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【共同声明】ミャンマー:クーデターから半年 日本政府は、ミャンマー国軍の暴挙を止めるための具体的な行動を

2021年8月 3日 更新

JVCは8/1付で、他NGO4団体とともに、日本政府および関連省庁に対して、ミャンマー政府への(およびミャンマー国軍を利する形での)ODAや融資、出資などの停止をもとめる共同声明を発出しました。

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【共同声明】ミャンマー:クーデターから半年 日本政府は、ミャンマー国軍の暴挙を止めるための具体的な行動を

【共同声明】ミャンマー:クーデターから半年 日本政府は、ミャンマー国軍の暴挙を止めるための具体的な行動を

2021年8月1日

2月1日にミャンマーで国軍によるクーデターが発生してから、半年が経過してしまいました。ミャンマーの市民は軍政の復活を拒否し不服従運動等を粘り強く展開し続けていますが、国軍の過酷な弾圧は続いています。国軍が指揮する「治安部隊」の暴力により犠牲になった方たちは、7月27日で934名、恣意的な拘束を受けている人たちは5,384人、逮捕状が発行されている人たちも1,963に上ります(注1)。クーデター以降の国内避難民は、ひと月前の7月1日時点の推定でも211,000人と報告されています(注2)。国軍がこのような犠牲を生み出し続けていること、また、援助物資を届けるボランティアを攻撃し物資を焼き払うなどの非道な行為を続けていることを、私たちは強く非難します。

日本を含む国際社会は、国軍の暴力を止めることに失敗しています。新型コロナウィルス感染症がミャンマーでも拡大する中、国軍は、自分たちに従わない市民が感染症で命を落とすことを放置しているだけでなく、治療に当たる医療従事者を逮捕しているとも報じられています(注3)。日本政府は国連を通じたミャンマー市民への支援を決定(注4)しましたが、国軍の異常な行動を止めなければ、被害の拡大は防げません。

6月のG7会合の首脳コミュニケでは、ミャンマーに関し「我々は、開発援助又は武器売却のいずれについても国軍を利することがないよう確保する我々のコミットメントを改めて表明し、ビジネスに対し、貿易及び投資を行う際に同様のデュー・ディリジェンスを実施するよう強く求める(注5)」と発表しています。それにもかかわらず、私たち市民からは日本政府が開発援助をどうするのか、その「コミットメント」の具体的な内容が全く見えません。

国軍関係者や企業に対する制裁を打ち出す米国、英国、EU に比べ、日本政府は国軍に対し、対話を重視する姿勢をみせ、それを公的にも発言してきました(注6)。日本はミャンマーにとって最大の援助国であり、現時点で、政府開発援助(ODA)の有償資金協力(円借款)では、累計で9,685億円の借款契約を結んでいます(注7)。国軍が実効支配を強める中で、円借款による大規模インフラ建設事業を進めても、ミャンマーの市民のニーズに応えるものにはなりませんが、一方で、一部の事業は省庁の所有する土地で実施されるなどしており、このまま事業を進めればほぼ確実に国軍に利益をもたらします。国軍を利する事業に円借款が供与され、理不尽にも、その債務負担を今後数十年にわたりミャンマーの市民が負う事態は回避すべきです。

ミャンマーへの大量の開発資金の流入は、2011年からの民政化に伴い、日本の財務省の強いリーダーシップにより、過去の国際金融機関の債務を日本が一時的に肩代わりし、また3千億円近い債務を放棄したことで実現したものです(注8)。日本は、それ以前にも約700億円の債務救済を行っており、これらは全て、日本の納税者が負担しています。日本政府は納税者への説明責任を果たすとともに、現在の債務がミャンマーの人びとにとって不当なものとならない方策を考える必要があります。

まず、ODA を所管する外務省と、実施機関である国際協力機構(JICA)は、借款契約を締結済みであるものの入札に至っていない案件については、直ちに一切の手続きを停止すべきです。また、入札が終わり実施中の案件も貸付を停止し、そうした措置によって不利益を被る当該事業に関連する企業への補償等、必要な経費がどれほどになるのか精査、公表し、どのような処理が可能かを公に議論すべきです。

財務省所管の国際協力銀行(JBIC)や、国土交通省所管の海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)がミャンマーで現在融資・出資・保証をしている事業への支援は全て停止すべきです。特に、ミャンマー国防省、あるいは国軍自体が所有している土地で建設中の複合施設Yコ ンプレックスについては、賃料の発生により、直ちに国軍を利することになるため、公的資金を引き揚げるべきです。日本政府がミャンマー国軍を公的資金でサポートすることは許されることではありません。

また、経済産業省は、イェタグン・ガス田開発事業の権益を有しています。現在、技術的な問題で停止しているこのガス田の操業が再開されれば、国軍の統治下に置かれているミャンマ ー石油ガス公社の利益となってしまいます。また、天然ガスに関する多額の税も問題です。イ ェタグンの天然ガスは100%輸出されており、ミャンマー国内のエネルギー源ではありません。民主的な状況が回復するまで、イェタグン・ガス事業に伴い発生する支払金を国外にプールするなどの方策の確立に、日本政府も国際協調をとりつつ真摯に取り組むべきです。

このように、民政化のプロセスにあった時期に決定した支援や公的資金による投資は一旦全て見直し、ミャンマー市民がいま切望している緊急の人道支援に、ミャンマー国軍を通さない形で資金と人材を集中してください。

また、G7会合の首脳コミュニケで確認された「ビジネスに対し、貿易及び投資を行う際に同様のデュー・ディリジェンスを実施するよう強く求める」という点も重要です。ミャンマーはティラワ経済特別区を筆頭に、日本が官民を挙げて行ってきた事業が多く、日本政府には、企業進出を促した責任があります。国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」を踏まえ、ミ ャンマーに進出している企業に人権デュー・ディリジェンスを行うことを求め、その後の対策に協力すべきです。

日本政府は、ミャンマー市民の「私たちを殺す武器を買うお金を国軍に渡さないで」という声に、真摯に耳を傾けてください。また、ミャンマー市民が直面するパンデミックに対する緊急の国際支援を国軍が妨害することのないよう、国軍に強く圧力をかけることも含め、考えられる方策を尽くすべきです。

呼びかけ団体:
アーユス仏教国際協力ネットワーク
国際環境 NGO FoE Japan
日本国際ボランティアセンター(JVC)
武器取引反対ネットワーク(NAJAT)
メコン・ウォッチ

賛同団体

(注1)政治囚支援協会(2021/7/27) https://aappb.org

(注2)OCHA. Myanmar Emergency Update (as of 01 July 2021) https://reliefweb.int/report/myanmar/myanmar-emergency-update-01-july-2021

(注3)Myanmar Now(2021/7/20). Junta lures, arrests community doctors by posing as Covid-19 patients https://www.myanmar-now.org/en/news/junta-lures-arrests-community-doctors-by-posing-as-covid-19-patients

(注4)ミャンマーにおける新型コロナ感染拡大に対する酸素濃縮器の供与 https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press3_000530.html

(注5)G7カービスベイ首脳コミュニケ(和訳) https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100200083.pdf

(注6)外務大臣記者会見記録(2021/5/21)より https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/kaiken3_000069.html#topic3

(注7)JICA 円借款案件データベースより 2012 年以降で検索 https://www2.jica.go.jp/ja/yen_loan/index.php

(注8) http://www.mekongwatch.org/PDF/rq_20210304.pdf

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