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パレスチナ出張記【4】ガザで生きる人から託された手紙

4回の検問を終え、ガザの中に入った私たち。

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(ひたすら格子に囲われた道を進みました)

初めて出会った、ガザの中で生きる人

ガザ内部では、移動にタクシーを使っています。

この日のドライバーは、リヤードさん64歳。リヤードさんの運転で、ガザのパートナーNGOである「Ard El Insan(アルド・エル・インサーン)」の事務所に向かいます。

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(リヤードさんにはこの後何度も助けていただくことになります)

リヤードさんは、ガザ地区で生まれ育った男性です。

タクシー運転を生業にしてきたそうですが、情勢の悪化により、給料は昔の4分の1程。それでお子さん9人と奥さまを養っていると言います。

ガザ地区の失業率は世界最悪レベルの43%ですから、仕事があるだけまだ良いのかもしれません。

「仕事がないのは一番辛いこと」とリヤードさんは言います。

ガザ地区は、2014年のガザ戦争で発電所が破壊されたため、現在は1日に24時間しか電気が通っていません。

「1日にそれだけしか電気が通らなくて、一体何ができると思う?」

「しかも、いつ電気が来るのか、誰も分からない。病院にすら電気がない」

早速リヤードさんが、日々の生活の様子を教えてくれました。

 

「あなた達にレター(手紙)を託す」

リヤードさんはこうも言いました。

「あなた達はガザの様子を外に届けるためにここに来た。だから僕は、この街の様子を、あなた達に話す。ここでどんなことが起きているのか、伝えたい。これは世界へのレター(手紙)だ」と。

「世界へのレター(手紙)」

この言葉は、今も私の心に深く残っています。私は、何がなんでもこの手紙を受け取り、大切に持ち帰らなければなりません。

そうこうしている内に、目的地の「Ard El Insan(アルド・エル・インサーン)」の事務所に到着しました。

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(崩れた建物と、鮮やかな花の色がいびつで印象的でした)

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(道端に洗濯物が干されていました)

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(荷物や人を運ぶのに馬が活躍しています)

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(ガザ中心部付近。建物は古いですが、「壁」が見えない場所であれば、普通のまちに見えなくもありません。それが恐ろしいです)

次回は、ガザに暮らす人々の声を更新します。

パレスチナ出張記【5】空爆の記憶をもつ子どもたちにつづく>

(2023年10月10日追記)
JVCは2023年10月の情勢を受け、パレスチナ・ガザ緊急支援を開始します。

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