アジア・中東・アフリカで活動する国際協力NGOです。
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現地ブログ from イラク

イラクウォッチ

イラクでは、現在も武装組織「IS」との戦闘が続き、たくさんの人々が住む場所を追われて「避難民」となっています。その多くは、子どもたちです。JVCは、現地NGOであるインサーンと協力して、キルクークに避難してきた子どもたちが安心して集まれる「居場所」を提供しています。このブログでは、インサーンによる現地での活動のことや、イラクに関連するニュースをお届けします。

「ピース・ヤード」担当者へのインタビュー

イラク事業担当 Ghamra Rifai(ガムラ・リファイ)
2018年9月11日 更新

2018年7月12日、JVCイラク事業が活動に協力している「ピース・ヤード」のまとめ役シェラン・シェルワンさんにビデオインタビューを行いました。彼女の日常や将来の夢、子どもたちとのふれあいについてお話しを聞くことができました(アラビア語でインタビュー)。

16年の時を越えて再開したモスルの春祭り

イラク事業担当 Ghamra Rifai(ガムラ・リファイ)
2018年7月31日 更新

モスルの春祭りは1969年4月10日に初めて開催され、9日間にわたって続きました。 盛大なパレードでは、汎アラブ主義を掲げるバース党政権の山車のほか、バビロン時代やイスラム黄金時代などイラクの歴史を紹介するたくさんの山車が町を練り歩きました。それらの中には、エルサレムのアル=アクサ―・モスクや聖墳墓教会のものもありました。祭りには、パレードだけでなく、アートパフォーマンスや詩の朗読、モスルの花の展示などもあり、観光の目玉にもなりました。

モスルの春祭りでのフォークダンス<br />(Wikipedia:Eng Hazim Yahya より)モスルの春祭りでのフォークダンス(Wikipedia:Eng Hazim Yahya より)

初めて開催されてから34年間、祭りは湾岸戦争中も含めて毎年行われましたが、2003年のアメリカのイラク侵攻による治安悪化により中断されました。

現地で協力してくれているNGO団体スタッフからのレポート

JVCイラク事業チーム補佐 中野 恵美
2018年6月18日 更新

JVCイラク事業の現地パートナー団体であるインサ―ンから活動地であるイラク・キルクーク現地の状況を伝えるレポートが届きました。団体スタッフのアリ―さんが執筆してくれたものです。

キルクークの現在の状況

インサーンは、イラク社会に社会的・文化的な「気づき」を広め、平和・人権・公平な参加を促進するために活動しています。そして、イラクの人々を苦しみから解放し、エンパワメントを進めることを目指しています。特に紛争の被害に苦しんでいる人々、中でも女性と国内避難民を主たる支援対象としています。

インサーンは、キルクーク県の中でもっとも活発なNGOのひとつで、多様性のあるコミュニティの中で、コミュニティの一体感を高め、平和共存を進めています。

2017年10月、イラク中央政府は、自国民に対して軍隊を使わないという憲法と法律を破り、キルクークに侵攻しましたが、クルド人部隊であるペシュメルガは、人々の命と暮らしを守るために、あえて戦いませんでした。

数千人のクルド系と非アラブ系の人々が、スレイマニヤやアルビルなどの近隣の県に避難しました。イラク中央政府は、治安維持軍や警察署などのトップを解任し、中央政府側の人物に替えました。中央政府は、新しい規則を作り、クルド自治政府系の組織を追放し、平和共存のために活動するNGOも追放しようとしています。

治安状況の悪化に加え、この規則の変更により現地NGOの多くがキルクーク県内で活動することができなくなってしまいました。中央政府およびキルクーク県の新しい行政当局が、クルド自治政府から活動の許可を得ていた現地NGOに、活動する許可を与えなかったためです。これにより、上記のNGOは、一切の活動ができなくなっています。さらに、中央政府とクルド自治政府の対立により、多様な背景を持つコミュニティの平和共存に悪影響を及ぼし、市内においても民族間の緊張が高まっています。

インサーンは、中央政府にNGO登録しているため、キルクークで活動できているほぼ唯一の現地NGOです。今こそ、平和共存のためにこれまで以上に努力し、この地域で人々のつながりを再び取り戻さなければなりません。特に、キルクークの子どもたちは、平和共存の概念を学ぶために「平和のひろば」による、より一層の支援を必要としています。イラクの子どもたちが生き延び、再び暴力の渦に巻き込まれないようにするため、日本のみなさんの支援を必要としているのです。私たちの活動へのご支援をお願いいたします。

