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2011年8月号

2011年度アフガニスタン事業インターン 白川 徹
2011年8月 2日 更新

治安

1)カルザイ大統領の弟、殺害される。

元アフガニスタン大統領ハミッド・カルザイ氏の弟アフメド・ワリ・カルザイ(Ahmed Wali Karzai)カンダハール州議会議長が7月12日自宅で自分のボディーガードに射殺された。アフメド・カルザイ氏は2009年にCIAとの深いつながりを指摘されたり、アフガニスタンの違法麻薬ビジネスの元締めだという噂が絶えない人物だった。また、民間軍事会社との関係も取りざたされていた。英ガーディアン紙は彼のことを「アフガニスタンの腐敗と無法の顔」と評した。14日に行われた追悼式典も自爆攻撃を受け、5人が死亡、15人が負傷する惨事になった。

また、カルザイ大統領のアドバイザー、ジャン・モハメド・カーン(Jan Mohammed Khan)元ウルズガン県知事もカブールの自宅で17日に殺害された。襲撃したのは学生風の若い男二人。タリバーンは犯行声明を出している。7月に入り、カルザイ大統領に近い人物が相次いで襲撃、殺害されている。

http://www.guardian.co.uk/world/2011/jul/12/hamid-karzai-brother-assassinated-afghanistan?intcmp=239 (Guardian)

http://www.guardian.co.uk/world/2011/jul/12/ahmed-karzai-modern-afghan-warlord?intcmp=239 (Guardian)

http://www.guardian.co.uk/world/2011/jul/14/kandahar-mosque-bomb-ahmad-karzai?intcmp=239 (Guardian)

http://english.aljazeera.net/indepth/features/2011/07/2011718202654236721.html (AlJazeera)

2)カンダハール市長殺害される

7月27日、カンダハール市長のグーラム・ハイダー・ハミディ(Ghulam Haider Hamidi)が27日にカンダハール市庁舎内で殺害された。実行犯はターバンの中に爆薬を隠し持っており、セキュリティチェックをすり抜けて犯行に及んだ。カンダハールでは17日に州議会議長のアフメド・ワリ・カルザイ氏が殺されたばかり。タリバーンなど武装勢力は近年、政府要人や政府に協力的な市民の暗殺を増加させている。国連によると、昨年は前年の2倍の462人が殺害され、半数は南部で起きたという。

http://www.time.com/time/world/article/0,8599,2085603,00.html (The TIME)

http://www.asahi.com/international/update/0727/TKY201107270602.html (朝日新聞)

政治・社会

1)米軍現地司令官が退任

アフガニスタン駐留アメリカ軍のトップ、デビッド・ペトレアス司令官が7月18日を以って退任した。ペトレアス氏はCIA長官に就任する。司令官職は次席のジョン・アレン海軍大将に引き継がれる。ペトレアス氏はオバマ政権に変わった後就任し、米軍のアフガニスタンからの撤退には反対の立場を示していた。

記事によると、国連が前週発表した報告書によれば、米軍の増派にもかかわらず、2011年上半期の民間人死者数は1462人に上っている。2011年は過去10年で最悪の死者数となる勢いとのこと。

http://www.afpbb.com/article/politics/2813958/7518836?utm_source=afpbb&utm_medium=topics&utm_campaign=txt_topics (AFPBP)

2)治安権限委譲が開始

7月からアフガニスタン各地で、現在治安権限を持つNATO軍からアフガニスタンの国軍、警察に順次権限移譲が行われている。第一段階では6つの州の治安権限が移譲される。権限移譲は17日、中部バーミヤン州で始まり24日には完了した。権限が移譲されたのはバーミヤン州、ヘラート州、パンジシール州、ラグマーン州の州都メタルラム、ヘルマンド州の州都ラシュカルガー、バルフ州の州都マザリ・シャリフ。共同通信によると、当初の予定になかったカブール州の権限もすでに移譲されているとのこと。

http://www.47news.jp/CN/201107/CN2011072501001013.html (共同通信)

http://www.asahi.com/international/update/0718/TKY201107170620.html (朝日新聞)

国際支援

1)麦の不作により食糧不足が深刻化

WFP(世界食糧計画)の報告書は、降雨量の不足や大雨による洪水の被害で麦の収穫量が大幅に減少し、今年、深刻な食糧問題が発生する危険性があると警告している。今年の麦収穫量は昨年より23%の減少。アフガニスタン全体の麦の消費量は5200万トン程度と言われているが、今年の収穫量は4500万トンにとどまる見通し。麦の価格も高騰し、今年5月の段階でマザリ・シャリフの市場では85%も麦の値段が上がっている。

WFPのアフガニスタンに対する予算は今年に入り2億2千万ドル減額されている。

http://www.irinnews.org/report.aspx?reportid=93048 (IRINE)

2)国際NGOが女性の現状について報告

6月24日に発表されたセーブ・ザ・チルドレンの報告書は「アフガニスタンは母親にとって最悪の国」であると指摘した。報告書によると一日に50人の妊婦が出産に際し死亡。女性の3人に1人が肉体的性的な暴行を経験している。また、アフガン女性の寿命は44歳でしか無い。

85%の女性は読み書きが出来ず、就学年齢にある女性の70%は保守的な家族や、治安の問題で学校に行くことができない。また、アフガニスタンはサハラ以南の幾つかのアフリカの国と並び、幼児死亡率が世界で最も高いと指摘している。

http://www.irinnews.org/report.aspx?reportid=93202 (IRINE)

総論・オピニオン

治安権限の移譲が各地で始まり、それに合わせてアメリカ軍は現在約10万人の兵士を来年夏までに3万3千人減らす。しかし、現地の軍、警察は腐敗が進んでいることもあり治安を支える力は無い。タリバーンを始めとする反政府武装勢力は一層攻撃を強め、政府要人でさえ自分の安全を確保することが出来なくなっている。外国軍撤退による治安の悪化は予想されていたことである。その予想は現実のものとなり、暴力が今以上の力を持ってアフガニスタン全土を覆っている。

カブールの友人とメールをやり取りしていると、彼が米軍撤退のあおりを受けて職を失ったとの話を聞いた。彼はアメリカのODA系列のNGOで働いていて、その団体も軍の撤退に合わせて事業を縮小するとのことだ。私の友人の契約は更新されず、情勢の悪化するカブールで無職になってしまった。

「勝手に攻めてきて、勝手に復興を始めて、都合が悪くなったから勝手に去っていく」

彼の怒りももっともだ。どうしてアフガニスタンの人々はこうも外国に翻弄され続けなければいけないのか。

今回の撤退に合わせて活動規模を縮小、撤退する団体はどういうことだろうか?国連でさえアフガニスタン関連の予算を減らしている。所詮は「援助」というものが、軍事活動とリンクしていることを証明したのだ。最も苦しい時だからこそ、寄り添い、一緒に困難な時期を歩く必要があるのではないか。

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