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声明の記事一覧

2021年12月10日、米国、英国、カナダは、2021年2月1日のビルマ/ミャンマー国軍による違法なクーデターに対し、国軍の Office of the Quartermaster General(QMG、兵站総局)に制裁を課しました。QMG は、ミャンマー軍のビジネス上の利益を監督する重要な組織です。

ミャンマー軍が支配する土地上で複合不動産開発「Y コンプレックス」を行っている大和ハウス工業の子会社であるフジタ、東京建物、民間インフラファンドの海外交通・都市インフラ投資事業団(JOIN)などの日本企業は、QMG に年間 180 万米ドル以上の賃料を米ドルで支払っており、制裁対象企業を実質的に支援していることが判明すれば、米国の制裁に違反する可能性があります。

また、日本の政策金融機関である国際協力銀行(JBIC)と三井住友銀行、みずほ銀行が 1億4400万米ドルの融資を通じてこのプロジェクトに共同出資しています。

これを受けて、JVCは、Yコンプレックス開発に関わり続ける日本の投資家に対する声明を、ヒューマンライツ・ナウ、Justice For Myanmar、メコン・ウォッチと共同で発表しました。

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10月19、20日、世界の約450の「Public Development Bank(PDBs)/公的開発銀行」が一堂に会する「Finance in Common Summit/開発銀行サミット」が、ローマで開催されます。第2回目の今年の主要テーマは農業とアグリビジネスです。これを前に、世界中の市民・市民社会組織が、公的開発銀行が「工業型農業の拡大、環境破壊、企業による食料システムの支配に資金を提供している」として、非難する声明「開発銀行はアグリビジネスへの出資を直ちに中止してください」を作成しました。JVCもそのメンバーの一員として声明を作成してきました。

この声明に対し世界中で賛同(団体)を募ったところ、70カ国から、約280もの団体が賛同、署名しました。

公的開発銀行とは、各国政府や多国籍機関によって、とりわけ「南(グローバル・サウス)」の地域に暮らす人々の生活向上に貢献することを謳った政府のプログラムや民間企業に対し、資金提供することを目的として設立された公的機関です。日本では、日本国際協力銀行(JBIC)がこれにあたります。公共機関であるPDBsは、人権を尊重し、保護し、実現する義務があり、その行動について市民に対する説明責任を負っています。しかし実際には、これまで、土地収奪や汚職、暴力、環境破壊、その他の深刻な人権侵害に関与した企業に投資し、「意味ある説明責任」を果たしてこなかったことが、被害を受けた住民、NGO、研究者らより指摘されてきました。

ぜひ、声明をご覧のうえ、この問題に対して、関心をもっていただければと思います。

なお、この度は、呼びかけに対し、個人の皆さまにもご署名いただきましたが、関係者で協議の上、個人名は公開しないことになりました。このため、個人名でのご署名についてはお名前を掲載しておりませんが、署名作成者一同より感謝申し上げます。賛同・ご署名してくださった皆さま、誠にありがとうございました。

【問い合わせ先】
本件について、ご不明な点がある方は担当(渡辺:nabekama@ngo-jvc.net)までご連絡ください。

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10月19、20日、世界の約450の「Public Development Bank(PDBs)/公的開発銀行」が一堂に会する「Finance in Common Summit/開発銀行サミット」が、ローマで開催されます。第2回目の今年の主要テーマは農業とアグリビジネスです。これを前に、世界中の市民・市民社会組織が、公的開発銀行が「工業型農業の拡大、環境破壊、企業による食料システムの支配に資金を提供している」として、非難する声明(英語オリジナル日本語仮訳)を作成しました。JVCもそのメンバーの一員として声明を作成してきました。

これを受けて、現在、とくに食と農の分野で公的開発銀行がもたらす問題について、市民として声をあげるべく、この声明に対し世界中で賛同署名(団体)を集めています(10月15日締め切り)

公的開発銀行とは、各国政府や多国籍機関によって、とりわけ「南(グローバル・サウス)」の地域に暮らす人々の生活向上に貢献することを謳った政府のプログラムや民間企業に対し、資金提供することを目的として設立された公的機関です。日本では、日本国際協力銀行(JBIC)がこれにあたります。公共機関であるPDBsは、人権を尊重し、保護し、実現する義務があり、その行動について市民に対する説明責任を負っています。しかし実際には、これまで、土地収奪や汚職、暴力、環境破壊、その他の深刻な人権侵害に関与した企業に投資し、「意味ある説明責任」を果たしてこなかったことが、被害を受けた住民、NGO、研究者らより指摘されてきました。

