冬募金に寄付する
世界6の国・地域で活動しているJVC。
今回の冬募金キャンペーンでは、その中でも、ラオスで進んでいる資源収奪のトピックを取り上げています。
緑でいっぱいの未来を次の世代に残していくために、一人ひとりができる取り組みが沢山あること、そして力を合わせて現状を変えられることを私たちに教えてくれるのは、ラオスの村の人々です。
「私たちの手で、問題の進行は止められる」。希望のあるストーリーを、ぜひ読んで応援していただけたら幸いです。
JVCがラオスの新事業地セコン県の調査を開始した、2年前のこと。私たちは、どこまでも広がるゴムプランテーションを目にしました。
かつては村の人々がキノコやタケノコなど、様々な自然の恵みを得ていた緑豊かな森。その多くが、企業が樹液を売って利益を得るために植えたゴムの木が整然と並ぶプランテーションになってしまっていました。
村の土地の半分がプランテーションになってしまった村もあります。森も、作物をつくる土地もなくなってしまったと嘆く声が多くの村で聞かれました。
キャッサバの栽培も急速にひろがっています。タピオカの原料でもあるキャッサバは、輸出されて加工食品や家畜の飼料になります。国際的な需要が大きく、高値で買い取られるキャッサバ。収入のために森をキャッサバ畑に変える住民もいます。
このようなケースでは、外国の需要が低くなると価格は下降します。また、毎年栽培していると土地がやせ細り、収穫量が減っていきます。収穫量を増やすために化学肥料などを買えば、それが借金につながる可能性もあるのです。
森が畑になり、畑になった土地もやせ細っていく現状のままでは、資源が失われていきます。
プランテーションやキャッサバ畑にするために森が伐られ、川では年々魚が減り、建設用土砂の採取が計画されたりするなど、森や川の資源はいつ奪われてしまってもおかしくない状態が続いています。
森や川は、ラオスの村の人々が生きていくために必要不可欠なものです。それらを保全するための取り組みが、今、必要とされています。
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ラオスのこの状況に対し、JVCは村の人々と共に、さまざまな対策に乗り出しています。
今回は、3つの取り組みについてご紹介します。
活動地の一つであるトゥムニョー村では、森に果樹のプランテーションをつくろうという企業の動きがありました。村の大切な森が奪われてしまうかも知れず、村人たちが話し合いを開始。
JVCも村の基礎情報をまとめた冊子や村の地図、法律研修などを提供し、話し合いの結果、郡行政機関にも問題の共有を行った上で、森を「コミュニティー林」として保全することに成功しました。
電気ショック等で大量の魚を捕り、建設用土砂を川から採取するケースが散見されています。これらの行為は、生態系を崩す一因です。
JVC活動地のナンヨン村では「魚保護地区」を設置し、魚を捕り尽くすような漁を止めました。また、魚保護地区を設置したことにより、企業からきた土砂採掘事業の話を村が断り、「自分たちで川を守る」という素晴らしい事例が生まれました。
キャッサバ栽培は成長が早い分、土壌への影響もあり、栽培を続けると土壌の栄養がなくなり収穫量が減っていきます。キャッサバの連作で起こる土壌の劣化は、落花生、大豆と混作をすることで遅らせることができます。
JVCは2つの村でこの手法を実践し、村の人々に広めています。
いま、全世界で開発が進んでいます。資源が無計画に次々と奪われていく現状に対しては、誰かが「待った」をかけなくてはなりません。地元の人々とその負担を分け合いながら、未来を考えたアクションを起こしていくのが、日本から来ている私たちの務めです。
持続可能ではない世界を足元から変える試みがラオスにはあります。ぜひ、日本から、この取り組みを応援してください。
JVCラオス事務所現地代表:山室良平
トゥムニョー村長/ブンソンさん
数年前から、村の北部にある他県に隣接する森が、果樹のプランテーションの対象地になってしまうかもしれず不安を感じていました。そこでJVCや近隣の村と話し合い、その森が他県ではなく私たちの村の領域であることを確認し、コミュニティー林として守ることを決めました。
JVCから村の情報をまとめた冊子や村境を示した大きな地図をもらい、法律についての研修も受けたことで、森や村の土地を自分たちで守っていく自信がつきました。
プロジェクト・アシスタント/キノ・カンタマリー
キャッサバのような換金作物の栽培は、生活を支える収入を増やすために住民が今できる唯一の選択肢でもあります。共有資源の減少に加え、価格の下落に関する不安を抱える住民たちを支えるため、JVCは住民たちが自分たちで共有資源を管理・利用するための支援を行っています。
私たちは、彼らが自分たちでコミュニティーを守り、変えていくためのサポートを続けていきます。
広報担当として支援者の皆さまとやりとりして感じるのは、「私たちは託されている」ということです。 お一人お一人が大切なお気持ちや情熱をお持ちで、思いを同じくする方々がいるからこそ、私たちは駐在し、活動して、変化を創ることができています。
見聞きしたものを一つでも多く皆さまにお返しし、ともに社会を変える力になりたいと願っています。JVCと末長くご一緒いただけたら大変幸いです。
広報担当
並木麻衣
代表理事
今井高樹
10月7日にイスラエル・ガザの緊急事態が始まってから、約2カ月が経過してしまいました。ガザを活動現場にもつ私たちも、一日一日を祈る思いで過ごしながら、やるべきことに邁進しています。
今回の冬募金キャンペーンでは、ラオスで進んでいる資源収奪の問題を取り扱いました。緑でいっぱいの未来を次の世代に残していくために、一人ひとりができる取り組みが沢山あること、そして力を合わせて現状を変えられることを私たちに教えてくれるのは、ラオスの村の人々です。
「私たちの手で、問題の進行は止められる」
JVCの各国での活動を、どうか応援してください。
JVCはラオスを含む世界6か国・地域で活動しています。
例えばこのような活動に
使わせていただきます
スーダン
約3,000円で:学校に通えない子どもたちが通う補習校教員の給与(1か月分)になります。
ラオス
約10,000円で:暮らしの基盤である森や川を守るための会議を1回開催することができます。
イエメン
約1.8万円で:紛争の影響を受ける子ども1人が「子ども広場」に通い、保護を受けることができます。
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日本国際ボランティアセンターでは
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