| ソック・サバーイ68号 |
| 2005年11月発行 |
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目次
グローバルフェスタJAPAN2005 出展報告
彼らはちゃんと見ている
カンボジア事務所スタッフ通信
土地紛争問題
国道4号線(プノンペン−コンポン・サオム)をめぐる紛争問題
編集後記 |
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| グローバルフェスタJAPAN2005 |
カンボジア・ボランティアチーム 小辻 摩希子
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去る10 月1 日(土)、2 日(日)の2 日間、東京の日比谷公園で行われたグローバルフェスタJAPAN 2005(旧:国際協力フェスティバル)に、私たちJVC
カンボジア・ボランティアチームも物販で参加しました。
2 日間とも天候に恵まれ、10 月とは思えないほどの暑さの中、会場内に設置された国際機関、大使館、NGO など約200 の国際協力団体のブースや特設ステージは多くの来場者で賑わっていました。来場者数は主催者発表で1 日(土)が36,000 人、2 日(日)が39,000 人でした。JVC のブースではJVC カレンダーや南アフリカ、パレスチナ、カンボジア等の民芸品を販売しました。カンボジアチームとしての出品は、クロマー(スカーフ)などのカンボジアの手工芸品、地雷T シャツなどで、売上は40,300 円でした。カンボジアの手工芸品を扱っている団体はJVCの他にもいくつかありましたが、例年に比べて売上は上々でした。
JVC はこのイベントに毎年出展していますが、カンボジアチームは近年、物販での参加がほとんどです。このような大規模な国際協力イベントに出展するのは大変貴重な機会なので、JVC
の活動をより多くの人たちに知っていただき、関心を持っていただけるよう、次回以降は他のチームとも相談しながら展示やワークショップなどの参加も検討していきたいと思います。
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| 彼らはちゃんと見ている |
上智大学大学院/カンボジア・ボランティアチーム 柳 星口 |
今回は、カンボジアの水上漁村での、私のホームステイ先であるL 家におけるちょっとしたエピソードを紹介したいと思う。
L 家は、魚の仲買商を営む「プゥー」(「おじさん」の意)L と「ミーン」(「おばさん」の意)の間にお子さんが6 人(男の子2 人、女の子4
人)という家族構成である。私がこのお宅に初めてお邪魔してから、もう2 年の月日が経とうとしている。L 家に実際に滞在した日数は非常に短いが、いままで何回も訪問したり、会えない時は日本から電話を入れたりしているうちに、家族の皆さんともすっかり仲良くなり、プゥーとミーンは私のことを本当の甥っ子のように接してくれ、子ども達とも本当の兄弟みたいに仲良く過ごしている。
けれども、L 家のミーンはけっこう厳しい人である。2 回目の訪問の時だったと思うが、カンボジアを訪れる際、いつも日本からお菓子などのお土産を持参する私は、その日もワクワクしながらお土産を持ってL 家を訪れた。久々の再会に、皆、すごく喜んでくれた。さっそく私はお土産を彼らに渡した。その時のお土産とは、日本のお菓子とタイで買ったドライ・フルーツだった。しかし、ドライ・フルーツを口にしたミーンから思わず出た一言!「オッ・チュガィン!(美味しくない!)」 しかし、すぐ私の存在に気付いたミーンは、「あら、聞き取れた?」と笑いながら言ったのだった。そこで、私を含め、家族全員が大爆笑!!また、別の訪問の際は、赤のスカート(腰巻)をプレゼントしたのであるが、「赤は肌をもっと黒く見せちゃうので、あまり好きじゃないわ」とあっさり言われてしまった。
他にもこんなことがあった。私がポル・ポト政権下での人びとの生活について知りたくて、ミーンに色々と質問していた時のこと。その時、なぜか「プノンペンの人びと」(都会の人びと)に関する話題になった。そして、うちのミーンは「あの時、プノンペンからも多くの人が連れられてきたわ。でも、プノンペン人のほとんどは食べ物が口に合わず、お腹を痛めて死んでいったのよ。プノンペンの人って、もう大嫌い!皆、お腹を壊して死んじゃえばいいのよッ!」のような暴言(?)を平気に口にしたのである。別に悪気があってそんなことを言ったのではない。田舎の人に対して「汚い」とか「黒い」とか「遅れている」などといった言葉を平気で口にし、高飛車で傲慢な態度を取って田舎の人を見下すプノンペンの人びとに、ミーンはただ単に嫌気が差しただけなのである。
しかしながら、こんな鬼のようなミーンに、都会っ子でしかも外国人である私はなぜか可愛がられている。その理由は、きっと、外国人である私がどんな料理でも美味しそうにご馳走になっているからだろう。
正直に言うと、L 家の料理がすべて美味しいわけではない。しかしながら、ちゃんと魚があったり、温かいスープがあったり、たまには野菜があったりと、普段日本で節約のためにコンビニのおにぎりやパン、カップ・ラーメンばかりを口にしている私からすれば、かなりのご馳走なのである。そして何よりも、わざわざ私のために向こうは気を使って作ってくれたわけだから感謝の気持ちを表すためにも、いくら美味しくなくてもせめてご飯を大盛で一皿分は全部ご馳走になっている。
