村にもどってきた当時、JVCが研修で行う方法(自然農業)とは違うやり方で畑を耕していたと言います。ですが、人に教えてもらったことはとりあえず試してみるという前向きで素直な性格のフェズィさん、研修で学んだことが面白そうだなと思ってやってみたら「結果がとってもよかったんだ」とのことで、年間降雨量が500mmにも満たない乾燥した地域で、年間を通じて緑いっぱいの畑を作っています。

フェズィさん。素直な性格そのものの笑顔が素敵ですフェズィさん。素直な性格そのものの笑顔が素敵です

JVCの活動振り返りのインタビューのために訪れたこの日も、畑は緑であふれていました。炎天下を朝から15時まで歩いてヘトヘトになっていたところ、「来るって聞いていたから作っておいた」と、昼食を出してくれるではありませんか!メイズ(トウモロコシの粉)でつくった主食の「イエローパップ」、ほうれん草との煮込み、鶏(伝統種)グリルのトマトソース煮込み・・すべての材料が自宅の畑・庭(鶏)から採れたもので作られていました。

※パップ=大ききな鍋に水(またはお湯)とメイズを入れて、ダマにならないようによーく混ぜながら、火を加えつつ練り上げたもの

イエローメイズ(トウモロコシの粉)を練り上げた「イエローパップ」イエローメイズ(トウモロコシの粉)を練り上げた「イエローパップ」

「自然農業だと混作するからいろんなもの食べられていいね」と言ったら、「そう!以前は、サラダなんか食べたことなかったんだ。でも、JVCの研修を受けて、いろんなものを植えたほうがいいことを知って、レタスの食べ方を村の仲間と調べてみたんだよ。おかげで今は食生活が充実したよ」とのこと。

実際、今植えているものを収穫したら、なすとオクラとかぼちゃとピーマンとズッキーニを植えるということでタネが準備されていました。ちなみに「採種」に関する研修もあるため「自分で保存していたタネか」と聞いたところ「それなんだよ!!瓶に入れて全部取っておいたのに、妻と母が余った料理の保存かなんだか知らないけど、とにかく瓶を使いたかったらしく、自分が留守の間にそれを大きな容器に全部ぶちまけて混ぜちゃったんだよ!タネが小さくて仕訳しきれず、ヤケになって泣きながら捨てたよ!!」・・・・笑い話に事欠かない南アフリカの人たちです(笑)。「今度からはキッチンに置かない」と言って、新しい保管場所も見せてくれました。
その後、ご飯を食べながらの会話のなか、「自分でいろいろ作っているとやっぱりお金がかからないし、自分が親戚の緊急事態などで自宅を不在にしても、家族が野菜を食べられるし、主食のメイズも備えてあるし、それをちょこっと売れば、パンも買えるし・・ちゃんと食べてくれていると思うと安心して留守にできる」と言われ、そうか、家で食べ物を作ることでそういう安心の場面もあるのか・・と勉強になりました。

帰り際、おいしい料理をいただき、そうか・・今日の夕飯の野菜、ここで買えばいいのかと思いつき、「チャイニーズマスタード」と呼ばれるからし菜のような味のする葉物と、現地の皆が「ほうれん草」と呼ぶスイスチャード、そしてレタスをたんまり購入して帰りました。スープにしたり、煮物にしたり、オイルと煮てパスタと和えたり、サラダにしたり・・毎日食べていますが、5日経った今でもまだ消費しきれません。ですが、水に差しておくとピンピンしていて元々の野菜が元気なのがよくわかります。

フェズィさん作のレタス。もともとはこれの4倍はあり。大きすぎて、水を入れた入れ物が倒れて水がこぼれること2回・・・(泣)フェズィさん作のレタス。もともとはこれの4倍はあり。大きすぎて、水を入れた入れ物が倒れて水がこぼれること2回・・・(泣)
あまりにデカい葉っぱなのでシンクにつっこんでいますあまりにデカい葉っぱなのでシンクにつっこんでいます

