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武装解除:アフガニスタン安定への鍵 ディスカッションペーパー
2004年8月12日 更新

中東リサーチャー クリスチャン・デニス/調査研究担当 高橋清貴

現在、アフガニスタンでDDR(武装解除、動員解除、社会復帰)が進められていますが、それを担当するANBP(アフガニスタン新生計画に対する支援計画)の政策と、資金支援を行なっている日本政府の対応を見る限り、現在のDDRの状況に強い懸念を抱きます。

DDRは、国防省の責任管轄の下、UNAMA(国連アフガニスタン支援ミッション)と日本政府の支援を受けながらANBPによって進められています。しかし、"事実上の平和プロセス"*1と言われるDDRは、今極めて重要な岐路に差しかかっています。これまでDDRは、AMF(地方軍閥の正規兵)を解体するという目的をもって開始されましたが、その目標は様々なアクターによって妨げられ、達成が遅れています。もし、進捗スピードを上げ、質の改善に真剣に取り組まない限り、今後アフガンの治安状況は悪化し、権力の空白が生じる中で不安定状態を継続させてしまうでしょう。

問題

現在、首都カブール以外で実効的な支配力を持っているのは中央政府ではなく地方軍閥です。内戦時(1992〜94)、アフガン国内の広範囲にわたって破壊をもたらしたムジャヒディーンの多くは、タリバーンが排除された後、かつての地域に戻り、地方軍閥となっています。彼らは、表向きはカブール中央政府に従いながらも、法の支配の認識を欠いたままに活動を展開しています。彼らは、私設刑務所を運営し、麻薬交易を行い、地域内の敵対勢力との武力衝突を起こしながら、時には人権侵害も引き起こしているのです。*2

国際社会によって認識されている自由で公正な選挙のための基準

  ・80%以上の有権者登録*10
  ・40%以上の民兵の武装解除*11
  ・100%の大型武器の回収*12

解決に向けて:治安部門改革

地方軍閥が保持している権力を中央政府による統治に転換させていくのが治安部門改革(SSR)です。SSRには、国防軍(ANA)と国家警察(ANP)の創設、DDR、麻薬取引規制、司法改革などが含まれます。これらの改革の中で、鍵となるのがDDRです。DDRなくしては、中央政府の国防軍や国家警察が地方勢力をコントロールすることができず、司法改革として裁判所を建て替えたり、裁判官を再訓練しても、彼らが十分に活動することが出来ないでしょう。また地方軍閥はケシ栽培や不法交易によって利益を上げ続けています。しかし、一度でも彼らの軍事的支配力を弱めることが出来れば、他の4つの治安改革を進めることができます。地方軍閥の力を制限することができない限り、治安部門改革は進まないのが実状です。

DDRプログラム

  • 地方兵士の武装解除と動員解除
  • 動員解除された兵士の社会復帰
  • 大型武器の回収
  • 中堅・上級将校の退役

DDRはこれまでのところほとんど進んでいません。その理由は、地方軍閥がDDRに全く協力しないためです。当初、10万人の地方兵士(各地域で時には兵士、時には警察として活動している者)を選挙前に武装解除することを目標としていました。しかし、DDRを試験的に実施し、6週間の本プログラムを実施したものの、まだ12、000人しか解除されていません。今年の3月、UN(国際連合)や支援国関係者が話し合った結果、ベルリン会合で決めた当初の目標(選挙前−6月までに100,000人)の達成は不可能ということで、目標値を40,000人(初期の40%)に下げることに合意しました。その時、同時に二つの重要なことが合意されています。一つは、地方軍閥の武装解除に当たっては、単に兵士を部隊から引き離すだけでなく、軍事リーダーからの支援を完全に断つこと。二つめは、最も問題のある部隊を優先的に対象とすることです(例えば、恒常的に違法なチェックポイントを設けたり、麻薬交易を行ったり、地域を不安定にさせている者たち)。しかし、ベルリン会合での合意は、部隊の包括的な解除について言及をしなかったため、数字上で40%という一部兵士の解除だけを述べたに過ぎないのです。*3

DDRには、別の目標もあります。駐屯地に保管されている大型兵器を大統領選挙前に100%回収することです。現在の所、4000基のうち約140基が回収されていますが、査察に対して地方軍閥は協力的ではありません。その理由は、国防省が大型兵器回収プログラムを管轄していますが、その国防省も一地方勢力によって支配されているため、協力を拒んでいるのです。*4