ぜひ、声明(英語オリジナル日本語仮訳)をご覧のうえ、この問題に対して、関心をもっていただければと思います。

【問い合わせ先】
本件について、ご不明な点がある方は担当(渡辺: nabekama@ngo-jvc.net)までご連絡ください。

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2021年9月9日
特定非営利活動法人日本国際ボランティアセンター

 アフガニスタンでタリバンが権力を掌握して3週間が経過しました。米軍の撤収が完了し、タリバンの新内閣が発表されました。事態がどう動くか、世界が注目しています。
 私たちはアフガニスタンにおいて、今年5月に活動を終了するまで約20年にわたって医療や教育、平和アクションなどの支援活動を実施してきました。これまで現地に関わってきたNGOとして、アフガニスタンを取り巻く状況と、国際社会、日本政府やマスメディアの対応に関して、以下の通り意見を表明します。

米軍占領下の20年の検証を

 タリバンの権力掌握以降、多くのマスメディアは連日のように、国外退避を求め空港に殺到する人々や20年前のタリバン統治時代の記憶から恐怖におびえる市民の声を報道し、タリバンの復権が「悪」であるという印象を国際社会に与えてきました。その後も家宅捜索や殺害事件、デモ隊への暴力などが報道されています。一方で地方都市や農村部では状況は平穏であるとの情報もあります。20年にわたるアフガニスタン戦争の終結に安堵する現地の人々の声も報じられています。現地の状況は多様かつ複雑であり、一面的な判断をすることなく状況を見て対応していく必要があります。

 他方、日本を含め欧米諸国やメディア、多くの識者は、この20年間の「民主化」の成果を強調し「90年代のタリバン時代に後戻りさせてはいけない」と主張しています。しかし、占領下の20年がアフガニスタンに遺した負の影響も忘れてはなりません。
 2001年、米軍によるアフガニスタン侵攻によって当時のタリバン政権は崩壊しました。
 その後現地に入ったJVCスタッフによれば、当時は米軍に対して「この国をいい形に変えてくれるのではないか」と期待する人々もいましたが、現実はその希望とはかけ離れたものになりました。駐留した米軍はタリバンに対する軍事活動を繰り広げ、誤射・誤爆によって多くの罪のない一般市民の命が奪われました。米軍により不当な拘束を受けた人々も数多くいます。JVCが運営していた診療所の近くにも誤爆があり、近隣の村では結婚式の最中に米軍による爆撃を受けて子どもを含む47人が亡くなりました。

 アメリカがタリバンとの和解ではなく「掃討」にこだわってきたために、戦争は20年間も続き、一般市民だけで4万から7万人ともいわれる犠牲者を出しました。この間、多くのアフガニスタン人が家族・親族の誰かを失っています。それによって人々の間に反米感情が広がり、タリバンの勢力拡張にもつながりました。この戦争に、日本も後方支援(インド洋での米軍艦艇への給油支援)の形で加担してきました。
 この20年間がアフガニスタンの人々に与えてきた苦しみを振り返ることなく、それを単純に「正しかった」とだけ総括するわけにはいきません。今回、タリバンがアメリカを追い出してくれた、と歓迎する現地の声もあることを、私たちは受け止めなくてはなりません。

タリバンを国際社会から孤立させてはいけない

 もちろん、この20年間に女子教育をはじめ、人々の様々な権利・人権の拡大が進んだことは間違いありません。私たちNGOもそれを支援してきました。そうした権利・人権は、今後も失われることがあってはなりません。
 そのためには、また、この20年間の検証が必要という観点からも、タリバンを一方的に「敵視」することによって孤立させるのではなく、対話と交渉を続けていくことが重要です。今のタリバンは国際社会の目を意識していますが、ひとたび孤立してしまえば、あるいは特定の国々だけと関係性を持つようになれば、タリバン内の「強硬派」に力を与え、様々な権利が後退してしまう可能性もあります。
 現地では、これまで開発や人権、平和の分野で活動をしてきたNGOや国連とタリバンとの対話がすでに始まっています。日本をはじめ国際社会は、アフガニスタンの人々の主体性を尊重し、現地の動きを見守りながら、対話を通じて基本的人権の尊重を訴え、アフガニスタン社会の平和と安定に貢献すべきです。

