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【ガザ緊急支援・続報】現地の病院やNGOを通じて医療活動の支援を進めています

JVCガザ緊急支援・続報

JVCは10月10日より、ガザ緊急支援募金を呼び掛けています。
【パレスチナ・ガザ】緊急支援を実施します。

本日はその続報を更新します。

現在のガザの状況

10月7日に攻撃の応酬が始まってから40日以上が経過し、イスラエルからの攻撃は止むことなく続いています。

それまで細切れに回復していた通信も、11月半ばからはほぼ遮断されたことや病院などの医療施設の多くが機能不全に陥っていることから、ガザ保健省は被害状況について詳細な情報を収集することができなくなっていますが、11月21日時点で報告されている死者数は少なくとも13,000人、そのうち5,600人が子ども、約1,500人の子どもを含む約6,000人が行方不明となっています。また、医療体制が崩壊する中、負傷者は30,000人以上(そのうち3/4が子どもと女性)にのぼっています。

10月21日からエジプト経由で人道支援の物資等が入り始めましたが、紛争前は1日に約500台のトラックが入っていたところ、この1か月間で入ることが許されたのはたった1,320台です(燃料を除く)。しかも、イスラエルによって燃料の搬入が許されなかったことから、国連などによる物資配布のために必要な燃料も枯渇し、支援が滞る事態になっています。

イスラエル当局は11月19日にエジプトから1日あたり約7万リットルの燃料を入れることをようやく許可しましたが、この量は人道支援活動に最低限必要な量を大きく下回っています。

また、南部には医療チームが入り始めたものの、北部およびガザ市ではイスラエル軍が病院を包囲し一部施設を破壊するなどの行為が行われ、医療関係者や患者が退避を迫られ南部に移動しましたが、移動することが困難な重傷患者らと医療スタッフ数名は避難すらできない状況です。時の経過とともに空爆による負傷者が増える一方で、医療体制は崩壊しています。

現在JVCでは、エル・ワファ病院、パレスチナ医療救援協会(PMRS)を通じ、医療活動への支援を進めています。

緊急支援① エル・ワファ病院を通じた医療活動継続支援

JVCが以前にも協働したことのあるエル・ワファ病院はもともとリハビリと、身寄りのないお年寄りや重度障がい者のための病院です。救急救命に対応した病院ではありませんが、緊急事態の中で、空爆の負傷者も受け入れざるを得ない状態です。

この病院は、現在イスラエル軍によって包囲されているガザ市の南部にあり、未だ医療スタッフと患者が病院に残ったままとなっています。医療物資がなかなか入ってこないことにより、エル・ワファ病院でも医薬品や医療に必要な物品が少なくなっています。また、爆風により院内のガラスが割れるなどの被害も出ています。

必要な物がすべて手に入る状況ではありませんが、まずはガザ内に残っている医薬品、医療用物品などを集めて医療活動を継続できるよう支援を進めています。

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エル・ワファ病院の様子:爆風で割れたドア

緊急支援② 医薬品、衛生キット、ファーストエイドキットの配布

パレスチナ全域で医療や保健活動をしている現地NGOのパレスチナ医療救援協会(PMRS)は、ガザの各地で病院の運営や移動診療を行っています。

北部の医療チームは、壊滅的な被害を受けた北部から南部に向けて移動する人々と共に移動しながら、水・食料・燃料がほぼ枯渇する中で、なんとか活動を続けています。また、今回の紛争による攻撃で一部のクリニックは爆撃され破壊されました。

このような状況下で、PMRSは移動診療活動や子どもたちの心理サポートも実施しています。何キロも自転車で移動し診療する医師もいます。

JVCはPMRSの医療活動を支援するため、ガザ内で調達が可能な医薬品、衛生キット、ファーストエイドキットなどの配布を支援することを決め、PMRSと調整を行っています。

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通信が遮断される中、連絡を取り合うのも困難な状況が続いていますが、状況が分かり次第、今後も報告してまいります。

*流動的なガザの状況に対応し、活動内容が変更される場合もあります。

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