プゥーがコミュニティー漁業関連の仕事をやり出したことにより、プノンペンからNGO 関係者や大学・研究所関係の人がこの村を訪れるようになった。そして、プゥーの家が広いということで、彼らはこの家に泊まる。しかし、彼らは好き嫌いをちゃんと表してしまう。例えば、好きじゃない料理が出されたら、一口も口にしないという。この前は、NGO
で働いている若いお嬢さんが調査のために泊まりに来たという。しかし、川の水では汚くて水浴びできないというので、プゥーは州都からわざわざ水を大量に購入してきた。食事の際も好きじゃないものは絶対に口にしない。
私の弟B は言う。「妹たちは一応彼らの前では何も言わないよ。でも、裏では皆、かなり怒っているんだ。外国人であるユウは好き嫌い言わずに、なんでも美味しく食べてくれるのに、なんで同じクメール人の彼らは食べられないの?って。だから、僕たちはユウのことが大好きだよ!」私みたいな雑食な人間と比較されてしまう彼らの立場も少し可哀想だが、でもやはりこれは私たちのような外部の人間が村に入っていく際、忘れてはいけない一番大事なことではないだろうか?今回、私は運が良かったけど、もしかすると自分も知らないうちに何か向こうの人に失礼な言動があったかもしれない。弟に上記の件を聞かされた時、自分のことが認められたようでとても嬉しかった反面、少しヒヤッとした気持ちにもなった。
フィールドに入ったら、現地の人びとに失礼に当たらないような言動を心掛ける。私のような研究者の卵だけではなくて、大学の教授、政府の役人、NGO
や国際開発機関のスタッフなど、すべての人がこのことを肝に銘じて気をつけるべきである。彼らはちゃんと私たちの一挙一動を見ている。
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カンボジア事務所スタッフ通信
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| カンボジア事務所のスタッフに、最近気になったニュースについて教えてもらいました。 |
(カンボジアボランティアチーム訳)
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| 土地紛争問題 |
SARD フィールド・オフィサー サム・ネアリー
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土地問題は今日、まだ開発の手が入っていない各地で日常的に発生しています。貧困と地価の高騰のせいで、食べる米やお金がないという問題を解決するために、何も考えずに田畑を売る人々もいます。また、住む土地さえ失う人々もいます。ビジネスに関わる人々がこれらの土地を必要とし、高価な値段で土地を買収するからだけではなく、いくつかの村では農業や溜池のための土地、儀式を行なうための土地や他の有益な公共財が失われています。これらの土地の売買をめぐって村長と住民の間で紛争が起きていますが、こうした土地紛争の存在は村の結束に損害を与え、住民は大きな利益を失うことになります。
最近の干ばつのせいで、人々は水不足に陥っています。ある村では、個人が所有する溜池を住民が共同で修復し、乾季と雨季を問わず1 年を通して利用してきました。しかし現在では、その溜池の所有者が貧困に苦しむあまり、溜池を売却してしまいました。溜池の所有者は、共有地に新たな溜池を掘るよう住民に頼みました。しかし、それらの共有地までも役人によって売却してしまったのです。この村では井戸を掘ることができないため、住民は今後もずっと水不足に苦しめられていくことになります。
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| 国道4 号線(プノンペン―コンポン・サオム)をめぐる紛争問題 |
SARD ドライバー パウ・リット
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首都プノンペンと港町コンポン・サオム(=シハヌークヴィル)特別市を結ぶ国道4 号線(230km)は、ノロドム・シハヌーク前国王の治世下の1960
年代に米国の支援によって整備されました。カンボジア政府は2002 年、国道4 号線の再建、維持、修復(sidewalk restoration)を目的として、AZ
companyという民間企業と契約を結びました。
AZ company は国道4 号線の修復作業をしている間、大型トラックから通行料を徴収していました。しかし2005 年1 月3 日から、AZ
company はすべての種類の通行車両から往路・復路ともに通行料を徴収するようになりました。この問題のために、AZ company とカンボジア政府に対して、市民が受け入れ可能な適切な料金を再設定するようにという苦情が、車両を所有する一般市民から相次いでいます。こうした市民からの要求に対して、これまでのところ、現時点では何の解答も出されていません。
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編集後記
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| 9月11日の総選挙で、自民党と公明党が衆議院の3 分の2 を制し、巨大与党の「数の力」による暴走が懸念されています。一方、カンボジアでもフン・セン首相が所属する人民党が下院の6
割を占め、連立パートナーのFUNCINPEC 党と合わせると、なんと8 割(!)もの議席を制しています。少数派の声にいかに耳を傾けていくか、両国の巨大与党にとって共通の課題といえるのではないでしょうか。
(山田 裕史) |