 私たちはこれまで世界各地の活動経験から、特定の政治勢力に対してメディアを含む国際社会、とりわけ欧米や日本が「悪」のレッテルを張ることで、その対象を敵視する大衆の心理を生み出し、分断を招き、戦争・紛争を正当化してきた事例を見てきました。カンボジア、コソボ、アフガニスタン、イラク、パレスチナの紛争など、いずれもそうでした。アフガニスタンでのこれ以上の分断や新たな暴力の連鎖を避けるためにも、タリバンを一方的に「悪」とするのではなく、冷静にそして多面的に状況を見て、対応していくことが必要です。

日本が果たすことのできる重要な役割

 タリバンとの対話を進めるにあたり、日本が果たすべき重要な役割があります。
 日本の自衛隊は米軍を中心とした戦争への後方支援を行ったものの、地上侵攻はしませんでした。その点において、タリバンは日本に対して一定程度の信頼を寄せているといわれています。8月26日にはタリバンの報道官が「日本人を必要としている」「友好的で良い外交関係でいたい」と発言しています。国際社会がタリバンと対話する上で「架け橋」的な役割を果たすために、日本はタリバンとの正規の交渉窓口を作るべきです。

 米軍による占領の終了は、アフガニスタンの未来に向けた契機でもあります。
 いまは、占領のないアフガニスタンで、暴力の連鎖を避け、人々の生命や暮らしが保証され、これまで拡大してきた諸権利を後退させない形での国づくりに向けて、日本政府、私たち市民やNGO、メディアなどそれぞれが役割を果たすべき時です。

<付記>アフガニスタンからの国外退避について

 日本政府は、現地にいる邦人のほか、大使館・JICAあるいは日本のNGO団体のアフガニスタン人現地職員の国外退避のため、自衛隊機を派遣しました。結果的に対象としていた現地職員を退避させることができず終わりましたが、退避計画の段階から、対応は不十分なものでした。NGO現地職員に対しては、家族の帯同が認められず、退避後の身分保障は不明確で、数日内に隣国のビザを自力で取得しなくてはならないなど厳しい制約条件があり、退避はほぼ不可能と考えられました。日本に関係したアフガニスタン人で身の危険を感じ退避を希望する方々について、家族も含めて国外で保護を受けることができるよう、今後日本政府が適切な措置を取ることを求めます。
 一方で、国外退避の呼び掛けや対応においては、現地の人々が置かれた状況に地域差や個人差があることが十分に考慮され、また退避後に関する情報が事前に共有されなくてはなりません。
 現地では、国内に残ってタリバンと対話をしながら活動の継続を目指すNGOも存在し、既に活動を再開した団体もあります。従って、退避するかどうかは、個々のケースに応じて、アフガニスタンの人々の判断を尊重して対応がなされることを望みます。その際には、退避後の将来における身分や生活上のリスクを事前に理解・認識できるようにすることが重要です。出国すれば、あるいは日本に渡航すればそれで解決する訳ではなく、難民認定や受け入れ体制、再度アフガニスタンに戻れるかなど、長期にわたる課題があります。また判断・準備のための時間も必要です。
 突然キャンペーン的な一律の退避呼び掛けが行われることがあれば、かえって心理的な不安を助長し、現地の人々の分断を招いてしまうことにもなりかねません。そうしたことにも注意を払いつつ、アフガニスタン国内の状況を見守りながら、冷静に対処することが必要だと考えます。

以上

アフガニスタンで活動する日本のNGOのネットワーク「日本アフガンNGOネットワーク」(JANN)の有志団体による共同声明「アフガニスタンにおける戦闘と暴力の停止、対話による平和的解決、人びとを代表する政府の樹立、 全ての人びとの人権の尊重、同国への支援の継続を求めます」を出しました。