こういう野菜を毎日いただいているため、私も日々元気に過ごせています。

  • 同じフィアボム村のロシーナさんのはなしはここからどうぞ
  • 執筆者の渡辺は、南アフリカ事業と並行して、隣国・モザンビークで実施されている日本のODA事業「プロサバンナ」についての政策提言活動を担当しています。2017年8月現在、入国のためのビザが発給されないため、署名活動を実施中です。多くの方に応援していただき、もうすぐ5,000筆。ぜひご賛同ください。
    

【署名継続中!】国際NGOスタッフ・渡辺直子さんがモザンビークに入国できるようにしてください!http://bit.ly/2v4IP8U

「畑は焦げてしまったけれど・・・」。フィアボム村のロシーナさん

南アフリカ事業担当 渡辺 直子
2017年8月31日 更新

JVCは南アフリカ・リンポポ州のフィアボム村で2015年から住民を対象に、家庭菜園研修を行っています。この7月には、JVCのこれまでの活動がどうだったのか、振り返りを行いました。研修生の中には、畑をそれまで一切作ったことがない人も多くいます。6月に「水の有効活用」の研修のために自宅を訪問した際、「本当に畑の中にいるのが好きなんだなぁ」と強い愛情が感じられるような、見事に素晴らしい畑をつくっていたロシーナさんもそんな1人です。

ロシーナさん。この日は作業をするために畑にいるわけじゃないので、赤ちゃん背負って、カバンもって、日傘さして、と大量の荷物!ロシーナさん。この日は作業をするために畑にいるわけじゃないので、赤ちゃん背負って、カバンもって、日傘さして、と大量の荷物!
6月のロシーナさんの畑。愛情がたっぷりそそがれています6月のロシーナさんの畑。愛情がたっぷりそそがれています

しかし、今回訪問するとなぜか畑の半分が「黒焦げ」になっていました。聞けば、留守中に子どもたちが遊んでいて、火をつけてしまったのだとか。「誰もケガしなかったの?火が燃え広がったり、家にうつって大事にいたらなくてよかったね」と言うと、「でも畑が!!!」と。「おおごとにならなくてよかった」の、ひとことに共感すると思っていたら・・・畑?

今は当時の自分を思い出しては爆笑しながら話してくれるのですが、帰宅して燃えた後の畑を見たときは、子どもたちを叱る前に、「私の畑が!!バナナが!ほうれん草がぁぁ~!!!」と子どもたちの目もはばからず、まさに声をあげてワンワン大泣きしてしまったそうです。その様子を見た子どもたちは「何やら非常によくないことをしでかしてしまった」と自らの過ちに気づき、泣いて謝ってきたとのこと。笑いごとではないのですが、話を聞いていて一緒に爆笑してしまいました(笑)。「そんなに泣くなんてほんとに畑が大事なんだねぇ」と言ったら「そうよ!!私の生きがいよ」と。

7月、「事件」直後のロシーナさんの畑7月、「事件」直後のロシーナさんの畑

「それにしてもよくやる気なくさなかったね」と聞いてみたら、それが・・と素敵なエピソードを披露してくれました。その後、あまりのショックにやる気がでず、燃えた畑を見ては呆然とし、泣いて落ち込んでいたところ、数日後に事態を聞きつけた一緒に研修に参加している仲間たちがやって来て、様子を見るなり何も言わずに畑の燃えカスの灰を集め始め、それをまだ残っている畑に蒔き、畝(うね。畑にものを植えるため、幾筋も土を盛りあげたところ)を作り・・・もくもくと作業をしてくれて、救われたのだといいます。今は、子どもたちが入れないように、丈夫なフェンスを作っているの!とのことでした。

ロシーナさんと、訪問した日も作業を手伝っていた同じく研修生のドリスさん(右)笑顔が素敵!ロシーナさんと、訪問した日も作業を手伝っていた同じく研修生のドリスさん(右)笑顔が素敵!

