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スーダン

避難民住居の新設(3)写真で見る建設工事

前回から続く)

今回の「現地便り」は、避難民住居100戸の着工から完成までの様子を、写真でご紹介します。

1.レンガ造り

避難民住居100戸に必要なレンガは、なんと約14万個。工事に間に合わせるため、3か月前の2015年2月には発注しました。
カドグリ周辺には、品質の良い粘土と十分な水がある場所を選んで、「カミーナ」と呼ばれるレンガ製造場が散在しています。何か所かのカミーナが手分けして私たちのレンガ造りを行いました。


【1】粘土の採取 
【2】粘土を木の枠で成型し、乾燥させます。写真は、JVCの専門家がサイズをチェックしているところ

【3】乾燥させたレンガを大量に積み上げ粘土で密閉して窯を作ります。薪をくべて何日間も燃やし続けます
【4】火を止めて窯を冷ました後、まわりの粘土を崩すと中から赤く焼きあがったレンガが出てきました



2.着工から基礎工事まで

建設予定地では4月に測量を行って1戸1戸の区画を確定させ、5月に着工しました。

          
          【5】区画の確定作業。住居には適切な間隔を開けて、裏庭に菜園が作れるようにします

      
【6】着工前にはヒツジの血を捧げ、
工事の安全と成功を祈願し
ます
      
     【7】肉は調理してみんなで食べます
      
【8】住居の基礎部分の掘削。掘削した長さを確認しているところ
      
【9】基礎工事に使用する石材をトラックが搬入

【10】積み下ろされた資材を各戸の
建設現場に運ぶのはロバの役割

【11】掘削した部分に大きな石を敷き詰めます
      
  【12】その上に砂と水を加えて十分に固めます。写真奥には、水を運んできたロバが見えます
      
【13】こうしてできた基礎の上に、土台となるレンガを積みます。レンガとレンガとの間は、強度を増すためにセメントを使用

3.レンガの壁づくり

6月、工事はレンガの壁の造成に入ります。

          
                 【14】レンガは建物の四隅から順に積み上げます

【15】レンガ積みに使うモルタルは、粘土と水をこねて作ります。たくさんの水が必要です


【16】建設現場に水を運ぶのはロバ。おとなしくて働き者。給水施設でドラム缶に水を入れているところ


【17】ロバが運んだ水はここに貯めて使います

【18】建設現場に遊びにきた子どもたち

4.いよいよ完成

壁面が出来上がったら、次は屋根やドア、窓の据え付け。雨水に対する強度を増すため外側にセメントを塗布して、ついに8月に完成です。

          
              【19】レンガの壁が出来上がり、トタン屋根を据え付けた住居


【20】ドアと窓は、JVC事務所の敷地内で別の大工さんが作りました

【21】ドアと窓を取り付けた後、外壁をセメントで補強する最後の仕上げ

【22】住居の内部。角材とトタン板の天井が見えます
【23】ついに完成!入居に向けて、231~330番までの番号を振り                         ました(230番までは前回建設の住居です)

工事の様子が、お分かりいただけましたでしょうか。
次回は、入居者をどうやって選んだのか、そのエピソードをご紹介します。

(続く)

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