アリー・ジャバリ

「平和の創り方」イベントを開催しました(2017年12月)

JVCイラク事業チーム補佐 中野 恵美
2018年5月24日 更新

2017年12月9日(土)・10日(日)、新潟市内にて「JVC&インサーンのイラクでの活動報告会」と「平和の創りかた」ワークショップを実施しました。イラクから学びつつ、日常生活の中の「平和」と「暴力」について考えてもらうと共に、イラクの状況について理解を深めてもらうことができました (参加者計60名)。

大学生として、また女性としてイラクのNGOで子ども支援に関わったラジャーさん

イラク事業担当 Ghamra Rifai(ガムラ・リファイ)
2018年4月26日 更新

イラクでの「平和のひろば」の活動には、色々な背景を持つファシリテーターさんが参加しています。ファシリテーターさんたち自身も、平和や人権に関する知識を学んで、生き方がちょっとずつ変わっていきます。元ファシリテーターの中から、ラジャーさんのストーリーを紹介させていただきます。

「平和のひろば」を通じた平和醸成活動

イラク事業チームボランティア Ghamra Rifai(ガムラ) JVCイラク事業チーム補佐 中野 恵美
2018年3月 6日 更新

INSANとJVCが2017年8月~10月実施した「平和のひろば」の内容を報告します。

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1、参加者の選定
ラパリンなど5つの地区の学校に通っていない子どもの保護者にアプローチし、「ソーシャルアート活動」への参加者を募った。保護者とミーティングを持ち、活動について説明するとともに、参加者についての詳細な情報を得るようにした。 また、インサーンのコミュニティ委員会の協力で、対象の地区の人々にもチラシやバナーなどでプロジェクトについて事前に告知した。

参加者内訳 (計 65名)

女子 35名 男子 35名
アラブ系 50名 クルド系 10名 トルクマン系 5名
計 65名
2、送迎バス
治安が悪いため、子どもたちの安全を考慮し、送迎のバス便を用意した。
定員25人のバス1台で6地区を回り、65名の参加者を2回に分けて送迎した。
3、プログラムの実施

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インサーンの事務所がある建物内に開設した「平和のひろば」にて、10回にわたるアートセッションと、4回の校外学習を実施した。セッションは1回あたり 約3時間である(2時間のアートセッションと、1時間の精神科医による精神的ケア)。
セッションは、平和や人権の専門家や、アートソーシャルワーカーであるインサーンのスタッフらが運営し、インサーンのボランティアがこれをサポートした。精神的ケアは、精神科医が担当した。

【主な内容は次のとおり。】

8/15 ①平和構築についての意識啓発
②子どもたちのプロフィール(紹介)を作成
8/23 ①お面を使ったプレゼンテーション(子どもたちがお面を被って自分たちの意見を自由に表した)
②平和のメッセージ(輪になって目をつむり、互いの手に触れることで挨拶と平和への願いをお互いに伝えた)
8/29 ①お絵描きやハンドクラフト(工作)で平和を表現(アラブ系やクルド系の子どもたちは、お互いに相手の旗を描いた)
②日本から訪問したJVCのスタッフを、子どもたちが日本語のカードを使って迎えた)
8/31 ①「自分を信じ、大切にすること」をテーマにしたビデオ鑑賞のあと、精神科医による話。
10/2 小児貧血症センターの訪問(苦しんでいる人々を民族や宗派不問で助けること。子どもたちはこづかいの中から寄付をした。)
10/4 平和をテーマに歌詞を作り、一緒に歌った。
10/7 日本文化について(日本地図、歴史、和食、和服、文字など)
10/8 ①孤児院訪問(孤児たちと一緒に遊んで、参加者から孤児たちに平和の意味を説明)
②遊園地に行き、ゲームをしたり歌を歌ったりして遊んだ。
10/9 「すばらしい庭」を想像して工作の作品をつくり、「平和のひろば」と名づけた。
10/10 老人ホームの訪問(スタッフを手伝い、お年寄りのお話を聴く)
10/11 紛争解決をテーマにしたロールプレイ(寸劇)。子どもたちは寸劇を通して、対話することの重要性を学ぶとともに、演劇・舞台・シナリオ・登場人物・監督・観客など演劇に関する基礎知識を得た。
10/14 ①コミュニティの団結と平和共存に関するマンガを読んで、話し合い。
②平和や人権についてのイメージをどのように絵で表現するかというビデオを鑑賞。
10/15 平和共存に関するストーリーの読み聞かせ
(ファシリテーターがストーリーを読んで、子どもたちの意見を尋ねた。)
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子どもたちの変化だけではない。ピース・ヤードの活動が与えるもの

