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日本

2020スタッフインタビュー第3回: 広報事業担当 仁茂田芳枝 

※本記事は2020年度に書かれたインタビューです。

みなさんこんにちは!国際協力NGO「日本国際ボランティアセンター(JVC)」2020年度広報インターンの金岡です。

過去のスタッフインタビューは東京事務所スタッフ日記の過去記事からご覧いただけますので、こちらもぜひご覧ください!

2020年度インターンによるインタビュー記事の第3回目は、広報事業を担当している仁茂田芳枝さんです!
仁茂田さんは、自他ともに認める「まじめでずぼら」な性格...!?本当にそうなのか、インタビューでお伺いしました!
ぜひ、最後までご覧ください!

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(インタビュー始まりました!最初からリラックスした雰囲気でした!

はじめに…趣味についてお聞かせください!

今楽しんでやっているのは英語の勉強です。オンライン英会話と並行して、対面の学校で週に2回総合的な英語学習に通っています。

また、ロックなどのバンドが好きで、毎年行われる野外音楽フェスに行くのが楽しみでしたが、今年は新型コロナウイルの流行によって多くのライブや音楽イベントが中止になってしまいました。なので、オンラインで開催されたフェス映像の総集編やライブ配信を観て楽しんでいます。

あとは、積極的に図書館に行くようにして本を読もうと思っています。買ったり借りに行く時間がなかなか取れないので、電子書籍にするか迷い中です...。

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(フェスに行った時の写真。また気軽にフェスに行ける日を願っています...。)

国際協力に興味をもったきっかけは何ですか?

この本、もしくはこの体験が国際協力を目指す原体験!といった特定の物はないのですが、お思い返してみれば子どものころに、アンネフランクの本や、シンドラーのリストなどの映画を見たり読んだりしたのも、今思えば影響があるのかもしれません。

また、学生の時にカンボジアへツアーで旅行に行った際、ほぼ路上、といった環境で暮らす人々を見たとき、自分たちとは違う環境で過ごしていることや経済格差を肌で感じたり、ということもありました。

いろいろな出来事が影響していると思うのですが、特に国際協力に関心をもつきっかけとなったのは、いわゆる「9.11」。アメリカ同時多発テロ攻撃からの一連の出来事でした。当時私は高校生で、アメリカにある立派な建物が崩れている衝撃的な映像をリアルタイムでテレビで観ていました。

ただ、その出来事自体というよりも、その後に起きたアメリカのアフガニスタン、イラクへの武力行使の様子を放送しているニュースを見た際に、何かもやもやした気持ちや疑問を持ったことのほうが私の考え方に大きな変化をもたらしたのだと思います。

それまで、国際関係のパワーバランスのような政治的なことを考えたことはなかったですが、これらのニュースをみて、正義と悪、文化・宗教などの線引で「こちら側」と「あちら側」をはっきりと分け、一方的に決めつける、そういった壁やダブルスタンダードがあることに関して疑問を持ちました。

また、イラク戦争では日本政府は積極的に戦争行為を肯定、支援して自衛隊も派遣に無縁な平和な国」というイメージをシンプルに信じていたところから「自分たちも戦争加害者側なのでは」ということにショックを覚えたりもしました。

JVCに入るまでの経緯を教えてください!

私は国際協力の仕事に関わるようになる前は、新卒入社から約10年ほど、テレビCMやミュージックビデオなどの映像制作関係の企業で働いていました。

なので、NGOや国際協力と縁がない分野からどうして今に至るのか、とよく聞かれたりもしていたのですが、役に立ちたい、貢献する側に回りたいという願望があり、映像の場合はそれが精神的に誰かを応援する糧になれば、という思いがあって、国際協力ともう少し直接的な形で誰かの人生だったりを支えたい、というように発露が違うだけでモチベーションは変わらないと思っています。

前職の時、結婚を機に将来を見据えたライフワークバランスを考え、現場の仕事を離れることを決めました。最初は映像系の事務職で働いていましたが、定時には帰れるものの、やりがいを感じられずに辞めました。

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(制作会社時代の写真。一度は撮影風景を見てみたいです!)

それから、自分が本当に時間を捧げて働く意味があるような職業を考えました。映像制作の仕事は、学生の時にバイト先として働いていた流れもあって就職も制作会社にしましたが、国際協力の仕事をするかどうかも就職の際に迷っていたなと思いだしたんです。

ただ、国際協力の仕事は新卒採用がほどんどないし、国際機関などは博士号取得やトリリンガルなどのスキルが条件になっているので、当時はハードルが高いと思っていて選択しなかったし、大学時代にインターンだったりボランティア活動などもせずにいました。

映像関係で働いていた時は忙しくて考える暇がありませんでしたが、そうやって思い返してみたことで、国際協力の分野で働くことを本格的に模索し始めました。

私は前述のような専門性や語学力、もしくは海外現場経験といったスキルも、国際協力に関する専門知識もなかったので、最初はインターネットで調べて見つけた団体の説明会やイベント・ボランティアでのお手伝いに参加したりして徐々に知っていき、その後アルバイト・インターンなどで実際にいくつかのNGOでの勤務を経験して情報を集めました。

JVCは実は「国際協力 ボランティア」等の検索で最初に検索に出てきて、一番最初に接触を持ったNGOでもありました。

JVCのオリエンテーションに参加したのが2015年の時で、JVCのボランティアチームに参加し、月に何回か事務所に行くようになりました。その間、いくつかのNGOの団体でアルバイトなどをしながら将来を考えていき、JVCが合っているなと考え、2017年の会員支援者担当インターンに採用していただきました。

しばらく働いていたら、その年の12月の時、当時のカレンダー担当の方が現地駐在の方に移動になり、1月からそのポストに移ることになってスタッフとして働くことになりました。

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(仁茂田さんインターン時代。)

仁茂田さんの性格は…!?

