[特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター]
 
[JVC団体案内へ]
[9ヵ国での活動へ]
[カンボジアでの活動へ] [ラオスでの活動へ]
[タイでの活動へ] [南アフリカでの活動へ]
[アフガニスタンでの活動へ] [イラクでの活動へ]
[パレスチナでの活動へ] [北朝鮮での活動へ]
[スーダンでの活動へ]
[調査研究・提言へ]
[JVCに募金へ]
[JVCに入会へ]
[ボランティアへ]
[出張講演・資料貸出へ]
[書籍・開発教育へ]
[メディア掲載へ]
[JVCマンスリー募金へ]
[東京事務所スタッフ日記へ]
twitterやってます。
[JVCブックレット刊行へ]
[JVC国際協力ポストカード発売中]
[JVC国際協力コンサート]
[JVCメルマが登録へ]
[JVC会員専用ページへ]
[ビデオ「カンボジア農村開発」へ]
[JVCキッズページへ]
[JVC WEB担当者ブログへ]
[JANICアカウンタビリティセルフチェック2008を実施しています]
[調査研究・政策提言]
ODA大綱見直しに関するNGOからの共同意見書 
2003年7月14日 更新

調査研究担当 高橋 清貴

5月16日、川口外務大臣に提出した意見書を掲載します

外務大臣 川口順子殿

ODA大綱見直しに関するNGOからの共同意見書

2003年5月16日

貧困根絶や地球環境の回復、ジェンダーの平等、人権などグローバルな課題の解決にむけて国際社会が協力するという合意が成立してから、すでに10年がたっている。90年代に入って開かれた一連の国連主催の国際会議では、環境保護の重要性、貧困が人権侵害であること、女性の人権の実現、人間中心の開発などをうたった行動計画が各国政府首脳によって決議された。また2000年の国連ミレニアム・サミットでは改めて「ミレニアム開発目標」が採択され、貧困削減、保健、教育の改善、環境保護について達成目標がかかげられた。2002年にメキシコ・モントレーで開かれた国連開発資金会議では、これら国際合意となっている行動計画、とりわけ貧困層の半減を実施するためのODAを含む資金手当を優先することが決められた。

わたしたち途上国の貧困問題の解決に関心を寄せてきたNGOは、これまでにも日本のODAについて何度か提言してきた。私たちは、世界第二の「援助大国」である日本のODAは、上に掲げたグローバルな課題の解決のために使われるべきだと考えている。今回の「ODA大綱見直し」も、こうした理念にもとづくODAへと変わっていくためのプロセスと考え、以下の点を提言する。

  1. 法的拘束力のないODA大綱がどのように運用されてきたか(あるいは運用されてこなかったか)についての評価を、第三者を含めて行う必要がある。適切な評価なしの見直しを行っても、その効果は望めない。

  2. 対外経済協力関係閣僚会議による「政府開発援助大綱ODA見直しについて」では、その理由に、ODAの受け手である被援助国の住民などからの要望が全く取り扱われていない。ODAが大綱にあるように「他の諸国、特に開発途上国との友好関係」を増進するために行なわれるのだとすれば、これまでのODAの評価ならびに被援助国の住民が日本のODAに対して何を求めているかについて調査を行ない、その声を反映した見直しが必要である。

  3. 「国民参加」をうたっているにもかかわらず、今回のODA大綱見直しのプロセスは不透明であり、もっと時間をかけて広く意見を集め、意思決定プロセスを明らかにするべきである。出された意見に対して、パブリックコメントを求め、各地で公聴会を開き、それぞれにどのような対応をしたかに関して公開すべきである。国会での議論も行うべきである。

  4. 重点分野については、先にあげた国際合意に基づくグローバルな課題を最優先すべきである。経済インフラ整備はODAを実施する上での一手段にすぎないことから、重点分野から外すべきである。

  5. ODA大綱の基本理念に、「我が国の安全と繁栄」を盛り込むべきではない。なぜなら、国際合意に基づくグローバルな課題の解決(地球益の追求)及び1996年に採択されたOECD開発援助委員会(DAC)が1996年に採択した「新開発戦略」で示された経済福祉、社会開発、持続可能な環境と再生という目標のためにODAを使うことと、「我が国の安全と繁栄」で含意されている国益重視とは明らかに矛盾するからである。仮にODAにおける日本への利益があるにしても、それはグローバルな利益に資する協力をすることで得られる間接的で開かれたものである。憲法前文にある「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利」を実現するためには、上にあげたグロ−バルな課題の解決のためにODAを使うべきであり、狭い意味での国益を実現する手段としてはならない。

  6. 現行の4原則は基本的に変更すべきではない。とりわけ第二原則の「軍事的用途及び国際紛争助長への使用を回避する」は、平和憲法をもつ日本が守るべき大原則であり変えるべきではない。この点については、1978年の衆議院外務委員会および81年の参議院外務委員会における決議もあることを強調しておきたい。

    また、現行のODA大綱4原則では、ODAの実施にあたっては4原則などをふまえた上で「総合的に判断」することになっているため、何が基準になってODAが実施あるいは停止されているかが不明確となっている。また。「総合的判断」といっても、誰がどこで判断しているか不透明である。したがって現行のODA大綱においても、「判断」の根拠が、どのような形ででてきたのかを明らかにするべきである。外務省が発行する『ODA白書』には、たしかに「ODA大綱原則の運用状況」が載っているが、これはたんなる状況説明にすぎない。先に述べたように、評価体制を整備し、大綱の運用状況に関する適切な評価を実施することを大綱に明記すべきである。またODA基本法がない現状においては、現行のODA大綱の4原則に基づくODA停止・再開については、国会で審議すべきである。

  7. ODA大綱見直しの基本方針の一つとなっている要請主義の見直しについては、被援助国との「政策協議」を行う際には、環境、軍事支出、民主化の進展などODA大綱の原則にてらした協議を実施することが必要である。協議は、日本側の条件等を優先する趣旨ではなく、現地におけるニーズの観点からの建設的提言をする協議であることを明記するべきである。また被援助国においても政府のみならず地方自治体や住民などのニーズを反映した協議を行うべきである。

  8. ODAによる「平和構築」については、ODAの理念として非軍事的・国際的人道目的を明確にし、またODAが紛争を助長しないように原則を強化すべきである。

  9. 以上、ODA大綱改訂にあたっての提言を列挙してきたが、私たちの税金、郵便貯金、年金などを使って行なわれるODAのプロセスを法的に保障するためにはODA基本法こそ必要である、と私たちは考える。ODA大綱はODA基本法ができるまでの過渡的措置とし、グローバルな課題の解決などの理念を明確にしたODA基本法の制定を急ぐべきである。

●呼びかけ団体●
JVC−九州ネットワーク/「ODA大綱見直しに関する意見交換会」札幌準備会/ODA改革ネットワーク九州/ODA改革ネットワーク関西/ODA改革ネットワーク東京/WOW!JAPAN(WTOを監視せよ!ジャパン)/アジア開発銀行福岡NGOフォーラム/鎹ネット/関西NGO協議会/京都NGO協議会/国際協力NGOセンター(JANIC)提言活動委員会/債務と貧困を考えるジュビリー九州




 
 


 問合せ・資料請求  リンク集  個人情報保護方針  リンク時のお願い

 
すべてのコンテンツ(一部を除く)の著作権はJVCおよびその関係者に帰属します。 サイトマップ