イラク事業チームボランティア Ghamra Rifai(ガムラ)
2018年1月23日 更新

昨年12月、INSANのアソさんが研修と活動報告のために来日しました。アソさんは50代のクルド系イラク人の男性で、INSAN でアドミ(管理部門)を担当しています。

アソさんに初めて会った時、なぜか分かりませんがすぐに自分の父を思い出しました。いつも笑顔の優しい人です。私の家でご飯を食べながら、政治、人権や歴史の話をしました。日本でだれかとアラビア語を話せたことでホッとしている感じでした。食べ終わったら、丁寧にお礼を言ってくれました。やっぱり、お父さんを思い出すねと感じました。同じ優しい笑顔と、冷静な声でした。

二度目に会った時には、大勢の人の中で静かにほかの人の話を聞いていました。そして、英語かアラビア語を使って、徹底的に質問に答えていました。その日には「アソさんはINSANで働いてから何が変わりましたか?」とアソさんに聞きました。

「前にはバグダッドでレストランのオーナーでした。いつも怒っていて、一日中バイトを叱ってばかりで。。。」
へっ!信じられない!いつも笑ってるこの優しいおじさんに、そんな怒ってる人のイメージは全然ありませんでした。

元々、アソさんはキルクークの人です。息子が亡くなってから人生を立て直すためにキルクークに戻ったそうです。INSANで働く友達から、一緒に働きませんか?と誘われ働き始めたそうです。

INSAN で働くうちにパソコンを使うようになり、また他人の言うことを聞くこと、冷静に答えることに慣れて、いろいろなスキルを得たそうですが、本当に変わったことは、アソさんの人権に関する知識と関心だったそうです。

また、INSANで働くと、人の悲しみや悩みに共感をして、感情が豊かになり、人の苦しみを見るとすぐ涙が出る人になったそうです。

「INSANで働いてる大人の男が泣いている姿は何回も見たよ。」アソさんが言いました。
INSANのスタッフは、貧困家庭を訪問したあと、あまりに悲惨な状態で、事務所に戻ると泣いてしまう。組織の判断を待ちきれなくて、事務所にいる人たちで寄付を集め、個人的に支援を出す場合もあるそうです。

このような話を聞き、私もINSANの活動をサポートしていきたいと、あらためて思いました。

スレイマニアを震源とするイラン・イラク地震について

経理担当/イラク事業担当 池田 未樹
2017年11月21日 更新

11月12日深夜、イランとイラクの国境地帯で大規模な地震が発生し、死者約450人、6,700人以上が負傷しています。
米地質調査所(USGS)によると、震源はイラク北東部ハラブジャ南方で、震源の深さは23キロです。パキスタン、レバノン、クウェート、トルコでも余震が観測されました。

イラクでは6人が死亡し、500人以上が負傷しています。イラクのアバディ首相は、声明で、政府のチームに災害への対応を指示したと発表しました。イランのハッサン・ルハニ大統領も、今日火曜日に被災地を訪れる予定です。トルコのビナリ・ユルドゥルム首相は直ちに支援を求めました。

JVCのパートナー団体のINSAN事務所は、震源地のスレイマニアから西に約200km以上離れていますが、震源地のスレイマニアにはINSAN代表のアリーさん、元INSANスタッフのインティサールさんが住んでいます。特にインティサールさんが住むKalarは震源地から約40kmのところにあり、地震の影響で深夜2時まで外で避難しなくてはいけませんでした。みな、日本の地震のことを連想し、東日本大震災の時に震度いくらだったかとか、日本人はこのような地震に対して多くの経験をしているとか、話題が日本のことにもなりました。

震源地のスレイマニアはセメント工業が盛んで、現地のビルもブロックをそのまま積み上げた建物が多いですが、アリーさんは「ここは地震がないので大丈夫、大丈夫」と言っていました。よって、スレイマニア市内では下記のように崩壊したモールもあります。
https://www.facebook.com/nrt.arabicc/videos/1985889758340188/

イラクとイランの間にはザグロス山脈がはしっており、この山脈はユーラシアプレートとアラビアプレートの衝突で形成された山脈です。イラン北西部のアゼルバイジャンから南東部に走り、延長約2000km、幅165~320kmで、いくつもの小山脈が並行にはしりそれらの間は細長い河谷平野がこれまた並行に分布しています。イラク出張の際、ドバイやドーハを経由し、イラク上空が通過できないので、この国境周辺を通ってイラクへ入国しています。今回、ここが震源となりました。

It's our destiny from one hand military operations and in addition our god is punishing us as well soooo....

