
【ガザ】続く人道危機―栄養失調治療の活動を始めています

ガザで実施している栄養支援の活動では、子どもと妊産婦を対象に栄養状態の悪化を防ぐ支援を実施してきました。それに加え、2026年度からは重度栄養失調の子どもの治療も開始しました。
停戦から10か月以上が経った今も、ガザへの物資の搬入は大幅に制限されたままで、依然として深刻な状況が続いています。
現在、ガザの約67%にあたる140万人が今も深刻な食料危機に直面し、平均して1日2食しか食事を採ることができていません。
過去30日間で丸1日何も食べられない日があったという家庭もあります。
また、搬入される食料の種類も限定的です。
たとえ満腹になる量を食べられたとしても、質や栄養バランスが非常に悪い状態が続いています。
さらに食料を買い求める市場では、価格の高騰も続いています。
ガザの83%の世帯が収入源をもっていないため経済的な困窮状態にあり、人びとは十分な食料を購入することができません。
多くの家庭では、大人が食べる分を子どもたちに優先的に分け与えていますが、それでも子どもたちに十分な栄養を与えることができない状況が続いています。
JVCの現地パートナー団体アルデルインサーンのプロジェクトサイトにも、重度の栄養失調状態にある子どもが訪れました。
イヤードちゃんは、生後7か月(当時)の男の子です。
今年の5月中旬、JVCとアルデルインサーンのプロジェクトサイトを訪れました。
アルデルインサーンのスタッフが栄養状態を確認するため上腕の周囲を計ったところ、
イヤードちゃんの上腕はたった11.4cmしかありませんでした。
これは月齢に照らし合わせると、重度急性栄養失調の状態であることを示します。
トイレットペーパーの芯と同じくらいの細い腕です。
この結果を受けてアルデルインサーンはすぐに治療を開始することしました。

保護者とともにプロジェクトサイトを訪れたイヤードちゃん
まずプロジェクトサイトで治療用の栄養補助食品を渡し、イヤードちゃんに食欲があるかを確認します。

食欲テストの前に衛生講習の一環として保護者に手洗い方法を伝え、イヤードちゃんの手を洗う
補助食品を与えると、イヤードちゃんはすぐに食べ始めました。
幸い食欲テストは問題ありません。
そこでアルデルインサーンのスタッフは、イヤードちゃんに栄養失調治療用の補助食品を渡し、翌週またプロジェクトサイトに来てもらうことになりました。

栄養補助食品を食べるイヤードちゃん
今後8~12週間にわたって、イヤードちゃんには毎週プロジェクトサイトに通います。
その都度、上腕の周囲計測で栄養状態を確認し、状態にあった補助食品を渡すことで、改善に取り組んでいきます。
さらにイヤードちゃんの保護者には、定期的に個別カウンセリングや栄養・衛生などの講習に参加してもらい、子育てをサポートしていきます。
アルデルインサーンのプロジェクトサイトには、イヤードちゃんほど重度ではなくても、日々、栄養不良の子どもたちが訪れています。
生後10か月のアミールちゃんも中度の栄養不良の状態でしたが、栄養補助食品と状態に応じた定期フォローアップにより、栄養状態が改善しました。
皆さまからのご支援がなければ、イヤードちゃんやアミールちゃんに必要な支援を届けることはできませんでした。
今、この時も栄養不良に苦しむ子どもたちが支援を待っています。
一人ひとりの命を守るため、引き続きJVCの活動に力を貸してください。