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バグダッドレポート【4/21】

中東 パレスチナ最新情報 中東担当 佐藤 真紀 佐藤 真紀 佐藤 真紀
2003年4月22日 更新

本日4月21日はバグダッドから約120キロのシーア派の聖地カルバラを訪問したのち、ヨルダンに暮らすイラク人に託された家族への手紙を届けに行きました。

聖地カルバラ

カルバラは預言者モハメッドの孫で第三番目のイマーム、680年ADにカリフとの戦いで殉教したフセインの墓を祭ったフセインモスクがある。シーア派にとってのもっとも聖なる霊場であり、巡礼の地である。そして今日はフセインの死から40日目の記念日で、巡礼者たちはフセインの味わったのと同じ苦しみを共有するために、自分の体を叩き、踊りながら聖地へと向かう。

バグダッドから聖地への道沿いには、巡礼者のための、水のサービスや、炊き出しが自然な形で行われていた。聖地へ向かう道は農家が多く、ところどころ戦車が破壊され転がっているが、空爆などの被害はほとんど感じられなかった。途中、橋が壊されていたが、土を盛って車が通れるように応急処置がなされていた。

道沿いの店も開いていた。このあたりでは略奪もほとんどなかったとのこと。電気は止まったままだったが、見る限りきわめて普通の生活に近い状態のようだ。サダムがいなくなって初めて自由にこのお祭りを実現出来たことに、巡礼者は喜びを隠せない様子だった。

母親の陳情

バグダッドに戻ったときに、ある光景が目に留まった。子どもを抱えた母親が戦車の上の米兵に陳情をしているところだった。母親が言うには、子どもは栄養失調で、さらに小児がんにかかっているという。一体どこにこの子を連れて行けば良いのか、と訴えていた。

バグダッドでは、電気もなく、テレビもなく、人々の得られる情報は限られている。現地の人にはどこの病院が診療しているか、安全なのか等の情報も入手しづらい。逆に国外にいる人間の方が最新の情報を持っていることになる。

看護師吉野、手紙で家族を繋ぐ

ヨルダンで預かってきた2通の手紙を家族に無事届けることが出来ました。

一通は、ヨルダンで私が看護師として関わっているカリタス病院の住み込みのお手伝いをしているレイラさんから、夫ヤコブさんのお父さんへ宛てたものです。レイラさん夫婦は6年ほど前にイラクからヨルダンに移り住みました。政治的な理由のようです。3ヶ月前にヤコブさんのお母さんが亡くなったときも、訪問することは出来なかったとのことです。レイラさんからの手紙にお父さんはとても喜んでくれました。

そして、レイラさんから是非家族の写真をとってきて欲しいと頼まれたので、ビデオレターの形でみんなの様子とメッセージを撮ってきました。早くレイラさんに届けて、喜ぶ姿をみたいです。

もう一通は同じカリタス病院に通う患者さんのサメルさんから、お母さんに宛てたものです。サメルさんの夫はもとイラクのサッカー選手でしたが、やはり政治的な理由でイラクを後にしました。ヨルダンでは難民登録してます。サメルさんは、自分が元気だから心配しないようにと、また弟が軍隊に入ったと聞いて、大変心配してる様子を手紙に託してました。手紙を読んだお母さんは涙ぐんでいました。幸い弟さんも軍隊には入ったものの、一週間で元気に戻ってきたとのことでした。このことを早くサメルさんに伝えて安心させてあげたい。

電話も郵便システムも機能しないイラクに暮らす人々。彼らと、海外に暮らすことを余儀なくされた家族たちのほとんどには、お互いの生存すら確認する通信手段もありません。そのような状況の中で一通の手紙がこれほどまでに人々の心を動かすものだということを実感させられました。

明日4月22日の活動予定

佐藤は午前中、食料支援を行ってきたダル・アルラハマ(ストリートチルドレンの保護施設)を視察の予定。午後には、アル・サドル(元サダム・シティ)のクリニックを訪問予定です。吉野は午前中、赤新月社付属「母子保健病院」でボランティアを行い、午後は佐藤と合流の予定です。


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