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南アフリカ

フィアボム村にスター誕生?!フェズィさんの野菜づくり

南アフリカはアパルトヘイト体制下でできた負の遺産・・・当時の社会構造が今も残り、農村部に仕事がないうえ、当時の伝統的な農業ですら破壊されたため、農村部でありながら、農業をして暮らす人もほとんどいません。このため、若い人たち、特に男性は都市部に出稼ぎに行く人がほとんどです。

そんな中、2015年からフィアボム村でJVCの家庭菜園研修に参加をしているフェズィさん(30代半ば)は、JVCの、そして村の人たちの、期待の星です。JVCの研修を受ける2年ほど前に出稼ぎ先で仕事を失い、村にもどってきた当時、JVCが研修で行う方法(自然農業)とは違うやり方で畑を耕していたと言います。ですが、人に教えてもらったことはとりあえず試してみるという前向きで素直な性格のフェズィさん、研修で学んだことが面白そうだなと思ってやってみたら「結果がとってもよかったんだ」とのことで、年間降雨量が500mmにも満たない乾燥した地域で、年間を通じて緑いっぱいの畑を作っています。

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(フェズィさん。素直な性格そのものの笑顔が素敵です)

JVCの活動振り返りのインタビューのために訪れたこの日も、畑は緑であふれていました。炎天下を朝から15時まで歩いてヘトヘトになっていたところ、「来るって聞いていたから作っておいた」と、昼食を出してくれるではありませんか!メイズ(トウモロコシの粉)でつくった主食の「イエローパップ」、ほうれん草との煮込み、鶏(伝統種)グリルのトマトソース煮込み・・すべての材料が自宅の畑・庭(鶏)から採れたもので作られていました。

※パップ=大ききな鍋に水(またはお湯)とメイズを入れて、ダマにならないようによーく混ぜながら、火を加えつつ練り上げたもの

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(イエローメイズ(トウモロコシの粉)を練り上げた「イエローパップ」)

「自然農業だと混作するからいろんなもの食べられていいね」と言ったら、「そう!以前は、サラダなんか食べたことなかったんだ。でも、JVCの研修を受けて、いろんなものを植えたほうがいいことを知って、レタスの食べ方を村の仲間と調べてみたんだよ。おかげで今は食生活が充実したよ」とのこと。

実際、今植えているものを収穫したら、なすとオクラとかぼちゃとピーマンとズッキーニを植えるということでタネが準備されていました。ちなみに「採種」に関する研修もあるため「自分で保存していたタネか」と聞いたところ「それなんだよ!!瓶に入れて全部取っておいたのに、妻と母が余った料理の保存かなんだか知らないけど、とにかく瓶を使いたかったらしく、自分が留守の間にそれを大きな容器に全部ぶちまけて混ぜちゃったんだよ!タネが小さくて仕訳しきれず、ヤケになって泣きながら捨てたよ!!」・・・・笑い話に事欠かない南アフリカの人たちです(笑)。「今度からはキッチンに置かない」と言って、新しい保管場所も見せてくれました。
その後、ご飯を食べながらの会話のなか、「自分でいろいろ作っているとやっぱりお金がかからないし、自分が親戚の緊急事態などで自宅を不在にしても、家族が野菜を食べられるし、主食のメイズも備えてあるし、それをちょこっと売れば、パンも買えるし・・ちゃんと食べてくれていると思うと安心して留守にできる」と言われ、そうか、家で食べ物を作ることでそういう安心の場面もあるのか・・と勉強になりました。

帰り際、おいしい料理をいただき、そうか・・今日の夕飯の野菜、ここで買えばいいのかと思いつき、「チャイニーズマスタード」と呼ばれるからし菜のような味のする葉物と、現地の皆が「ほうれん草」と呼ぶスイスチャード、そしてレタスをたんまり購入して帰りました。スープにしたり、煮物にしたり、オイルと煮てパスタと和えたり、サラダにしたり・・毎日食べていますが、5日経った今でもまだ消費しきれません。ですが、水に差しておくとピンピンしていて元々の野菜が元気なのがよくわかります。

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(フェズィさん作のレタス。もともとはこれの4倍はあり。大きすぎて、水を入れた入れ物が倒れて水がこぼれること2回・・・(泣))

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(あまりにデカい葉っぱなのでシンクにつっこんでいます)

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