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パレスチナの味

パレスチナ現地調整員 津高 政志
2010年4月 7日 更新

東エルサレムにあるJVC事務所で働いていると、コンコン、とドアをノックする音がします。ドアを開けると、お隣に住む家族のご主人がレモンを3つ片手に持って立っていました。

「どうしたんですか?」
「これ、下の庭で採れたんだ」と言ってレモンを3つ僕にくれました。
「あ、どうもありがとうございます」
そういえば庭にレモンの木があったような気もします。
「いいか、これを切って搾るだろ、それで水と砂糖を入れて混ぜるんだ」
何だか秘密のレシピを教えるかのようにおじさんは言います。
「はい・・」
「レモンと、水と、砂糖だぞ。それを飲むと、のどにいいんだ」
「了解です。ありがとうございます。レモンと、水と、砂糖、ですね」
「そうだ。レモンと、水と、砂糖。じゃあまたな」

考えてみると、おじさんはラマダン(イスラム教徒の断食の月。日中の飲食が禁止)の時もゴマせんべい(ラマダン中の名物)を僕にくれ、ラマダンが終わった時にはカーク・アラ・イード(ラマダン明けに食べる甘いお饅頭のようなもの)をくれ、季節のものを僕に色々振舞ってくれます。今度日本に一時帰国したら何かお土産を買ってこようと思いました。

僕は仕事が終わってから、もらったレモンとレシピのことを思い出し、搾ってみました。パレスチナではこういう搾りたてのフルーツジュースが結構一般的で、道端でもよく売っていますし、また家庭でも作っていることがよくあります。
「水と、砂糖・・」
よく考えるとその割合がいちばん重要じゃないか、と思います。砂糖を結構多めに入れてみますが、
「うわ、酸っぱいな」
でも、ちびりちびりと飲みながら、何だかパレスチナだなぁ、と思います。レモンジュースを飲みながら、昼ご飯の残りのシュワルマ(焼いたお肉)とサラダなどを晩ご飯として食べます。

パレスチナに来て8カ月が経ちました。根っからの都会っ子で引っ越し族だった僕は、お隣さんと会話することもこれまであまりありませんでした。日本を離れて「近所づきあい」や「おすそ分け」や「旬の食生活」の文化に出くわすなんて、と思いながら、これまでパレスチナで経験した数々の出来事のことを少し思い返してしまいます。お隣さんによくしてもらったり、いいこともあるけど、決して楽しいことばかりではありませんでした。悲しくなったり、怒りを感じたりすることも多く、浮き沈みの激しい生活に自分を何とか合わせてきた、そしてこれからも合わせていかなければならない、というのが実感です。そう、色んな意味で刺激の強い生活。
「やっぱり、味で言ったら、酸っぱいかな」
と、僕はレモンジュースを飲みほしながら思うのでした。


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