※声明のPDFは本記事の一番下からご覧いただけます。

声明文本文

アフガニスタンにおける戦闘と暴力の停止、対話による平和的解決、人びとを代表する政府の樹立、 全ての人びとの人権の尊重、同国への支援の継続を求めます。

2021年8月20日

戦闘と暴力の停止について

アフガニスタンに駐留する外国軍の完全撤退の期限が迫る中、戦闘が急速に拡大・激化し、また様ざまな形での暴力も続き、一般市民を含む多数の人びとが死傷、多くの被害も出ています。人々の悲しみ、怒り、苦しみははかりしれません。私たちは、亡くなられた方々に深く哀悼の意を捧げるとともに、ご家族や親族、友人の皆さまに心よりお悔やみ申し上げます。 私たちは、依然、そうした戦闘と暴力が続くことを強く懸念します。私たちは、武力による攻撃と暴力を非難し、ただちに、そして将来にわたり、戦闘と暴力が停止されることを求めます。そして、関係主体、関係国、国連、日本政府を含む国際社会が、この状況に対して、そして将来にわたり、さらなる武力で応じるのではなく、戦闘と暴力停止のためのあらゆる働きかけを行うことを要請します。

対話による平和的解決、人びとを代表する政府の樹立、全ての人びとの人権の尊重

私たちは現地の人びととともに、現地に根づいて活動に取り組む団体として、戦争と暴力によってもたらされるのが、悲しみ、怒り、苦しみだけであるということを経験してきました。戦争と暴力で問題の解決をもたらすことはできません。 私たちは、これまで多くの人びとの努力によって進められてきた紛争当事者を含む和平プロセスに敬意を表します。現在、状況が大きく変わったとはいえ、対話による平和的解決の必要性、重要性に変わりはありません。私たちは、包括的な人びとの層を含む対話による現状の平和的解決、そしてそれを通した人びとを代表する政府の樹立を求めます。そして、その中で、また将来・社会全般にわたり、全ての人びとの人権が尊重されることを求めます。さらに、関係主体、関係国、国連、日本政府を含む国際社会が、そのためのあらゆる働きかけを行うことを要請します。

アフガニスタンへの支援の継続

アフガニスタンはこれまでも、世界から忘れられ、あるいは孤立し、それが人道危機に、また戦争や暴力にもつながるという悲劇を繰り返してきました。私たちは国際社会に対し、現在すでに発生している深刻な人道危機に対しての支援も含め、多様な分野でのアフガニスタンへの支援を継続し、必要に応じて強化していくことを要請します。 アフガニスタンの人びととともに、平和を願ってやみません。 以上

「日本アフガンNGOネットワーク」(JANN)有志団体(2021年8月20日現在)

特定非営利活動法人ADRA Japan
認定特定非営利活動法人カレーズの会
特定非営利活動法人ジェン
公益社団法人シャンティ国際ボランティア会
特定非営利活動法人難民を助ける会
特定非営利活動法人日本国際ボランティアセンター
一般社団法人平和村ユナイテッド
特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン
他1団体

JANN有志団体共同声明.pdf

本日、5月17日付で、パレスチナ支援を行う6団体で外務大臣宛てに声明文を提出しました。(6月1日現在、賛同は23団体に増えております。)また、5月18日にはオンラインで緊急報告会を実施しました(約40分、Youtubeで閲覧いただけます)。

5月16日現在、ガザでは58人の子どもを含む192人が犠牲となり、イスラエルでもインド人移民労働者を含む10人が犠牲となっています。これ以上多くの生命が奪われることがあってはなりません。

声明文では、パレスチナのガザ地区で続いているイスラエル軍による空爆や砲撃、またガザ地区からイスラエルに向けたロケット弾の発射を即時停止するため、国際社会の一員である日本政府として外交的努力に努めることを求めています。

各団体それぞれに、現地スタッフやつながりのある現地の方々からの悲痛な声が届いており、一刻も早くこのような恐ろしい事態から、人々が解放されることを願っています。

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2020年12月28日に日本の公的金融機関である国際協力銀行(JBIC)が、がベトナム・ブンアン2石炭火力発電事業(以下、ブンアン2)に対し6億3,600万米ドル(約600億円)の融資契約を締結しました。協調融資に参加した民間金融機関には、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友信託銀行が含まれるとみられます。また出資には三菱商事が関与するとみられます。

