JVC気仙沼事業が今と未来につなぐもの~四ヶ浜防災集団移転プロジェクトアーカイブス~
2011年3月に発生した東日本大震災の被災地において、JVCは宮城県気仙沼市鹿折地区での復興支援のほか、福島県南相馬市でのラジオの提供や仮設住宅でのサロン運営支援、福島県内の農家を応援する活動を行いました。
気仙沼では市内に事務所を開設し、鹿折(ししおり)地区、特に四ヶ浜(しかはま)という地域で、2017年度末まで復興支援活動を継続しました。
私たちは気仙沼市の四ヶ浜地域の大浦・小々汐・梶ヶ浦で当時進められていた「防災集団移転事業(いわゆる高台移転)」について、住民の皆さんはもちろん、建築アドバイザーをはじめ、様々な人々と協働し、すみやかな住宅再建と暮らしやすい高台団地の形成を目指して活動を行いました。
そして移転の完了、活動終了に伴い、当初は防災集団移転の経験と教訓を伝えるための書籍化を目指し、関係者との検討を重ね、書籍制作のための助成金獲得なども試みましたが、残念ながら思うように事が運びませんでした。
(もしも今からでも、という方がいらっしゃったら是非お声掛けください!)
その後、ウェブでの発信を目指すことに切り替え、関係者と協力して作業を進め、できあがったのがこの「四ヶ浜防災集団移転プロジェクトアーカイブス」です。
本アーカイブの趣旨は「四ヶ浜防災集団移転プロジェクトアーカイブとは」の項目で示されています。
防災集団移転の過程に沿って、支援に関わった専門家の方々とJVCの岩田(元気仙沼事務所現地代表)が、それぞれのトピックについて簡潔にまとめるという構成になっています。
JVCの関わりについては、「Vol.1 防災集団移転のはじまり」や「Vol.2 建築アドバイザーの参画」の項目を中心に、JVCの岩田がいくつか寄稿しています。
本アーカイブでお伝えしたいポイントの一つは、専門家とNPO・NGOが協働して支援し、住民、専門家、NPO・NGOの三者が協力して復興に取り組むことの意義です。
JVCの立場から言えば、住民、専門家、それぞれと信頼関係を築きながら、両者をつなぐ役割に徹したことが、効果的な支援を展開する上で重要なポイントであったと考えています(この観点から本アーカイブではJVCを「中間支援者」と位置づけています)。
(住民、建築アドバイザー、JVC関係者が集まった「感謝のお別れ会」での一枚/2018年3月)
東日本大震災発災から10年以上の月日がたちました。
震災によって犠牲になった方々を深く追悼し、被災した人々が日々を心静かに過ごされることを、そしてこのアーカイブスが次世代、そして現在の被災地域の人々の力になることを、心から願っています。
(現在、2011年~2018年の活動ブログを過去のJVCウェブサイトから移設中です。移設が完了しましたら、またご報告いたします)