アジア・中東・アフリカで活動する国際協力NGOです。
  • JVC facebook
  • JVC twitter
  • イベントメルマガ配信中
  • 文字サイズ:大きく
  • 文字サイズ:中くらいに
  • 文字サイズ:小さく
JVC English website

ガザ:ハマスとマフィア一族と記者解放

パレスチナ現地代表 小林 和香子
2007年7月 4日 更新

ハマスはガザを制圧してから治安回復に必死です。交通整理やファタハ系の建物を護衛するのはもちろんのこと、特に力を入れているのは組織犯罪の没滅のようです。ガザの人がファタハの腐敗を話すとき、ファタハ系治安部隊と組織犯罪グループの癒着を口にします。有力な一族が武装した犯罪組織を持ち、麻薬や武器の密輸・売買をし、治安部隊はそのような組織と協力することで利益を得ていたとまことしやかに語られます。外国人拉致を行っているのも、「マフィア一族」と呼ばれる、このような一族たちと言われています。そして、ガザを制圧し治安を担うハマスが治安確保のために必要なのが、このような部族たちを管理下に置くことです。

ガザの知人は、ハマスはマフィア一族の取締りを始めていることを教えてくれました。家宅捜索をして、麻薬や武器を押収しているとのことです。没収した麻薬は火をつけて焼いているそうです。公共の場所で麻薬を燃やして良いのか心配にもなりますが。そんな話を聞いた翌日、知人の家に向かう道が、警察によって通行止めになっていました。その先に人が沢山いるのが見えます。女性もたくさん外に出ています。仕方ないので回り道をして、知人の家の前に着くと、通行止めになっているのはあるマフィア一族が住む一角だそうです。知人の話によると、その日、ハマス警察がやってきてマフィア一族の家を一件一件捜索し、男性達の何人かを連行し、女性達を外に出し、麻薬と武器を没収していったとのことです。ハマスの治安部隊はガザ制圧直後に、この部族と応戦し、頭領をすでに逮捕しているので、今回の家宅捜索では特に抵抗もないようです。私達が数十分後にその前を通ったときには、誰も路上にはいなく、すでに通行止めは解かれていました。

いくつもあるマフィア一族の中でも最大で最強と言われているのがダグムーシュ一族です。「イスラム軍(Army of Islam)」と名乗る武力勢力を組織し、イギリス人記者アラン・ジョンストンを拉致しました。知人は言いました。ハマスはマフィア一族を一つづつ潰していくことで、このダグムーシュ一族に圧力をかけているんだよ。ダグムーシュ一族がアラン・ジョンストンを開放するのは時間の問題だよ、と。

その話を聞いた、数日後の7月2日、ハマスは動きました。このダグムーシュ一族でイスラム軍のリーダー格を逮捕しました。そして、遂に7月4日未明、アラン・ジョンストンは114日ぶりに解放されました。そしてガザは記者解放のニュースに沸いています。ガザの人たちは外国人を拉致するこのような組織を厳しく非難していました。ガザの人たちにとって、ガザにいる外国人は大切なお客様であり、占領下で困難な生活を強いられている自分達の声を代弁してくれる貴重な存在です。中でもアラン・ジョンストンは他の記者が引き上げても最後までガザに残って「真実」を伝えようとしてくれた、として絶大な人気を得ていたのです。

アラン・ジョンストンが解放されたのと同じ朝、エルサレムで国際NGOの会合があり、私達はこの良い知らせで盛り上がりました。特に拉致の危険性が高いと言われガザへの出入りを厳しく制限されていた米国と英国のNGOスタッフには安堵感が漂っていました。そして、エルサレムに一時避難していた国際NGOスタッフも少しずつガザへ戻り始めました。ガザでの治安の問題はかなり解消されましたが、深刻になりつつあるのが、西岸からも国際社会からも切り離された、ガザの人々の政治・経済・社会状況です。人道支援物資の運搬も制限され、公務員の解雇も進み、開発援助の凍結の影響も出てきています。私達国際NGOはガザへの緊急支援のあり方を模索し始めています。


団体案内
JVCの取り組み
11ヵ国での活動
イベント/お知らせ
現地ブログ
あなたにできること
その他
特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター
〒110-8605 東京都台東区上野5-3-4 クリエイティブOne秋葉原ビル6F 【地図】
TEL:03-3834-2388 FAX:03-3835-0519 E-mail:info@ngo-jvc.net