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【9/30まで!】夏の募金にご協力ください

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(2023年11月7日追記)
2023年夏の募金キャンペーンは、9月30日に終了いたしました。
総数804件:総額790万7,306円
たくさんの方にお気持ちをお寄せいただきました。
皆様からお預かりしたご寄付は、大切に現地での活動に役立ててまいります。
本当にありがとうございました。
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写真は20234月上旬、JVCがスーダン南部のカドグリで運営する「正規就学を目指すための補習校」の修了式での一枚です。

成績順に名前が呼ばれ修了証が授与される中、自分の成績に満足がいかず、「もっとできる」と泣いて悔しがる女の子となだめる先生たち。

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「もっと学びたい」
そんな気持ちで泣いたことはありますか?
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JVCが運営している「正規就学を目指すための補習校」は、様々な理由で学業を諦めざるを得なかった子どもたちに、再度教育を受け、小学校に復学・就学するための支援をおこなう場です。ここに集う子どもたちの「勉強を続けたい!」という気持ちは、私たちの予想を遥かに超える、強くて真っ直ぐなものでした。

スーダンの首都・ハルツームでの武力衝突から2カ月、JVCは子どもたちの「学びたい」気持ちをサポートし続けます。

夏の募金にご協力ください。

大規模衝突から2カ月
JVCはスーダンで教育支援を続けます

4月15日、スーダンの首都ハルツームで、大規模な武力衝突が発生しました。5月末現在、140万人を超える難民・国内避難民が発生し、市民の犠牲者は800人を超え、兵士を含めると、さらに多くの犠牲者が出ていると推測されます。

当時JVCの駐在員はハルツームを不在にしており、現在は日本に帰国しています。また現地スタッフは、現時点で安全な場所に滞在しています。

JVCの活動地があるカドグリは、ハルツームから約600km離れています。物流の制限、物価の高騰、関係者の親族が戦闘の犠牲になるなど影響は大きいですが、一方でこれ以上、幾度となく情勢に振り回されてきた子ども達の未来の可能性を奪いたくありません。JVCはカドグリで、補習校などの教育支援を継続します。

「学校に行けなかった」子どもたちとともに
(スーダン事業現地代表 今中航)

いつもあたたかなご支援をまことにありがとうございます。JVCスーダン・現地代表の今中航と申します。

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(駐在5年目の今中。プロフィール詳細はスタッフインタビューをご覧ください)

415日以降、衝突が起きたハルツームから600km離れた事業地のカドグリでも、「誰がどこで亡くなった」「今日は何人が死んだ」という悲痛な声が、あらゆる日常の場から聞こえました。

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(今回の衝突で亡くなった兵士の葬儀は、JVC活動地のカドグリでもおこなわれた)

中央政府から「辺境の地」として扱われ、開発が進まなかった南コルドファン州にあるカドグリでは、生活のために兵士になる人が後を絶ちませんでした。大きな産業がないこの地では、職業の選択肢が限られているのです。

ここには、学校に行ったことのない子どもたちが数多くいます。学校に行っていないのは、彼らの意思でしょうか?

もちろん、そうではありません。

ほとんどの場合、紛争の影響のために繰り返す移動や、家計を支えるための労働、学費の問題など、彼らの意思とは関係のない理由で、不条理に学校に行く機会が奪われています。さらに今回のハルツームの衝突によって、新たに5,000人近い人々が戦闘地域からカドグリに退避し、その半数近くは就学年齢の子どもたちです。今後、避難民の数はさらに増加することが予想されています。

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(JVCが補習校でサポートする子どもたち)

JVCの補習校に通うようになった子どもたちは、私たちの予想以上に「勉強を続けたい!」という気持ちが強いです。対象は、7~14歳の子どもたちで、平均年齢は9.8歳。これまで約1,400人が修了し、正規の学校に復学・就学しています。

両親を亡くし、親戚の家を転々としていたある女の子は、そこで家畜の世話を命じられ、学校に行くことを反対されていました。それでも「勉強して前進したい。将来は先生になりたい」という思いで補習校を修了し、現在は正規の学校に通っています。親戚の考えも軟化し始めました。

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補習校では授業のほか、行政・学校・保護者と連携し、就学の障壁を取り除くための取り組みや、保護者への啓発活動も同時に実施しています。勉強に縁のなかった保護者が、「私たちも学びたい」と口にすることもあります。すべてがうまくいくわけではないですが、こういった周囲を含めた取り組みこそが、教育を持続可能なものにするためにはとても重要です。

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(修了式で喜びを分かち合う保護者と子ども、教師たち。2023年4月上旬)

今回のハルツームでの衝突では、私を含めた在留外国人の退避に注目が集まりましたが、逆にそれによって見失われているものも多くあるのではないでしょうか。故郷で戦闘が発生し、そこに留まるしかない人々に対して、「ともにいる」というお気持ちを、日本から送っていただれば幸いです。

(退避直前まで事業地のカドグリで過ごし、人々の声を聞いた今中が綴ったブログはこちらから)

あなたのご寄付でできること

たとえば約5,000円の支援で

スーダンで運営する補習校で、10人分の学用品を購入することができます。

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たとえば10,000円の支援で

25人分の1か月の給食費を支援することができます。

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補習校に通う子ども達の声

サマーフ・ハンマードさん (15)

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私は5年生の時、経済的な理由によって学校に通うのを断念しました。JVCの補習校は無料で通うことができるので、この存在を聞いたときには本当に嬉しかったです!補習校に通うために家族と離れて親戚の家で暮らし、毎朝7時に起きて午前中は家の掃除や洗濯をしてから、午後に補習校に行って勉強を続けました。家での復習も頑張りました。
学校の勉強はどれも大好きです。将来は人を助けられる人間になりたいので、医者を目指します。

セルファ・ハンマードさん (15) 

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ハルツームで生まれ、ヌバ山地で育ち、2021年に父親とカドグリに移動してきました。4年生までは学校に通っていましたが、家計を助けるために家畜の世話を優先することにしたため、それからは通っていません。数学が好きで、困っている人々の治療をしたいので、将来は医者になりたいです。

(補習校先生のコメント:最初は授業に追いつくのに苦戦していましたが、修了時には2位の成績をとるまでになりました。いつも教師の話を真剣に聞く姿勢をもち、努力していました)

不条理に立ち向かう人々とともに

JVCはスーダンをはじめ、イエメンやトルコ・シリア大地震被災地、パレスチナ、ラオス、コリア、南アフリカなど世界各国で活動を続けています。皆様からいただいたご寄付は、各事業地での活動に大切に使わせていただきます。

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(例:パレスチナ 約5,000円で、25人の子どもたちに補助栄養剤を送ることができます)

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(例:シリア北西部・ジャラブルスフで配布したお米や豆、パスタ、トマトペーストなどのフードパッケージと女性のためのキット、衛生キット。詳細はこちら)

皆様のあたたかいご寄付を、どうぞよろしくお願いいたします。

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クレジットカード・銀行振込をお選びいただけます)

(JVCは東京都により認定NPO法人として認定されています。ご寄付は寄付金控除の対象となります。詳しくはこちらから。)

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