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パレスチナ ガザ

【ガザ】11月21日:エルサレムからの速報(46日目)

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進むヨルダン川西岸地区と東エルサレムの情勢悪化

停戦がなされないまま、ガザ地区は連日激しい空爆に晒され、死者は少なくとも13,000人(そのうち5,500人が子ども)、3万人以上が負傷し、6千人以上が行方不明となっています。

このような非人道的な惨事が起きている陰で、パレスチナのヨルダン川西岸地区(以下、西岸地区)と東エルサレムでも情勢が悪化しています。

西岸地区とエルサレムはイスラエル軍や警察およびユダヤ人入植者が存在し、日頃から直接対峙せざるを得ない環境にあります。以前から、この両地域に住むパレスチナ人は、イスラエル当局や軍そして入植者による土地収奪や家屋破壊、行政拘禁(※)、暴力などにさらされてきました。

2021年の終盤からその件数が増加傾向にありましたが、10月7日以降、それまでと比にならないほど状況が悪化しています。

(※行政拘禁:司法手続きを省き、起訴も裁判もせずに刑務所に拘束する措置を指し、イスラエルでは主にパレスチナ人に対して適用されている。)

ブルドーザーなどの重機によって破壊されるインフラ

10月7日以降、主に西岸地区において、52人の子どもを含む215人が殺害され、2,700人以上のパレスチナ人が負傷しています。この2ヶ月足らずで、さらに3万人以上の一般のイスラエル人への銃の携帯が許可され、入植者によるパレスチナ人への攻撃事件の件数は250件以上に上っています。

居住者のほとんどが一般市民であるにも関わらず、連日、武装グループの拠点と疑われるパレスチナの難民キャンプなどが荒らされ、人的被害だけでなく、ブルドーザーなどの重機によって道路などのインフラも破壊されています。救急車の走行が妨害されることも多々起きています。イスラエル側の雇用主に解雇され職を失った人も少なくありません。

スマートフォンの検閲

また、西岸地区では通常の検問所に加えて、各所に簡易検問所が設置され、西岸地区の身分証(西岸ID)を持つパレスチナ人の移動がさらに厳しく制限されています。スマートフォンの検閲が無作為に実施され、「パレスチナ」「ガザ」「ハマス」への連帯や賞賛と捉えられる投稿(いいね!やフォローなども含まれる)があると投獄されることもあるため、パレスチナの人々は「ガザの人たちのために何もできない・・」と落胆しています。

隣に入職者が居住する、東エルサレム在住のAさんに向けられる銃口

東エルサレムのJVCのパートナー団体のスタッフAさんが住む地域にも影響が及んでいます。近年、この地域でもユダヤ人の入植が進んでおり、パレスチナ人は日頃から困難や不安に襲われていました。特にAさんの自宅の隣には入植者が居住しているため、入植者の警備にあたる兵士や警察が近所にいるのです。

10月7日以降、14歳の息子がすぐ近くの商店に買い物に行く途中、対面で兵士に首を強く捕まれることが3回ほどあったそうです。さらに家に入って来て「息子は自分たち兵士と目を合わせることも許されない」と通告されたり、家宅捜索を受けたり、家の中から外を覗くだけで窓の外から銃口を向けられることもあるそうです。

Aさんには他にも息子が二人おり、一人はユダヤ人が居住する西エルサレムで、もう一人はパレスチナ人居住する東エルサレムの中でもユダヤ人の入植が進む地域で働いているため、「何が起こるかわからない今、仕事に行かせるのが本当に心配」と話していました。

(※エルサレムは西と東に分かれており、本来、西はイスラエル、東はパレスチナに帰属します。しかし現在は、東エルサレムもイスラエルが実効支配しています)

家宅捜索の結果、一定以上の現金やゴールドのアクセサリーなどの財産が没収されることもあるそうです。占領下ではこのようなことが日々起きており、パレスチナ人は様々な形の暴力に日々晒され、権利をはく奪されています。即時停戦は言うまでもなく、このような占領を終わらせることを求めます。

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パレスチナ・ガザ人道危機緊急支援(日本国際ボランティアセンター)

支援活動に関する問い合わせ先

特定非営利活動法人日本国際ボランティアセンター(JVC)
〒110-8605 東京都台東区上野5-22-1 東鈴ビル4F
電話:03‐3834-2388  FAX:03-3835-0519
メール:info@ngo-jvc.net (担当:小林)

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