REPORT

パレスチナ

ガザ:天国に行った叔父さん

ガザ市の郊外ザイトゥーンにある幼稚園ではイスラエルの軍事侵攻によって親戚を失くした子供も少なくありません。そのような2人の5歳の園児に話を聞きました――

女の子:
Q.きれいな服ね。誰が殉教したの?
A.アラ叔父さん。天国に行ったの。サーミル叔父さんは入院しているの。フセイン叔父さんは撃たれてバスルームで倒れたの。ナジャハ叔母さんは足を怪我したわ。
Q.良くなった人はいる?
A.いない。
Q.誰が天国に行ったの?
A.アラ叔父さん。
Q.アラ叔父さんは天国にいるのね、私達も天国に行ったら会えるわね。
A.そうよ。天国には食べ物が沢山あるの。ご飯を食べることが出来るわ。でも、地獄ではご飯は食べられないの。

男の子:
Q.戦争の間はおうちにいたの?それともどこかに逃げていたの?
A.マゼン叔父さんの家に行ったの。
Q.空爆があったから逃げたの?
A.うん。ミサイルが降ってきたの。
Q.家は壊れたの?
A.ううん。壊れなかった。
Q.怖いときはどうしてたの?
A.寝てた。
Q.爆撃があったときはどうしてたの?
A.音で目を覚ましたよ。
Q.怖かった?
A.うん。
Q.お父さんとお母さんも怖がってた?
A.ううん。
Q.近所の人で亡くなった人はいる?
A.いない。
Q.誰か天国に行った人を知っている?
A.カメル叔父さん。

執筆者

小林 和香子 (パレスチナ現地代表)

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