ブンアン2はこれまでも国際的な批判を受けていた事業で、多くの問題が指摘されていました。気候変動対策との矛盾や環境影響評価の不備など、様々な指摘への説明責任を果たさぬまま、JBICが同事業への支援を決定したことに対して、認定特定非営利活動法人である「FoE Japan」が声明文を出し、JVCも署名を行いました。

プロジェクトの概要は下記をご覧ください。
https://www.foejapan.org/aid/jbic02/va/background.html

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世界の公的金融機関が参加する「ファイナンス・イン・コモン・サミット」と銘打つ国際会議(11月11-12日開催)が開催されるにあたり、これに対する国際声明が発出され、これにJVCも団体として署名しました。

※声明のPDFは本記事の一番下からダウンロードできます(日英両方)。

以下、声明文(日本語版)本文

「PDBs 金融サミット」に向けた国際共同声明

2020 年 11 月 12 日

「公共」開発銀行と呼ばれるべきではない

2020 年 11 月 9 日から 12 日まで、フランス政府が主催する「共通の金融(Finance in Common)」サミットと呼ばれる公共開発銀行間の初国際会議のために、世界中から 450 の金融機関が集まります 。世界銀行から中国開発銀行にいたる金融機関は、道路、発電所、農業プランテーションなど、いわゆる 「開発プロジェクト」に年間 2 兆ドルを投じています。この支出の多くは、公的資金----すなわち私たち----によって賄われており、そのためにこれらの金融機関は自らを「『公共』開発銀行(Public Development Banks: PDBs)」と呼んでいます。しかし、草の根のパートナー団体や私たち自身の経験に照らせれば、これらの機関は「公共」に呼ぶに相応しいものではなく、また彼らが資金提供する事業は 「開発/発展(development)」につながるものではありません。

ほとんどの場合、これらの機関は、一般の人びとの労働と税金で支えられる公的財源から資金を得ています。したがって、公的機関として、政策および運営面において、人権を尊重し、それを保護する義務を負っています。さらに、公的な監督機関を通じて、国民に対して説明責任を果たさなければなりま せん。しかし、現実には、説明責任はほとんど果たされてきませんでした。フランスの Proparco (Groupe Agence Française de Développement)、ベルギーの BIO、米国の DFC(US International Development Finance Corporation)など、これらの開発銀行の名前を聞いたことがある人はほとんどおらず、彼らが何をしているのかも知られていません。

これらの開発銀行は、グローバル・サウス(「南」)の政府に援助や融資を提供する開発協力機関とは対照的に、財務上の儲けのために民間部門への投資を行っています。彼らは、企業が成長と雇用を促進すること、また、これを実現するため金融機関は負債やプライベートエクイティなどのリスクを負わなければならないと主張します。企業は、これらの開発銀行から数百万ドルの資金を受けることで、ある種の信用を獲得し、多くの場合より低い金利で、民間の金融機関や他の開発銀行から数百万ドルの追加資金を調達することができます。このようにして開発銀行は、「南」で事業を展開したい企業がこれらの地域と市場に進出することを可能にし、バングラデッシュの汚染源となっている石炭発電所から 、ホンジュラスで問題となっている水力発電ダム 、パラグアイの危険な大豆プランテーションにいたる様々な事業で、非常に重要な役割を果たしてきました。従来、これは不可能な手法でした。

私たちは、「南」のパートナー団体やコミュニティと緊密に活動する市民社会組織として、これらの 金融機関が農業分野に関与していることをよく知っています。しかし、彼らがやっていることは、とて も「開発/発展」と呼べるものではありません。私たちは、これらの機関が、主にアグリビジネス企業 や、現在のパンデミックと気候危機の両方の主な原因となっている農業の工業型モデルに投資を行うのを目の当たりにしてきました。開発銀行は、これら 二つの問題の真の解決策である、地域社会の主体の多様な食のシステムや小農主導のアグロエコロジーに基づく農業を支援した実績はほとんどありません。

例えば、過去 5 年間、多くの市民グループが協力し、カナダの油ヤシ・プランテーション企業(フェロニア社)によって森林・土地収奪などの被害を受けたコンゴ民主共和国のコミュニティを支援してきましたが、この企業は、英国の開発銀行 CDC の約 8800 万ドルを含む、1 億 4000 万ドル以上の融資を開発銀行から受けています。

