REPORT

スーダン

避難民居住区に小学校を建設しました!

前回は、JVCが南コルドファン州カドグリで行っている出生登録支援についてご報告しました。今回は、出生登録を取得した子どもたちを含め、より多くの児童が学校に通えることを目指して行っている小学校支援についてです。


新しい校舎と子どもたち)

避難民の子どもたちは、小学校への登録が叶えば、地域の小学校に入学することになります。しかし、すでに多くの小学校で、教室の定員を大幅に超えた人数の児童が学んでいます。低学年では、机いすのない教室で、100人以上の児童が授業を受けていたり、青空教室であったりすることも珍しくありません。避難民の児童が通うようになれば、ますます教室は不足します。

JVCは、避難民を含む多くの児童がより良い環境で学べるよう、学校校舎の増設や補修を行っています。これまでは、既存の小学校の校舎増設でしたが、今年は、JVCが2年前に幼稚園を建設した避難民居住区に、新たに学校を建設しました。これにより、地域の既存校に生徒が集中するのを軽減し、子どもたちは避難民居住区から交通量の多い大通りを渡って通学する必要もなくなります。また、教室棟は支援により建設しますが、教員用の事務所棟は、避難民コミュニティの住民が自ら建設することを事前に合意しました。

校舎は無事に完成し、先日引き渡し式が行われました。母親や教師に加え、州政府、役場、国連などの関係者も参加し、テープカットや各参加者からのスピーチと、式は大変盛り上がりました。行政関係者からは、制服やノートなどの学用品を支援するというコメントもあり、今後は、学校と行政が連携して学校の運営がなされることが期待されます。

スピーチをする校長先生)

引き渡し式の前日、学校に下見に行くと、母親たちが校舎の周りの草を刈って、翌日の準備をしていまいした。そして、顔なじみのJVCスタッフを見つけると、草刈りの手を休めて、大きな歓声で喜びを表現していました。引き渡し式に参加した母親たちは、スピーチにじっと耳を傾け、子どもたちの様子を見守っていました。多くの子どもたちがこの学校で学び、思い描く未来に向けて、無事に卒業していってくれることを願ってやみません。


校舎周辺の草を刈る母親たち)

南コルドファンの紛争は、休戦状態が2年以上続き、情勢は安定しつつあり、避難先から帰還する人たちも増えています。しかし、帰還先の井戸や学校などのインフラは破壊され、帰還の妨げにもなっています。故郷に帰ることを望む人々が元の暮らしに戻れるよう、今後は、帰還地域での活動も行っていきます。



教室内の様子)

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