加えて、中堅・上級将校の武装解除プログラムがあります。彼らを軍役から退かせ、政治的ポストに配置換えしようとするものです。まだ始まったばかりですが、対象者のほとんどは軍との関係を保ち、完全に切れてはいません。そのため、彼らは軍と民間の両方で支配力を有する結果となり、むしろ彼らの権力を強めてしまっているのです。*5

DDRプログラム

DDRの最大の問題は、もっとも不安定な地方軍閥を対象にしておらず、彼らの協力も得られていないことです。地方軍閥は、DDRによって兵士が国家警察官となった後も影響力を保持したり、一旦解除された兵士を再雇用しているのです。*6

このため、DDRは最も危険な武装勢力の解除ができず、遅々として進まないのです。"自由で公正な選挙"の実施を確実にするために必要な地方軍閥の勢力を弱わめることができていないのです。*7

DDRには、限界もあります。兵士100,000人の武装解除を目指していますが、どこにも所属していない民兵が対象に入っていません。実際、地方軍閥は兵士と独立民兵を同時に部隊として抱えています。もし、真剣に地方軍閥の勢力を弱めようと思うならば、武装解除はその規模、対象範囲、質のすべてにおいて拡大する必要があります。

提案

DDRの効率性を向上し、質を改善し、アフガニスタンの軍縮に長期的に寄与するために、*8

  • 支援国、特に日本、米国、イギリス、カナダはDDRに必要な支援を増やすこと。
  • 地方軍閥がDDRに協力するように国際的な政治圧力を維持すること。
  • DDRの国際監視グループに市民社会を参加させ、プロセスのアカウンタビリティを高めること。
  • 地方軍閥はいったん解除した兵士の再雇用を止めること。
  • 大型武器の回収を早め、ISAF/NATOの管理の下に置き、一地方軍閥だけが利益を得ないようにする こと。

効果的なDDRを進めるために何が必要か?

DDRの進捗スピードを上げ、内容の質を高め、アフガニスタンにおいて長期的な軍縮に寄与するようなものにする必要があります。

選挙におけるDDRの影響

アフガンで自由かつ公正な選挙を実施するためには、これらの地方軍閥が、大きさに関わらず、DDRを行なう必要があります。もしDDRが地方軍閥の力を弱めることができなければ、彼らが支配する地域に住む人々の投票行動が影響を受けることは必至です。10月9日に行われる大統領選挙においては、恐らくあまり影響はないかもしれません。なぜなら、どの民族も大統領を選出するに必要な過半数を構成していないからです。しかし、議会選挙においては、地方軍閥は真剣にその力を行使してくることが予想されます。

新しい選挙法では、大統領候補者と政党は武装組織を有してはいけないことになっています。しかし、いくつかの既存の政党は武装部隊を抱えており、当該地域で影響力を及ぼすことは必至です。もし地方軍閥がその力を行使して彼らが推す候補者を当選させることになれば、中央政府議会でも支配力を持つことになり、地方軍事勢力の解体という構造改革をますます遅らせることになるでしょう。*9 そして、アフガンは再び争いを続ける不安定な国となってしまう危険性が残るのです。

1+10 Recommendations from “Civil Participation Society Participation in Afghan Peacebuilding & Reconstruction” Conference, Berlin, 30/3/2004
2 Please see the Amnesty report entitled Afghanistan 'No one listens to us and no one treats us as human beings': Justice denied to women October 2003 http://web.amnesty.org/library/index/engasa110232003 and the Human Rights Watch report entitled killing You is a Very Easy Thing For Us・Human Rights Abuses in Southeast Afghanistan July 2003 http://www.hrw.org/reports/2003/afghanistan0703/
3+11+12 For a full copy of the Berlin Declaration please go to http://www.auswaertiges-amt.de/www/en/aussenpolitik/
friedenspolitik

/afghanistan/konferenz_040331_html
4 Recommendations from “Civil Participation Society Participation in Afghan Peacebuilding and Reconstruction” Conference, Berlin, Germany, 30 March 2004
5 Mohammed Atta has been made Governor of Balkh and may be able to further increase his influence in the area which could lead to him influencing elections in his area and secondly may lead to greater tension with Gen Dostum, who also wants a senior position in the present Government.
6 Please see the ANBP site for details http://www.anbpafg.org many of the rehiring incidents are centered around Kandahar
7 Recommendations from “Civil Participation Society Participation in Afghan Peacebuilding and Reconstruction” Conference, Berlin, Germany, 30 March 2004
8 CARE Afghanistan Policy Brief March-April 2004
9 Please see the ‘Electoral Law’ decree no 28 27/5/04




 
 


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