
復興支援 現場の声を市長に ―仮設住宅生活者支援の現場から見えてきた復興への課題―
気仙沼には東日本大震災の発災直後から30余りの諸団体が現地入りし、地元団体・行政等も交えた「気仙沼NPO/NGO連絡会」という組織を編成して各団体が支援活動を行っています。「連絡会」には分科会があり、その中の「仮設住宅分科会」には約20団体が所属しています。この分科会はほぼ毎月開かれ、各団体が行っているそれぞれの活動の内容や活動地域の現状などの報告により、仮設住宅生活者への支援における課題や問題点を共有しています。
9・10月の分科会ではこれまでの1年半の活動を共に総括し、抽出された課題や問題点の整理を行いました。それを「気仙沼市における応急仮設住宅の現状」という文書にまとめ、10月17日に開かれた「市長・副市長と仮設分科会参加団体との懇談会」に臨み、地域福祉も含む今後の被災者支援のあり方についての意見交換を行いました。

市長・副市長と仮設分科会参加団体との懇談会」の様子(左から峯浦副市長・菅原市長・JVC山崎)
懇談会では、文書をもとに、応急仮設住宅・見なし仮設(民間賃貸アパート等)・被災在宅生活者の暮らし、に関する現状と課題を、課題解消へ向けた提案を含めて冒頭に伝えました。その後、
①今後の被災者支援(見守り活動)の体制
②市・県外から訪れている支援団体・組織(NPO・NGO等)の撤退後
③仮設住宅から防災集団移転地や災害公営住宅へ移転した後の地域福祉
等について意見交換を行いました。
菅原市長の在席が45分という限られた時間でしたが、峯浦副市長とは継続して計2時間にわたる懇談を行うことが出来ました。分科会と市長・副市長で共有された課題については、まずは市役所庁内で検討が行われますが、分科会としても進捗の具合を継続的に確認していくことになります。
懇談会の様子は地元紙の1面トップに取り上げられ、地元住民を担い手として育成していくことの重要性が強調されています。JVCとしても、地域の担い手を少しずつ発掘し、スムーズな引き継ぎが行われることを視野に入れつつ、今後も仮設住宅における支援活動を継続して行きます。

三陸新報社 (2012年10月21日)
(市長・副市長との懇談会の詳細については、11月6日の第7回 「シリーズ気仙沼はいま」で報告します。)