「真面目でずぼら」とか、考えが優等生的だと人に言われますし、自分でもそう思います。「こういう時はこうしなきゃいけない」といった考え方をするところが、そう思われる理由なのかもしれません。

また、よくいえばおおらかなのですが、時間的にルーズなところもあります。どちらにせよ、几帳面な方ではないです。

他人に対する許容量はとても広くて、多少の遅刻とかは気にならない方だと思います。

人生で大切にしていることは何ですか?

大切にできているかはわかりませんが、内面が豊かな人生を送りたいという願望があります。今までを振り返ると、丁寧な暮らしから遠ざかっていたような人生だったので、死ぬときに「楽しかったな」と思える人生を送りたいです。
また、生きた証のような「何かを残したい願望」があるかもしれません。

最初の就職先である、映像制作関係の仕事に携わりたいと思ったのは、自分が人生が変わるくらいミュージックビデオとかの音楽に影響を受けたので、影響を与える作り出す側にまわって、誰かの人生の助けになればと思ったことがきっかけでした。

NGOに入ることを志したのも、世界のなかでは理不尽な状況で権利をないがしろにされた人がいると感じ、自分自身が少しでもその人たちの助けになればいいかなと思い、そして貢献したいという気持ちがあったからです。そしてそこから、ある種の手ごたえのようなものを感じたいからです。

自分の発言や行動が本当に人の役に立っているのだろうかと、今も模索中しながら業務を行っています。

JVCのお仕事の中で一番印象に残ったことは何ですか?

メディア掲載や制作物配布などではなかなか直接の反応をみることは難しいのですが、クラウドファンディングのようなキャンペーンやイベントの時に、参加者の方にその場やSNSでダイレクトな反応をいただいた時が率直に嬉しいです。

メディアや郵送、ウェブサイトでの発信はあまり直接のリアクションや思いを知ることが少ないのですが、なにかの機会に発信した受けての方たちのお気持ちに触れることができると、発信したことの意味を感じられて喜びがあります。

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(東京事務所のスタッフになってからの写真。いつも私たちに丁寧に接して下さります。)

広報事業のこれからの課題や、やっていきたいことは何ですか?

団体として赤字が続いていることが課題なので、それを改善したいと思っています。世界各地で活動ができているのは、皆さまのご支援があってからこそなので、現地での活動を伝えていかないとJVCに共感し、応援して下さる人は生まれないと思いますし、しっかり発信していきたいです。

最近は、データなどを用いたマーケティングや広報戦略がありますが、JVCはそういった分析やデータを踏まえた発信の戦略がいまいち足りてないのかなと思います。

JVCを就職先に選んだ理由は、JVCのスタッフが持つ、「現地の人の目線を大切にしたい、本当に現地のためになる活動をしたい」という真摯な姿勢や、現地を思う志の熱さに感銘を受けたからです。

なので、そういった現地のことだけでなくスタッフの思いなども含めてより良い発信のやり方を現在模索中です。

これはJVCの広報として、というより個人的な願いのような話になるのでですが、世界中の人々全員が国際協力に携わるべきとは思っていませんが、フランスの言葉で「ノブレス・オブリージュ」という言葉があります。

財産や、権力、社会的地位を持つ人々は社会的責任を負う、という考え方を表すフランスの言葉で、この考え方のように、ある意味あたり前の責任というくらいに感覚で人々が社会全体のためを考えた行動をするような考え方が世の中に広まるといいなと思っています。

実際の支援に直接携わることや寄付などはやっぱり自分の生活もあって難しい、といった方ももちろんたくさんいらっしゃると思うんですけど、無理をせず、自分たちができる範囲で出来ることを探してみると結構あると思うんです。

例えば、ゴミを少なくするような環境に優しい生活をしてみようとか、フェアとレードのものを買ってみる、まちなかに困っている人がいたら声をかけてみる、でもなんでも、自分のまわり以外の範囲の人たちのためにも何かアクションをとろうと思うことが「当たり前」な世界になることを望んでいます。

JVCでは「自分事」として遠くの問題をとらえてほしいというメッセージを発信しています。今世界で困っている人々は、自分たちが望んで今の状況になっているのではなく、自己責任や自助努力ではどうにも抜け出せない厳しい状況下に否応なしに追いやられているケースが多いと思います。

国際協力ではなくても、環境問題、子育て、介護問題など自分が関心をもったことで誰かのために一歩踏み出せる様な思いやりがある社会に向けて、そういう価値観が広まるように広報事業を担当をしていきたいと思います。

おわりに…

私は、仁茂田さんの「発露が違うだけでモチベーションは同じ」という言葉が特に印象的でした!国際協力には直接関わりのない職業に就いていても、モチベーションがあれば自分のできる範囲で国際協力に携わっていける。入りすぎた肩の力が少し抜けたような気がします。

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