REPORT

アフガニスタン

インクレディブル・インディア 2 ~ただただ食事がしたいだけなのに~

デリーでの出張会議中のアフガン事業チームのエピソード、会議室には相当笑わせられました。次は食事編です。

ホテルについた初日、夕食がまだでお腹が空いていたので、小野山と私はホテル内の食堂に行きました。すると、他のお客さんがいないためか暗いままで、非常に寂しい雰囲気です・・・。私達が来たことで点けてくれた電気もはかなげで、営業しているのか不安になるような照明状況。

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(く、暗い・・・・)

メニューから適当なものを注文し、しばし待ちます。

しかし。待てど暮らせど、料理がやってきません。他にお客さんいないのに・・・一緒にいた小野山が、様子を見てくると厨房の方へ行きました。

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(待っても待っても料理が来ない。でも人はやたら多い厨房)

「今、作ってるって」と戻ってきた小野山。そりゃそうだろう、と思いながら更に待ちます。そして、やっと注文が来た・・・と思ったら、なぜか一人分!二人いるじゃないですか!というか、二人しかいないじゃないですか!どうやったら注文を間違えられるのでしょう。「・・・二人分頼んだんですが」と告げると、"No problem!"言ってまた厨房に戻り、更に待って・・・そんな初日でした。

さてその次の日のお昼、ホテルの周りにあるお店にも、食べ物を探しに行きました。すでにアフガン人同僚もデリーに到着しています。彼らはイスラム教徒なので、ハラールフード(イスラム法において許された食事)のお店を探します。いつも出張で彼らに会うときに感心するのですが、異国でのアフガン人のサバイバル能力(?)が発揮され、すぐにハラールのお店が見つかりました。さすが、情報収集が速い。インドの人々ともウルドゥー語である程度会話しているようです。

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(壁一面に美味しそうなメニュー。でも準備できるのは2品だけ。(←異国の旅あるある。)長谷部も合流)

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(料理は大きな鍋にすでに用意されているのでこちらは注文して10秒で出してくれました。)

ここでは美味しくお昼ご飯をいただいたのですが、このあと、びっくりすることが起こりました。会議を終えて、皆でどこで夕食を取ろうかと話すと、やはりハラールフードが安心、ということで、またお昼と同じお店に行くことに。すると、お店に到着してみて目を疑いました!

どうやらこの日の午後、道路工事が始まったようです。たった数時間の間にひどく様変わりしたこの通り。ここ、さっきと同じ場所?!一体何が起こったのか驚きましたが、この瓦礫の中、お店も通常営業、通行人も普通に行き来しています。たくましき人々。私もサンダルでヒヤヒヤしながら瓦礫の山をなんとか乗り越え、入店。

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(店の真ん前が、この光景。)

そんなこんなで滞在を終えた刺激的な今回のデリー出張でした。人生、次に何が起こるかは予測不可能、しなやかに対応できるようになりたいものです。

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(数日後にはある程度きれいになりました。)

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(おまけ。道路で見かけたバス、このネーミング・・・絶対乗りたくないような・・・)

執筆者

加藤 真希(アフガニスタン事業担当)

高校生の時にラテンアメリカの情熱的な雰囲気に漠然とした憧れを抱き、同時にその地域の格差や貧困の状況に関心を持つ。大学の交換留学をきっかけにメキシコに何度か長期滞在し、先住民族地域でフィールドワークを行う地域開発学や、都市部のスラム地域での支援活動を経験する。その中で直面する圧倒的な格差の存在や、子どもたちが成長するにつれ夢を持つことが制限されていく社会構造をどうしたら改善できるのか悩む。大学在学中にJVCの調査研究・政策提言インターンを経験して以来、"国際協力"と"NGO"の世界に足を踏み入れる。メキシコから帰国した2012年度から現職となり、東京をベースにアフガニスタンにいる仲間たちと日々連絡を取り合いながらイスラムの世界やアフガニスタン情勢を勉強中。

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