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パレスチナ

【ガザ空爆】現地の声・人間の大地(AEI)

27日に始まったイスラエルの攻撃は今日も続いており、ガザの人々は眠れない日々を送っています。今朝9時ごろ、JVCが栄養失調児の支援を行うAEI(=Ard El Insan、人間の大地)のスタッフと話すことが出来ました。携帯電話に通じましたが、現在のガザは深刻な電力不足でなかなか電池も充電できないので、携帯電話の電池の消費を抑えるため、ランドラインにかけなおしました。とりあえず彼女の家族、AEIのスタッフの無事は前日に確認できていたのですが、同じ質問を聞かずにいられません。「みんな無事?元気?」―こんな挨拶から会話を始めなければならない状態は、どのくらい続くのでしょうか。彼女は気丈な声で、でも悲しみと怒りの混じった声でこう伝えてくれました。

「昨日も眠れない夜だったわ。空爆は続き、イスラミック大学、ガザ中部が攻撃されたの。海上からも攻撃があって、全ての漁師のボートが破壊されたと聞いている。漁師のボートを破壊して、いったい何の意味があるのだろうか。海岸沿いは危なくて、誰も歩くことができない。

昨日、ジャバリア地区でモスクがイスラエル軍に空爆され破壊された時に、近くの家が被害を受けたの。5人の娘と母親が亡くなり、近所の人たちは皆、自分たちの危険も省みずに生き残ったもう1人の娘を懸命に救出したそう。このニュースは私たちを更なる悲しみに突き落としたわ。

27日に攻撃が始まってからずっと、皆が家でじっと座っている。攻撃の音を聞いたら、電池を使うラジオをつけてニュースを確認している。電池もストックがあまりないから、ずっとラジオをつけていることはできない。電気はここ4日間ほとんど来ていなくて、昨日は2時間だけ来たけれどもとても弱い電力で、充電などはできなかったわ。水も電力が必要なので、水道を使うことができない。だからタンクにためている水を少しずつ使っている。その水も電気もできるだけ使わないようにしているの。お皿を洗うのも、シャワーも、食事を作るのも全て水を節約して、また家族皆で一度にするようにしているわ。昨日はゼイトゥーン地区(ガザ市)のガスステーションで、ジェネレーター用のガソリンを買うことができて一安心したけれども、ガスステーションには、攻撃が続く中も人が溢れていた。

AEIの栄養センターは相変わらず閉まっている。オフィスにコンピューターなどの機器を取りに行くこともできない。早く栄養センターを再開したい。さらに多くの栄養失調の子どもたちが訪れるわ。食べるものが全くない状態で、怯えている子どもたちがたくさんいるのよ」。

食糧も含むすべての物資の不足、貧困で栄養失調状態にあった子どもたちは、空爆が始まって栄養センターに通えない今、どうしているのだろう。まずは子どもたちに、無事に生きていてほしい。そして、一日も早く、この状況が収まって、子どもたちが栄養治療食を食べられ、そして元気に回復することができる、そんな状態に戻ることを祈るばかりです。そしてJVCも、厳しい状態に置かれている子どもたちの支援をさらに続ける予定です。

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