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スーダン

スーダンという国(1)

JVCを応援してくださっている皆様こんにちは。2月からスーダン事業で現地駐在をしている橋本です。実は、JVCのサイトに登場するのは初めてではなく、3月に一度「東京事務所スタッフ日記」で紹介して頂いています。これからなるべく多くのスーダンの日常を、橋本目線でお伝えしていけたらと思います。よろしくお願いいたします。

高確率で第一印象の良い国

これまで幾つかの国を訪れた経験から「その国の印象は、その国の人で決まる」と僕は感じています。ドイツでは、着いて最初に道を聞いた人に邪険にされ、しばらく声をかけづらくなりましたし(1年半の滞在で印象は変わりましたが。)、逆にヨルダンでは、聞いてもいないのにわらわらと人が集まって来たこともありました。

2月に初めてハルツーム国際空港に降り立った日の事。この空港は、飛行機からターミナルまではシャトルバスで移動します。ほとんど全員がバスに乗り込んだ後、最後に高齢の女性が両手に重い荷物を持ってバスまでやってきました。すると、先に乗り込んでいたスーダン人の若者が2,3人、ごく自然にバスを下りて彼女の荷物を持ち、彼女を支えて乗り込むのを手伝いました。乗り込んだ後は、先に座っていた人が、これまた自然に席を立ち彼女に席を譲っていました。そしてまた何事もなかったかのように自分たちの会話をはじめました。

最初は、彼女の身内の人なのかなと勘違いするくらいその行為が自然だったので強く印象に残りました。その後、スーダンでの日々を重ねるうちにこれがたまたま出会った出来事ではないことが分かりました。スーダンでは主な交通手段は乗り合いバスなのですが、高齢者や女性が立っていることはまず見かけません。突然止まってしまった車があると周囲の人が駆けつけ押しがけを手伝うのを何度か見ました。(スーダンの交通事情については後日お伝えします。)


ハルツーム上空)

売店で買い物して釣り銭が発生した時、小さな金額は切り捨ててくれるし、釣り銭の小さなお金が手元にない場合は、「これ代わりに持ってけ」とその金額相当のガムを渡されたこともあります。イスラム教の国という背景もあるかもしれませんが、随所に「思いやり」を感じる事が短期間で多々有りました。

もちろん、いい人ばかりではないのはどこの国でも同じ。道を聞いても答えてくれない人もいるし、お店で無愛想な店主もいます。でも相対的にこの5ヶ月間で嫌な思いをしたのはごくわずかです。

皆さんがスーダンに来たら、きっとかなりの確率で僕が経験したこの「思いやり」に遭遇し、第一印象はすこぶる良い国になると思いますよ。

※残念ながらスーダンでは町中での写真撮影が規制されていて、現地の様子をなかなか写真でお伝えすることが難しいので、稚拙なスケッチなどを加えて、少しでもこちらの様子をお伝え出来たらなと思っています。

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