この村の研修参加者たち(40人くらいいます)は全員がとても仲がよく、タネやできた野菜を日常的に交換したりしています。自宅近くに水源がない人に自宅の敷地を提供して、そこで4~5人が畑を作っているというお母さんグループもいます。また、誰かがどこかで新しい情報を得てくると、皆で集まって共有もするのだとか。「もともと仲が良かったのか」と聞いてみると、「ううん。知り合いではあったけどこんな風に友人ができると思わなかった。特に私は、別の村から嫁いできたところで家にこもってばかりだったから・・」とロシーナさん。「友人づくり」は活動の中で目指していたわけではありませんが、素敵なインパクトがあったのだなぁと嬉しくなりました。

水不足、家族が倒れた、ケガをした、子どもが病気になった・・・これまでの活動で畑づくりを続けられなくなる人も見てきましたが、その大きな理由のひとつが、他の人のサポートが得られず、何か問題が起きた時にやめざるをえない、というものでした。こんな風に、畑での作業や日々の食料を支え合う仲間がいれば、畑での作業だけではなく、いろんなことを乗り越えていけるのだろうなと思います。これを見たJVCスタッフのモーゼスが「これこそ"持続性"だね~」と嬉しそうに(振り返りのための)メモを取っていました。

生き残った畑にお邪魔したとき。私はサングラスをつけていますが、恰好つけているわけではありません。トシを取って、炎天下を終日歩くと目が痛くて開かなくなるのです・・・生き残った畑にお邪魔したとき。私はサングラスをつけていますが、恰好つけているわけではありません。トシを取って、炎天下を終日歩くと目が痛くて開かなくなるのです・・・

大使が村にやってきた

南アフリカHIV/エイズプロジェクトマネージャー 冨田 沓子
2015年9月11日 更新

3年間の研修の成果

少し前のことになりますが、7月8日にパートナー団体であるFAMSAからドロップインセンター(DIC)のボランティアに研修の修了証を贈呈する授与式が催されました。FAMSAとは事業一年目に実施したカウンセリング研修にはじまり、今年終了したコミュニケーション研修をとおして、とくにDICボランティアの子どもたちへのケアの向上に一緒に取り組んできました。

事業最終年の今年。今までのDICボランティアの努力を称えたい。そして、コミュニティの人びとに彼らの努力を知ってもらいたいという思いから、今年3月に終了したコミュニケーション研修の修了証授与式をボドウェ村で実施することにしました。

この事業はNGO連携支援無償を通し外務省からの補助金で実施しています。その中間報告に日本大使館を訪れた際にこの授与式の話になると、「そういうことであれば是非大使が出席できるか調整させてください」と担当者の方から嬉しい申し出が。たった1時間程の式典に出席するにも、首都プレトリアから片道4時間以上の道のり。実現するか不安でしたが、忙しいスケジュールを調整していただき、大使がボドウェ村にやってくることが決まりました。

ゼノフォビアをなくそう!子どもたちが立ち上がる

南アフリカHIV/エイズプロジェクトマネージャー 冨田 沓子
2015年8月25日 更新

「ごちゃ混ぜ」の村だからこそ

ヒャンガナニのRDPハウスヒャンガナニのRDPハウス

活動地の一つ、ヒャンガナニ村のドロップインセンター(DIC)で、ゼノフォビアをテーマにした啓発キャンペーンがDICボランティアの企画で実施されました。

今年に入ってから、南ア全土で外国人が経営する商店が焼かれ、多くの外国人がコミュニティから追い出されるなど、ゼノフォビア騒動が続きました。ヒャンガナニ村は南ア政府の政策の一環として建てられたRDPハウスと呼ばれる貧困層向け住宅が整然と立ち並ぶ地域。もともと伝統的な首長の配下になく、RDPハウス建築によって「つくられた」コミュニティです。そのためか、さまざまなトラブルを抱えた人たちがリンポポ州内もしくは南アの他地域からも移り住んできます。また、モザンビークやジンバブエなど近隣諸国の人びとも多く暮らし、さまざまな人種、言語、文化が入り混じる地域です。「ヒャンガナニ」とはツォンガ語で「ごちゃ混ぜ」を意味することからもその状況がうかがえます。

この地域で、今まで目立ったゼノフォビア騒動は起きていないものの、問題の火種となり得る差別意識は常に存在しています。今までも子どもたちの間で外国人を差別するような発言があったり、他地域の子どもたちにヒャンガナニ村は貧しいからとバカにされいじめにあうケースがありました。これらの問題について意識を高めるため、今回の啓発キャンペーンが実施されました。

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