ラオスのダム問題
 ラオスにはナムグム・ダムという日本の援助で造られたダムがあります。革命前の70年に完成したこのダムは当時ある程度成果を上げていたため外貨獲得に躍起になっていた新政府はこれに着目しました。

 豊富な森の資源を武器に水力ダムを次々と計画し、電力をタイに輸出するという変わった方法をとったのです。しかもその水没予定地の森林を伐採し木材も売るという一石二鳥の政策を打ち出したのです。

 しかし事はそううまくいきませんでした。森林伐採によりダムの貯水率が下がり、思った程の電力が得られなかったのです。仕方なく別の川を引き込む導水ダムを造ったのですが、資金不足により他の計画中のダムも着工の目処がたたないまま伐採したハゲ山だけが残ったのです。

 これに被害をこうむったのが村人です。彼らは森の恵みに依存した生活をしているため直撃したのです。ダムが造られたわけではないのですから、それに対する補償もなく、例え造られたとしても電気が村に巡ってくる訳でもありません。

 メコン河は数多くの支流に支えられているため、その影響を心配してタイの住民はダム建設に反対しており建設は膠着状態のままです。
ナムグム・ダム(写真=JVCラオス)