
【声明】スーダン大規模戦闘から3年 奪われた日常と未来を取り戻すために

2023年4月15日の戦闘開始から3年が経とうとしています。これまでに多くの人命・暮らしが奪われ、多くの人々が暴力や飢餓などの危機の被害にあい、「世界最悪の人道危機」ともいわれるスーダンの人々。
その状況の厳しさに比して報道量も少なく、国際社会から見過ごされているスーダンの現状を広く伝えるとともに、停戦に向けたアクションを求めて以下の声明を発出、4月11日には記者会見・イベントを実施します。
どうかスーダンの現状を知り、人々の命・暮らしを守るための発信・アクションにご協力ください。
2025年4月11日
スーダンにおける国軍と即応支援部隊(RSF)による大規模武力衝突の発生から4月15日で丸3年を迎えるにあたり、私たち日本国際ボランティアセンター(JVC)は、すべての紛争当事者に対し、即時かつ持続的な停戦を強く求めます。2025年末時点で国連等の報告によると、戦闘勃発以来、約1,400万人が国内外に避難を余儀なくされ、現在でも1,100万人が帰還することができない状況にあります。数万人から最大で40万人規模とも指摘される犠牲者が出ているほか、ダルフール地方やコルドファン地方では飢饉の発生も確認されています。このような世界最悪とも言われる人道危機に直面しているスーダンを、国際社会は見過ごしてはなりません。
3年という時間は決して短くありません。3年前の今日、あなたは何をしていたでしょうか。例えば、紛争開始時に小学校に入学したばかりだった子どもたちの中には、学ぶ機会を奪われたまま、学年だけが高学年になった子どもがいます。こうした子どもたちが再び教育の場に戻るのが容易ではないことは、私たちのこれまでの活動経験からも明らかです。この3年間は、現在だけでなく、子どもたちの未来に深刻な影響を与えます。
またこの3年は、人びとの生計にも大きな打撃を与えました。とりわけ農業は、治安の悪化や燃料価格の高騰などの影響を受け、耕作の継続そのものが困難になっています。農地を離れざるを得ない状況は、個々の生計手段を奪うだけでなく、食料生産という国や地域の基盤そのものを揺るがしています。
教育においても、農業においても、私たちに何かできることがあるのではないかと考え、皆さまのご支援を受けながら、子どもたちが安心して学ぶ機会を提供し、種子の緊急配布及び技術研修を通した食料保障の取組みをしてきました。しかし現地のニーズは私たちJVCや他の人道支援団体のリソースを遥かに上回っています。
そして忘れてならないのは、報告やニュースの数字には表れない一人ひとりの想いです。1,400万人以上の人々が故郷を追われ、家族や愛する者を失い、別れを告げぬまま離れ離れになりました。住み慣れた場所を追われること、大切な人と引き裂かれる絶望と不安、どうにかして家族を支えないといけない重圧、そしてそれを吐露できない苦しみ。こうした重みを、私たちは想像し続ける必要があります。
このような苦しみを長引かせている背景には、国外からの関与があります。とりわけアラブ首長国連邦(UAE)を含む関係国によるRSFへの軍事的支援の影響は、紛争の継続と複雑化に深く関わっています。
ロシアによるウクライナ侵攻、米・イスラエルのイランへの先制攻撃から始まった中東での軍事的緊張では、ドローン攻撃の映像がメディアに大きく取り上げられましたが、スーダンでも記事にはほとんどならないものの毎日のようにドローン攻撃が繰り広げられています。攻撃に使われているドローン兵器はスーダン国内で製造されたものではありません。
私たちは、すべての関係国に対し、スーダンの人々を無視し、自国の利害を追い求める身勝手な軍事的関与や、対立を助長する行為を停止し、停戦と和平に向けた責任ある行動をとるよう強く求めます。紛争当事者である国軍・RSF双方にも、一般市民を標的とした攻撃、捕虜に対する処刑、不明瞭な理由での身体的拘束など国際法および人権法に反する行為は直ちに停止するよう求めます。
同時に、国際社会および日本政府に対しては、人道支援の拡充に加え、スーダンの市民社会や地域コミュニティの声に根ざした和平プロセスを後押しすることを求めます。真摯さが足りない上辺だけの関与は、かえって人々の間に分断を招き、修復不可能なまでに深くなるでしょう。現地の人びと自身が主体となる平和の実現こそが、持続可能な解決につながります。
首都ハルツームでは国軍が支配を取り戻して1年以上が経過しました。ほとんどの省庁がポートスーダンからハルツームに戻り、破壊された基本的インフラが徐々に復活し、戦闘の被害を受けたハルツーム空港が再開し、避難していた人々が周辺都市や近隣国から帰還を始めています。そうした背景の中、私たちJVCはハルツームで復興に向けた活動を開始しています。子どもたちが失われた教育へのアクセスを取り戻せるよう、PTAの意思決定を尊重した校舎や設備の修復、基礎学力の定着支援、精神的に傷を負った子どもたちへクラブ活動を通した心理社会的支援、地域を巻き込んだ再就学の後押しなど、今まさに求められる支援を45校に展開していきます。スーダンの現実を日本社会へと共有しつつ、子どもたちの今と未来を守る活動を。引き続き、皆さまの温かいご支援と応援、そしてご注目をよろしくお願いいたします。
特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター(JVC)
【参考記事】
●https://reliefweb.int/report/sudan/unhcr-sudan-situation-appeal-2026?utm_source=chatgpt.com
●https://data.unhcr.org/en/situations/sudansituation
●https://www.theguardian.com/world/2026/mar/26/sudan-drone-strikes-civilian-targets-north-darfur-market-north-kordofan-truck?utm_source=chatgpt.com
●JVCのスーダンの活動の詳細はこちら
特定非営利活動法人日本国際ボランティアセンター(JVC)
電話:03-3834-2388
E-mail :m-goto@ngo-jvc.net (担当:後藤)