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■ JVCの活動現場から見えてくる"貧困" ■
1.紛争が招く貧困 
2005年8月11日 更新

パレスチナ・スヘイルちゃん(小学校1年生・女の子)

プロフィール

スヘイルちゃん

■スヘイルちゃん

スヘイルちゃんは、パレスチナ・ガザ地区にある難民キャンプに住んでいます。お父さんとお母さん、そして6人の兄弟と暮らしています。去年幼稚園を卒園しましたが、幼稚園に通い始めた頃は顔色も悪く、風邪を引きやすく休みがちでした。

お父さんはイスラエルの建設現場で働いていましたが、今は定職がありません。2000年9月、イスラエルとパレスチナの衝突が大きくなった時に失業してしまったのです。

いまだ社会の状況は不安定で、彼女の家の近くでも銃撃戦がおきたことがあります。

なぜ、失業?なぜ、貧困?

一般の家庭も攻撃の対象に

■一般の家庭も攻撃の対象に

スヘイルちゃんはひいおばあちゃんの時代から何世代にもわたって難民キャンプで生活しています。67年の中東戦争から、パレスチナ人が暮らすヨルダン川西岸地区とガザ地区は、イスラエルの占領下に置かれたままです。93年の和平合意で、パレスチナ暫定自治政府が始まりましたが、パレスチナの立場はイスラエルに対して圧倒的に弱いままです。例えば99年の一人当たり国民所得はイスラエルの約8分の1程度しかありません。

軍事攻撃の脅威にさらされているだけでなく、日々使う道路の破壊、ガザ地区への物や人の出入りはイスラエルの管理下で厳しく制限されています。かつて多くの男性はイスラエルへの出稼ぎによって生計を立ててきましたが、紛争の激化でイスラエルへの移動は完全に止められ、たくさんの人が失業してしまいました。スヘイルちゃんのお父さんもその一人です。大黒柱の失業は一家に貧困をもたらします。2002年には7割以上の人々は1日2ドル以下の貧困ライン以下での生活を強いられ、子どもの栄養失調が深刻な問題として報告されました。スヘイルちゃんの顔色の悪さはここからきていたのです。

問題の解決に向けて

幼稚園児に牛乳を配布

■幼稚園児に牛乳を配布

2003年、日本国際ボランティアセンター(JVC)を含む複数の国際NGOは共同で、ガザ地区の幼稚園児に毎日1パックの牛乳を配るプロジェクトを開始しました。

スヘイルちゃんは、幼稚園に通い始めてそこで毎日牛乳とビスケットの栄養補給を受け、だんだん顔色は良くなりました。無事幼稚園を卒園し、今は元気に小学校に通っています。

この牛乳は、ヨルダン川西岸地区の酪農家から集められ市内の工場で長期保存可能にパックされたものです。地元で作られた牛乳を子どもたちの栄養支援のために用いることが、酪農家や工場労働者の収入につながり壊滅状況にある地域産業を維持する助けにもなっているのです。

長引く紛争・先の見えない占領下で、希望を見出すことさえ難しいパレスチナの状況ですが、幼稚園の先生や栄養支援のスタッフは、困難に直面しながらも希望を失わず誇りを持って地道に仕事を続けています。彼女たちにとって未来を創っていく子どもたちの成長が何よりの支えになっているようです。希望が、平和を作る力となり、あらゆる不均衡を是正していくためのエネルギーになることを願っています。

 
 


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