今年倒産したフェロニア社については、租税回避地モーリシャスに拠点を置くプライベート・エクイティ・ファンドに引き渡されるまで、開発銀行がその大半を所有していました。同社は、利益を出したことがありませんが、駐在員に高額報酬を支払っており、開発銀行の介入がなければ、何年も前に倒産していたはずでした。

これらの金融機関は、ベルギー植民地時代、レオポルド二世と英蘭の巨大企業ユニリーバ社に武力で土地を奪われて以来、プランテーション周辺のコミュニティが味わってきた長年の苦しみを解消するために、自らの関与が役立つと主張していました。確かに住民は 100 年にわたって深刻な苦悩を味わってきました。本来、「開発/発展」への真摯な取り組みとは、彼らの土地と森林の収奪への対処、すなわち土地の返還と賠償につながる場合にのみ可能となるはずでした。しかし、開発銀行は、この方向に進んでいくにあたって効果のあるいずれの動きにも抵抗してきました。現実には、これまで全く逆の動きをしてきたのです 。

これらの開発銀行は、約 10 万ヘクタールにも及ぶ土地の利用権をめぐる歴史的な対立や、事業にまつわる汚職疑惑に対処するための行動を取っていません 。彼らの環境・社会・ガバナンス(ESG)計画 は、コミュニティの貧困を緩和するものではありませんでした。また、様々な開発銀行が関与しているにもかかわらず、村の住民や労働者に対する人権侵害が減ることはありませんでした。さらに悪いこと に、これらの開発銀行は、自身が設立した苦情処理メカニズムを利用しようとするコミュニティの努力 を弱体化させるような行動をとってきました。

ESG ガイドラインや土地収奪(ランドグラブ)に対する行動規範がどうであれ、開発銀行による工業型プランテーションへの投資が、「持続可能な開発(永続可能な発展)」に寄与することはあり得ませ ん。これらのプランテーションは植民地時代の遺物であり、外国の購入者のために一次産品を生産し、利権者のために利益を生み出すことを目的として設計されているからです。したがって、彼らは収奪された土地、搾取された労働力、そして怒って立ち上がろうとする住民や労働者を抑えることを目的とし た武力を必要としています。開発銀行がそのプレゼンスを正当化するために利用する「雇用」、そして 不十分な設備の学校や診療所のような社会事業もまた、かつて地域の住民が自分たちの暮らしを維持するためにアクセスしていた土地や資源を奪い、破壊することに使われています。

はっきり述べたいと思います。公共開発銀行は、「公共」の意味するところからも、その名に相応しい「開発/発展」のいかなる議論からも、著しく遠いところにあります。これらの金融機関は、私たちの存在そのものの根幹を成す食と農において、企業によるアグリビジネスへの投資を集中させています。彼らは、それ以外のモデルをサポートするために設立されておらず、そうするための能力も持ってはいません。工業型農業は、世界の年間温室効果ガス排出量の最大 37%を占めており 、「南」から開発 銀行を追放すべきであることは明らかです。私たちは、企業ではなく地域社会を支援する国際金融と、 企業の支配から解放された多様な食のシステムを支援する、まったく異なるアプローチを必要としています。

