ポジションペーパーの記事一覧
朝鮮半島を巡って、アメリカ、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による「挑発合戦」が続き、東北アジアの平和がますます遠ざかっています。
私たち日本国際ボランティアセンター(JVC)とアーユス仏教国際協力ネットワークは、長年にわたって市民レベルで北朝鮮との交流を積み重ねてきました。そうした経験を踏まえ、最近の情勢と私たちの活動について、以下のように基本的な立場を表明します。
2016年8月末から9月はじめにかけて、朝鮮民主主義人民共和国の北東部に台風が来襲したことで観測史上最大の大水が発生し、中朝国境を流れる豆満江(トマンガン)が氾濫、河畔地域が深刻な被害を受けました。被災した地域は冬の寒さが厳しく、目前に迫った冬の到来でさらなる人道的な危機が起こることが懸念されています。
昨年の3.11から1年以上が経ちました。この間、私たちは福島の人たちとともに、様々な活動を行ってきました。しかし、原発を巡る昨今の政府の動きを見るにつけ、福島第一原発事故の問題が時間とともに風化していってしまうような危惧を覚えないわけにはいきません。3.11は、自然との向き合い方、地域と都会の関係など、いろいろな意味で私たちにこれまでとは違う生き方と社会のあり方を問うたはずです。
何よりもJVCで活動する私たち自身が、3.11と原発事故が問いかけた問題を忘れないために、そしてJVCの今の思いを記録と記憶に残すために、このポジション・ペーパーを作成しました。忘れないためには何よりも、この問題を問い続けること、ではないかと思います。その意味で、このペーパーは、これからの長い議論の始まりに過ぎません。お読み頂き、いろいろなご意見をお寄せ頂ければ幸いです。これから、私たちが福島の人たちとどのように向き合って、どのような活動を続けていくべきなのか、JVCと一緒に考えて頂ければと思います。