
ガザ停戦から1年~パレスチナの人々が望むもの~
突然ですが、みなさんは「いま何がほしい?」と聞かれたら何を思い浮かべますか?
「人としての尊厳」「自分たちのことを自分たちで決める権利」「移動する自由」「安全で普通の生活」「自分たちの土地への帰還」
これはパレスチナの人々が70年以上に渡り望み続けてきた、そして今も望み続けていることです。

いつか自分たちの土地に帰るという願いを象徴する鍵のモチーフ(2019年8月)
しかし、イスラエルによる占領や封鎖が継続され、希望を持つことすら難しい状態が続いてきた中で、2023年10月以降それは急速に遠のいています。
パレスチナ・ガザ地区への2年間に及ぶ激しい攻撃の後、2025年10月10日に停戦が発表されました。しかし停戦が発表されてから1年が経っても、過酷な環境は変わらず、ガザ各地で空爆やドローン攻撃などが続き、「停戦」とは名ばかりの状態が続いています。
3年間で7万4000人が命を奪われ、そのうち1,400人は停戦後に殺害されました。全体の死者のうち2万1600人は子どもです。未だ1万人以上が行方不明であり、6万人の子どもが片親または両親を亡くし、孤児となっています。
建物の8割以上が損傷を受け、そのうち3分の2は全壊。約200万人が避難所やテントなどでの生活を強いられています。そんな中、ガザには4度目の冬が迫っています。冬は雨季にあたり、テントは浸水し、暴風雨で吹き飛ばされることや、海沿いでは波に飲み込まれることもあります。防寒具なども十分にはありません。

破壊された建物とその周辺に密集するテント(2026年6月)
食料や水・物資・燃料など人々が生き延びるのに不可欠なものは制限され、未だ140万人が食料危機の状態にあります。現在もガザ地区の7割近くがイスラエル軍によって占拠されており、自由に移動することもできません。
医療施設は、物資や燃料、施設などが深刻に不足する極限状態のまま次々に来る患者に対応し続けています。1万8,500人(うち4,000人が子ども)がガザの外への医療搬送を待っていますが、イスラエル当局からの許可件数は非常に限られており、許可証を待つ間に亡くなった人は1,000人に上ります。
ガザで活動を続けるJVCの現地スタッフは言います。
この言葉は、ガザだけではなく、パレスチナの人々全体の共通の願いと言えます。
東エルサレムを含むヨルダン川西岸地区も、過去最悪と言ってよい危機的な状況にあります。イスラエル政府の容認と支援の元で激化する入植者による暴力、入植地の拡大、強制立ち退き、行政拘禁などが加速し、パレスチナの人々を取り巻く環境は悪化の一途を辿っています。
パレスチナで起こっていることは、パレスチナの人々のみならず、誰にも起こってはなりません。今私たちは、他の人たちに起こっていることは自分たちにも起こり得ることと受け止め、自分がどのような世界に生きたいかを考え行動することを求められているように感じます。
私たちJVCは、日本の国際協力NGOとして、支援活動と並行して、今後も国際社会や日本政府に対し、恒久的な停戦の遵守と占領の終結に全力を尽くすことを求め続けると共に、発信などを通して連帯の輪を広げていきたいと思います。
2026年10月3日発出 NGO共同声明「パレスチナに自由と尊厳を」はこちら