署名団体

Alliance for Food Soverignity in Africa - アフリカ
WoMin African Alliance - アフリカ
Entraide & Fraternité - ベルギー
FIAN Belgium - ベルギー
CIDSE - ベルギー
Friends of the Earth Europe - ベルギー
Associação Brasileira de Reforma Agrária - ブラジル
SOS Chapada dos Veadeiros - ブラジル
Movimento Ciencia Cidadã - ブラジル
CAPINA - Cooperação e Apoio a Projetos de Inspiração Alternativa - ブラジル
Terra de Direitos - ブラジル
Comissão Pastoral da Terra - ブラジル
Amigos da Terra Brasil - ブラジル
FAOR - Fórum da Amazônia Oriental - ブラジル
FASE - Solidariedade e Educação - ブラジル
PDMS - Instituto de Pesquisa, Direitos e Movimentos Sociais - ブラジル
Rede Jubileu Sul - ブラジル
Via Campesina - ブラジル
Emater - ブラジル
Campaign in Defense of the Cerrado - ブラジル
Réseau des acteurs du développement durable (RADD) - カメルーン
Synaparcam - カメルーン
REFEB - コートジボワール
DIOBASS Platform - コンゴ民主共和国
Réseau d'information et d'appuis aux ONG en République démocratique du Congo (RIAO-RDC) - コンゴ 民主共和国
Acción Ecológica - エクアドル
Confédération paysanne - フランス
CCFD-Terre Solidaire - フランス
Les Amis de la Terre - フランス
Attac France - フランス
Survie - フランス
Muyissi Environnement - ガボン
FIAN Germany - ドイツ
APVVU - インド
Indian Social Action Forum - インド
Growthwatch - インド
Karavali Karnataka Janabhivriddhi Vedike - インド
Sahanivasa - インド
KRuHA - インドネシア
SNI - Indonesia Fisherfolk Union Indonesia - インドネシア
Suluh Muda Inspirasi - インドネシア
GERAK LAWAN - インドネシア
Serikat Tani Merdeka (SETAM) - インドネシア
Front Perjuangan Pemuda Indonesia (FPPI) - インドネシア
Indonesia for Global Justice - インドネシア
Koalisi Rakyat Untuk Keadilan Perikanan (KIARA) - インドネシア Solidaritas Perempuan - インドネシア
Global Legal Action Network - アイルランド
Trócaire - アイルランド
SONIA for a Just New World - イタリア
Africa Japan Forum --日本(特定非営利活動法人 アフリカ日本協議会)
Africa Rikai Project --日本(アフリカ理解プロジェクト)
Network between Village and Town --日本(むらまちネット)
Japan International Volunteer Center (JVC) --日本(特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター)
Friends of the Earth Japan --日本(国際環境 NGO FoE Japan)
WE21 Japan ジャパン -- 日本 (WE21 ジャパン)
Missionary Society of Saint Columban --日本 (聖コロンバン会日本)
Indigenous Strategy & Institution for Development - ケニア
SOS FAIM -ルクセンブルグ
Collectif pour la défense des terres malgaches - TANY - マダガスカル/フランス
Milieudefensie -オランダ
Pakistan Kissan Rabita Committee - パキスタン
Kilusang Magbubukid ng Pilipinas - フィリピン
Organización Boricuá de Agricultura Ecológica de Puerto Rico, CLOC-LVC - プエルトリコ
Kamara Organic Promoter - ルワンダ
La Via Campesina South Asia - 南アジア
Korea Women Peasants' Association - 韓国
Bread for all - スイス
Generation Engage Network - ウガンダ
Corner House - 英国
Global Justice Now - 英国
Friends of the Earth United States - 米国
The Oakland Institute - 米国
Thousand Currents - 米国
Grassroots International - 米国
Family Farm Defenders - 米国
National Family Farm Coalition - 米国
Association for Women's Rights in Development (AWID) - 国際
GRAIN - 国際
Biofuelwatch - 国際
World Rainforest Movement - 国際

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JVCが賛同団体として参加している、市民社会スペースNGOアクションネットワーク(NANCiS)が日本学術会議が新会員として推薦した105名の研究者のうち6名が、菅義偉首相により任命されなかったことに対して、声明を発表しました。

日本学術会議任命拒否問題に関する声明

2020年10月13日
市民社会スペースNGOアクションネットワーク(NANCiS)

さる10月1日、日本学術会議が新会員として推薦した105名の研究者のうち6名が、菅義偉首相により任命されなかったことが明らかになった。すでに多くの法律家、学識者、学術団体が指摘しているように、このことは日本学術会議法(以下、同法)が規定する日本学術会議の趣旨、独立性、自律性を大きく損ない、かつての研究者による公選制から推薦に基づく任命制に改められた際の「形式的任命にすぎない」(1983年5月12日、参院文教委員会における中曽根康弘首相答弁)との政府解釈を踏み越える不当なものと言わざるを得ない。日本国憲法第23条が保障する「学問の自由」は研究者個々人の学術研究の自由のみならず、学術界全体の権力からの自由によって達成されるものであり、それを支える大学、研究機関、学会や科学アカデミーなどの学術団体の自治が幾多の苦難や努力により、伝統的・国際的に確立されてきたことからも、その重要性は明らかである。日本政府および菅義偉首相は、6名の任命拒否に至った経緯および理由を明確にするとともに、任命拒否の決定を改め、日本学術会議からの推薦どおり6名の任命を行うべきである。