普段は"厳格な"ムスリムではない彼ですが、車の運転時には常にコーランをおいています。まだ軍事作戦が行われているイラクにおいて、この地震を「罰」と表現しました。

アリーさんは12月7~15日の予定で来日します。下記の日程でイベントを実施しますので是非ご参加下さい。
http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/iraq-iraqwatch/2017/11/20171007-iraq-peace.html

※この記事にあるイベントは、当初は10月7日・8日の開催を予定していましたが、12月9日・10日に変更になりました。ご了承ください。(11月7日更新)

日頃、ちょっとしたことで"イラッ"とすることはありませんか。
そんな時、あなたはどう対処しますか。
「時間が経つのを待つ」「相手の話を聞く」「自分の気持ちを伝える」、
どれも簡単とはいえません。
"平和の創り方ワークショップ"では、そんな身近なことを糸口に、
"平和ではない状態を引き起こす原因のひとつ=暴力"を考え、解決への鍵を探っていきます。
昨年に引き続き、イラクのNGOである「インサーン」のスタッフ2名が来日!
イラクで子どもたちを対象に実施している非暴力のワークショップについての報告会も実施します。

イベントチラシ表(PDF)イベントチラシ表(PDF)
イベントチラシ裏(PDF)イベントチラシ裏(PDF)

10月16日 キルクークで起きた衝突について

イラク事業担当/アフガニスタン事業担当 池田 未樹
2017年10月24日 更新

JVCがイラク現地NGOであるINSANと活動しているキルクーク市にて、16日未明に戦闘が起きました。

9月25日、イラク政府からの分離独立の是非を問う住民投票(投票の結果、9割以上が独立に賛成)が、クルディスタン地域において実施されました。クルド自治政府が、トルコやイラン、シリアの近隣国や米欧の反対を押し切って実施した独立の是非を問うこの住民投票は、JVCのパートナー団体であるINSANが活動するキルクークなどの係争地でも実施されました。この住民投票に反対するイラク中央政府は、この投票そのものの無効化を要求しました。さらに経済制裁などの圧力を強め、クルド自治区からの国際線もストップしています。JVCが11月に予定していたINSANスタッフの招聘について調整を進めていた矢先のことでした。

16日、イラク軍は油田、発電所、基地など主要施設を制圧しました。軍は市街地にも入り、クルド自治区の経済的な生命線である原油生産拠点(埋蔵量は 1,150 億バレル(世界第 3 位)イラク国内で最大)を奪い、締め付けを強める様子です。局地的な戦闘の情報はありますが、クルド自治政府の治安部隊であるペシュメルガは抵抗をせずに後退した様子です。この衝突を受け、多くの市民がバスなどでキルクークを離れクルド人自治区の中心都市アルビルなどへ向かっていました。INSANの中にもキルクークを離れたスタッフがいます。

翌日INSANの代表であるAreeさんと連絡が取れ、スタッフの安否確認が出来ました。普段、「scared」という言葉を使わない彼が「It was hard night yesterday, scared of attack」と言っていたことから緊張した状況が伝わってきました。他のスタッフからも「It was a very bad day」と連絡がありました。先月、イラク出張時にINSANのスタッフであるLamiaaさんが「この後(住民投票)、何か起こる気がする」と言っていたのを思い出しました。(彼女は具体的な状況を想定していなかったと思いますが)

現在、イラク軍は既に自治政府が実効支配していた係争地のほぼ全域を制圧しています。しかしクルド自治政府の治安部隊であるペシュメルガが再び奪還の準備を進めているとの情報もあり予断は許せない状況です。キルクークの状況については、引き続きイラク事業チームでウォッチしていきます。

【以下、11月21日追記】
NCCIからの声明
http://www.ncciraq.org/en/
NCCIとは
NCCIは開発の促進、人道的ニーズ対応、イラクの権利を尊重するためにNGOの行動を調整するイラクのネットワーク組織です。JVCVCも参加団体です。
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