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世界人権デーによせて(パレスチナで活動する日本のNGO共同メッセージ)

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12月10日は「世界人権デー」です。1948年のこの日に「世界人権宣言」が国連総会で採択されたということにちなんでいます。

20世紀には、世界を巻き込んだ大きな戦争が二度も起こり、特に第二次世界大戦中においては、ナチス・ドイツによるユダヤ人大虐殺、日本によるアジア諸国への侵略、米国による広島・長崎への原爆投下など、人権侵害が横行し、多くの人々の命が奪われました。

1945年に第二次世界大戦が終わると、その反省から国際連合がつくられ、世界の平和を実現するためには、世界各国が協力して人権を守る努力をしなければならないということが、 世界人権宣言によって明らかに示されたのです。はじめて国際的な人権の保障をうたったこの宣言は法的拘束力をもつものではありませんが、世界各国の憲法や法律に取り入れられ、また国際人権規約の基礎となりました。国連の安保理決議などでも引用されるように、「人権」や「平和」という世界共通の普遍的価値を表したものともいえます。

しかし、これが採択された1948年、第一次世界大戦中からイギリスが三枚舌外交によって混乱をもたらし委任統治していたパレスチナの土地が、国連決議によって不平等に分割され、イスラエルが建国されました。それに反対したアラブ諸国とイスラエルの間で戦争が起こり、勝利をおさめたイスラエルが、現在に至るまでパレスチナへの占領政策を続けています。

イスラエル占領下のパレスチナでは、家や土地を追われ、移動の自由、仕事や学業などを選択する自由などが奪われるだけでなく、集団懲罰的に空爆を受けるなど、イスラエルの建国以降、75年にわたり日々人権侵害を受けてきました。

そしていまガザ地区で起きている空爆はこれまでの比にならない規模で行われ、2ヵ月で少なくとも16,000人もの命が奪われています。民間人の殺傷や病院への攻撃など「国際人道法」の違反が問われていますが、生命権や自決権の侵害はもちろん、退去の強制、不法な拘束、衣食住の剥奪など「国際人権法」上の違反も日常的に横行しています。

現在パレスチナで起きている非人道的、かつ人権を蹂躙するような行為が許されてしまえば、今後の世界にも大きく影響する可能性があります。使う人によって正義の規準が変わり、力を持つ人がそれをコントロールできる。そんな世界で良いのでしょうか?

パレスチナだけでなく、すべての人が基本的人権を享受できる世界を作るのは、私たち市民一人一人の責任でもあります。一人では世界中で起こっている人権侵害に対して何の力にもなれないと思う方もいるかもしれません。しかし、それが十人、百人、千人と集まることによって、大きな力になります。

いま世界中で何百万、何千万という人々が「即時停戦」や「パレスチナの自由」を求めて声をあげ、少しづつ各国政府を動かしています。みなさんの声が必要とされています。SNS等での情報発信、停戦を呼びかける署名やデモへの参加、自分が住む地域の議員への働きかけなど、自分の生活の中でできることを見つけて一緒に声をあげ、世界中の誰もが人権が守られ安心して暮らせる、そんな世界をともにつくっていきましょう。

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・特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター
・特定非営利活動法人 パルシック
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