この問題に際し、菅義偉首相は10月5日に内閣記者会の幹事3社のみによる「グループインタビュー」に応じただけであり、その発言も「法律に基づいた任命をしている」「個別の人事に関することはコメントを控える」など理由を明確にしない一方、同法に定められた推薦制と日本学術会議による具体的な運用を「前例を踏襲してよいのか、考えてきた」と断じ、首相の任命権を通じて人事や運営に介入する意図をほのめかしている。こうした、理由を曖昧にしながら権力の行使や濫用をちらつかせたり実際に行うやり方は、当事者(今回は研究者や学術界)による反駁や抵抗の機会や効力を挫き、権力に対する必要以上の不安を生じさせ、萎縮や忖度を生んで自由を奪い、権力への追従をもたらすことにつながる。さらに今回、マスメディアやインターネット上で、ワイドショーのコメンテーターや匿名のネットユーザーだけでなく、一部のジャーナリストや学識者、著名人までが、ウソや誤解に基づく情報や問題の核心を意図的に逸らす論評を流布し、意図的に当事者を貶める言論状況をもたらしている。こうした政治・社会状況は、本会を構成する国際協力NGOが、開発独裁や権威主義体制を取る諸外国で体験してきたケースと酷似しており、単に一学術団体への政府の介入強化にとどまらず、研究者や学術界全体の「学問の自由」が奪われ、政府への協力を強いられる状況への「序曲」となることを強く恐れる。

さらに、この問題は研究者や学術界にとどまるものではなく、広く「市民社会スペース」(=市民やNGO/NPO等が自由に表現、言論、活動できる社会スペース)の自由を脅かすものでもある。市民社会スペースの自由闊達な表現、言論、活動は、研究者の知見や研究者との協働によって根拠と実力を備え、社会的な影響力を増してきた。さらに、一般市民が権力に対峙する言論・活動をするとき、研究者の専門性と良心に基づく発言や行動は、権力に対する盾となり、一般市民を守り、勇気を与えてきた。このように、良識ある研究者や学術界の存在や言動は、市民社会スペースを守り、耕し、背骨を通す役割を果たすものである。それゆえに、研究者や学術界の自由が失われるとき、市民社会スペースの自由もまた脅かされ、萎縮への道をたどらざるをえない。

このようなことから、本会はこの問題を座視することなく、学問の自由、ひいては市民社会スペースの自由を脅かす危機の「一里塚」であると捉え、先の政府決定の明確な説明と、その撤回を求めるとともに、問題意識を共有する社会各層との連帯を強めていくものである。

本件に関するお問い合わせ先

市民社会スペースNGOアクションネットワーク
(Japan NGO Action Network for Civic Space (NANCiS))
URL: https://nancis.org/   E-mail: info@nancis.org

2020年7月16日、政府系金融機関の国際協力銀行(JBIC)が、モザンビーク北部カーボデルガード州沖で進める液化天然ガス(LNG)開発に、1.5兆円(144億ドル)の協調融資をすると発表しました。JBICはこのうち3200億円(約30億ドル)を融資し、残りをアフリカ開発銀行ほか日本の三大民間銀行(三菱UFJ、みずほ、三井住友銀行)などが融資するといいます。民間金融機関の融資の一部には、貸し倒れリスクをカバーするため、日本貿易保険(NEXI)の保険が付されます。

しかし、この天然ガス開発については、地元と世界から中止を求める声があがっており、6月4日付でモザンビークNGO(Justica Ambiental/JA!(Friends of the Earth Mozambique)などにより発表された反対声明には、モザンビークの環境団体をはじめとする20の団体、14の国際団体、19の地域団体、151の各国団体、そして206人の個人が署名しました。

上記の国際声明は、カーボデルガード州が「破壊されている」実態として、土地収奪や貧富の格差拡大、イスラム系武装グループなどによる武力紛争の勃発や抑圧など、天然ガス開発により現地で生じている被害・問題を指摘した上で、開発に関わる多国籍企業、天然ガスの購入者、投資家に対し、同開発に関わるすべての活動の即時停止を求めています。

JVCを含む日本の市民団体・NGOは、現地の人びとの声を受け、天然ガス開発地 で実際に起きている事態を踏まえ、この度の融資決定に強い反対の意を表明いたします。

声明のPDFはこちらから:

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