REPORT

東日本大震災

連凧に想いを込めて

新年1月と言えば、凧揚げですね。気仙沼には、小正月の時期に魚問屋などの屋号を染め抜いた凧(天旗)を揚げる習慣があり、天旗祭りという凧揚げのお祭りもあります。気仙沼の人たちにとって、凧揚げはとても馴染み深いものなのです。

そこで、JVCや地元の支援団体は、毎月1回開催している「趣味のじかん」の中で、3回(11月、12月、1月)にわたり、「連凧」の企画を実施しました。

真剣な表情で凧作りを行う住民の皆さん

11月、12月の「趣味のじかん」では、気仙沼在住の講師の方から指導を受けながら、子どもからお年寄りまで幅広い世代の住民が凧作りを行いました。住民の方々は、はじめは談笑しながら、凧に文字やキャラクターのイラストを描いたり、竹で骨組みを作ったりしていましたが、徐々に真剣な表情に変わり、作業の終盤には黙々と手を動かしていました。また、11月の「趣味のじかん」には、気仙沼に滞在していたJVCアフリカ事業インターン、ホームページインターンの2名が参加し、住民の方に交じって凧の作製に励みました。

想いがつまった凧

そして、年が明けた2014年1月、「連凧揚げ」を行いました。「時間がある時に集まって(凧を)作ったんだよ」と話す住民の方。「趣味のじかん」で凧作りを行った後も、住民だけで仮設住宅の集会所に集まり、凧を作っていたようです。

当日は、清々しい青空が広がり、「連凧揚げ」には絶好の日和でした。「連凧揚げ」には、凧作りに参加しなかった住民の方も大勢集まり、連凧が青空に舞い上がるのを固唾を飲んで見守っていました。

みんなで協力して連凧を揚げます

まず、住民の皆さんが作った凧(約70枚)をつなげて連凧を作り、講師の方の指導のもと、住民の方が協力して連凧を揚げました。連凧が青空に舞い上がると、「揚がった、揚がった、とても素敵だわ」、「あれは私が作った凧よ」と一斉に歓声が上がりました。終了後、住民の方から「これからも凧を少しずつ作って、鹿折中学校仮設住宅として5月の天旗祭りに参加したい」という声も上がりました。

青空に舞い上がった連凧

震災が発生してから2年10ヶ月が経過した現在、住宅再建を果たし、仮設住宅を退去する住民も出始めています。JVCは、不安を抱えながらも一歩一歩生活再建に向けて前進する住民を支えるため、今後も仮設住宅における支援活動を継続していきます。

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