REPORT

パレスチナ

Pポップ、ロック、壁の中で歌う若者たち

もうすぐクリスマスですが、イエスが生まれたとされるパレスチナの町ベツレヘムはヨルダン川西岸地区に位置し、高さ8メートルの分離壁(隔離壁)と軍事検問所によって分断され、包囲され、違法入植地に土地を侵食され続けています。

しかし、その壁の中にも外にも、楽しみと自由を求め、恋や希望を歌うパレスチナの若者たちの姿があります。

高さ8メートルの壁で囲まれたベツレヘム、2014年12月16日今野撮影

そうした若者の姿は、日本でも、11月に来日したパレスチナのヒップホップ・グループ「DAM」(動画はこちら)や映画『自由と壁とヒップホップ』などを通じて広く知られつつあります。しかし、DAMや『自由と壁とヒップホップ』を通じて知られるようになったヒップホップ以外にも、ロックやダブなどの分野でも若いグループが登場しています。

その中の一つ、「Apo & the Apostles」は最近活躍中のロック・バンド。レゲエっぽさを少し融合させた、ポップなミュージックが特徴です。ボーカル兼ギタリストのApo Sahagianとトランペットを務めるFiras Harbは、エルサレム出身のアルメニア系パレスチナ人です。(注)

以下は、壁で囲まれたベツレヘムのライブハウスで2014年12月18日に行われたパファーマンスの様子です。夜中の1時まで続いたライブには多くのパレスチナ人の若者たちが詰め掛け、最後にヒットナンバー「バージー・ウェーネック」が演奏されると、会場の熱気は最高潮に達していました。

音楽と舞踊の長い歴史をもつパレスチナ。占領下で分離壁に囲まれていても、パレスチナのミュージックシーンは地元の若者たちのエネルギーを糧に、世界とつながりながら、着実に成長を続けていると感じました。

Apo & the Apostlesのライブの様子。2014年12月18日今野撮影

また以下は、Apo & the Apostlesの代表曲「バージー・ウェーネック(今行くよ、君はどこにいるの?)」です。

Apo & the Apostlesの楽曲は、以下のリンクからも視聴・購入できます。彼らの楽曲が気に入った方はヘビー・ローテーションの一曲に是非どうぞ!

注:日本では、パレスチナのアルメニア教徒の存在はあまり知られていませんが、彼らはエルサレムの旧市街を中心にパレスチナに古くから住み、アルメニア語とアラビア語を母語として独自の文化を維持しています。国外のアルメニア系コミュニティーやヨーロッパとのつながりも生かし、観光業や両替商やNGOなどで活躍しています。

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