2016年に発行した号の一覧

- イラク戦争は共存の社会を壊し憎悪を生み続けている
- 結局存在しなかった「大量破壊兵器」の捜索を理由に2003年に始まったイラク戦争は、各地の街の徹底破壊と虐殺を招いた。かつてイスラム教スンニ派とシーア派が共存していた社会では、米英軍がスンニ派を「サダム・フセイン支持層」として攻撃対象にしたり、シーア派が新政権を担うことで反米・反シーア派を掲げるISが誕生したりと、二つの宗派は対立の構図に置かれている。加えて、肉親を殺された子どもは心に深い傷を負っている。それはアメリカとともに戦争のできる国になった日本が今後つくり出す姿かもしれない。
【発行年月日: 2016年10月20日】

2015年度ダイジェスト
- 【7月】代表の谷山が呼びかけ人となり「NGO非戦ネット」を立ち上げ。事務局を担う
- 【8月】代表の谷山編著で『「積極的平和主義」は、紛争地になにをもたらすか?!』を刊行
- 【9月】JVC35周年記念シンポジウム「世界から中心をなくそう。」開催
- 【9月】各国から代表者が集まり、中期目標などを議論するJVC代表者会議を実施
- 【11月】設立以来一貫して市民の立場から各地で活動する姿勢が評価され、第5回日本平和学会平和賞を受賞
- 【12月】チャリティCD『TiQNoKo』のプロモーションビデオをカンボジアの事業地で撮影。村人約150名が参加
【発行年月日: 2016年7月31日】

- 「紛争経済」が支える避難民の生活を変えるために目指すこと
- 2011年に勃発したスーダン・南コルドファン州での紛争は数十万人の国内避難民を生み出した。だが皮肉なことに、避難民の生活を支えるのは、NPOや国連の支援よりも、ひとたびは生活を壊した軍が落とすカネである。避難民男性は兵役に就き、避難民女性も、兵士でにぎわう食堂や兵士宅での下働きで収入を得る。だが「紛争経済」は女性へのハラスメントや子どもの無教育といった負の影響を生み出している。紛争下での平和貢献は急務だ。
【発行年月日: 2016年7月20日】

- 特集 HIV/エイズのスティグマからの解放
- 人口の1割強の約610万人ものHIV陽性者を抱える南アフリカ。JVCは貧困州の一つリンポポ州でHIV/エイズに関する活動を展開してきた。果たして今、HIV陽性者が、スティグマ(社会的な烙印)から解放され、人生に前向きに歩き出し、地域の子どもを守るための地域の大人が立ち上がっている。国際的には、昨年の国連総会で採択された、貧困終焉を目指す「持続可能な開発目標(SDGs)」が南アのHIV対策にどう影響するかも注目されている。これまでの活動と展望を整理したい。
【発行年月日: 2016年4月20日】
- 特集 TPPは日本と海外の市民をどこに導くのか
- 昨年10月、TPPの大筋合意が発表された。これを受け、日本の農業の将来を危ぶむ報道が繰り返されている。だが農業に留まらない。食の安全、環境、保健医療、保険、公共サービスなどあらゆる分野が、外国企業の利益のために、根底から崩されようとしている。その協定内容も秘密にされたままである。TPPは日本と海外の市民生活をどこに導くのか。
【発行年月日: 2016年1月20日】