アジア・中東・アフリカで活動する国際協力NGOです。
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Trial&Error掲載記事

JVC会報誌Trial&Errorの記事の中から、全文掲載できる記事を集めています。まだまだ量は少ないですが、今後増やしていきます。

【スタッフのひとりごと】
ある大雨の日の出来事

震災支援現地統括 山崎 哲
2013年10月 8日 更新
ひとりごと:さとるさんイラスト/かじの 倫子

この8月に結婚をした。同時に7歳の男の子の父親となった。9月のある日、東京で働く妻と息子が私を訪ねて初めて気仙沼へやってきた。大雨の日曜日のほんの数時間ではあったが、今も残る大震災の爪痕の一部を車で見せて回った。

仮設商店街で遅めの昼食をとり、建物の基礎ばかりが残された平坦な市街地跡を抜け、その平野に不自然に座している大型漁船の前を通過し、校庭に建てられた仮設住宅団地を垣間見るなどした。

これらの光景が息子の目にはどう映ったのだろうか。それとなくたずねてはみたが明確な返答はなかった。何か言いたそうではあったが。

No.298 「アラブの春」から改めて中東を考える (2012年10月20日発行) に掲載】

【スタッフのひとりごと】
見知らぬ花束

アフガニスタン事業担当 加藤 真希
2013年10月 8日 更新
ひとりごと:加藤さんイラスト/かじの 倫子

先日、外出中に携帯電話が鳴って、出ると宅配の人からだった。「お花が届いているのですがご在宅ですか?」と言われ、一瞬きょとんとした。花なんて、誰かにもらう筋合いがあったかしら? 誕生日でもないのに? 送り主を尋ねると、聞き慣れない会社名の「なんとかグリーン」さんで、住所が神奈川県だった。ますます訳がわからない。とりあえず不在票を置いてもらうことにして電話を切った。花というのを聞き間違えたかも? 誰かと間違えてるんじゃないのかな? ...考えても考えても、全然思い当たる節がない。

帰宅して不在票を確認すると、やはり「なんとかグリーン」さんから「私」宛に「花」のお届けがあることになっていた。再配達までの間も、頭からハテナが拭えない。

No.299 変わるラオスで 変わらないラオスで (2012年12月20日発行) に掲載】

ひとりごと:金子さんイラスト/かじの 倫子

パレスチナに赴任した直後の頃に最大のミステリーのひとつだったのが、「女性はどんな髪型をしているのか?」ということだった。いつもヒジャブと呼ばれるスカーフで髪を覆い、髪型が一切見えないからである。活動の一環でガザの家庭を突撃訪問するようになり、自宅でヒジャブを取った女性たちの姿を初めて見たときは、マジマジ見入ってしまったのを覚えている。

ガザ女性たちは結構な割合で髪を染めている。茶色だったり金髪だったり、いわゆる派手目な色を好んで、既婚者は大概セミロング、若い女性たちはロングで、一本の三つ編みにしていたり、大き目の髪飾りを付けたりする。日本人に比べると、くせ毛や天然パーマ(いい具合にくるくるしている)が多く、目鼻立ちもしっかりしていて、まつ毛も長いせいか、ヒジャブを脱ぐと素晴らしくゴージャスな感じが漂う。

No.302 アジアを包みこむ新しい貿易協定の行方 (2013年6月20日発行) に掲載】

【スタッフのひとりごと】
先生の記憶と生徒の思い出

支援者担当 宮西 有紀
2013年10月 8日 更新
ひとりごと:宮西さんイラスト/かじの 倫子

だいぶ前に見たテレビでこんな場面がありました。ある先生の出張授業。最後にひとりの主婦が「先生、私のこと見て何か感じませんか?」と切り出しました。その先生はしばらく黙って、そしてにっこり。「...ずっと感じてましたよ。26年前、○○市立○○中学校3年5組 旧姓○○△△さん。今回、テレビ局に届いた手紙、あなたが書く"と"という文字、2画なのに一筆書きなところがちっとも変わってない。教師にとって生徒は子どもなの。あなたもお子さんがいらっしゃるでしょ。親が子どものこと忘れますか?忘れないでしょ」気がついたら涙がぽろぽろ流れていました。そして、ある先生のことを思い浮かべました。

No.304 国境が引かれ、対立と不信が残された後で (2013年8月20日発行) に掲載】

【ODAウォッチ:プロサバンナ事業】
「食料安全保障」か「食料主権」か

調査研究・政策提言担当 高橋 清貴
2013年9月19日 更新

ODA のプロサバンナ事業に関する連載。3 回目の今回は、6 月のTICAD の際に提出された公開書簡の内容と、「食料安全保障」と「食料主権」というふたつの言葉の違いからこの事業の問題点を考える。(編集部)

国際会議の陰で

アフリカ五十四ヵ国のうち五十一ヵ国が参加した第五回アフリカ開発会議(以下TICAD)は六月三日、『横浜宣言』※注(1)を作成して閉幕した。最貧国が集まるアフリカを底上げするために一九九三年に日本主導で始まったTICADだが、今回は「躍動するアフリカと手を携えて」を基本テーマとし、民間セクター主導による経済成長を重要視し、その恩恵をあまなく行きわたらせることを目指す方向性が強く打ち出されたものとなった。特に、インフラ、製造業、観光業に加え、農業への投資促進が強調し、自給自足の小規模農業から商業的農業経営への移行を目指すとしている。

この大きな会議に、私たちの招きで二度目の来日を果たしたモザンビークの農民たちは、ホスト国の安倍首相にレセプションで会い、民間投資による大規模農業開発に明確に反対する意を伝える公開書簡※注(2)を手渡した。この書簡のなかで、農民たちは次の様に訴えた。

No.304 国境が引かれ、対立と不信が残された後で (2013年8月20日発行) に掲載】

【スタッフのひとりごと】
たたかうならスポーツで!

アフガニスタン事業現地統括 小野山 亮
2013年6月28日 更新
素振りに燃える小野山

先日、アフガニスタンでの活動を行なう別のNGOの皆さんと「いっしょに卓球をしよう!」という話になって、体育館の設備を借りたことがありました。実はJVCにはかつて学生時代に鳴らした強豪選手がいて、その圧倒的なパフォーマンスは体育館中の注目を集めたのでした。

さて、なぜ「卓球」なのかというと、そのNGOの皆さんはアフガニスタンに入れない時や経由の際に隣国のパキスタンなどで気晴らしで卓球しているんですよ、というところから盛り上がったのです。紛争地での活動と卓球!? ちょっと結びつかないですが、忙中閑あり(忙しい中にもわずかな暇はあるものだ)でしょうか。

No.301 生き残った私たち3 (2013年4月20日発行) に掲載】

【ODAウォッチ:プロサバンナ事業】
農民に向き合えない農業支援とは

南アフリカ事業担当 渡辺 直子
2013年5月13日 更新

前号から連続してとりあげているODAのプロサバンナ事業。2回目の今回は、「農民主権」という視点からこの事業の問題点を見てみたい。(編集部)

モザンビークから招へい

去る二月二十四日~三月一日、日本・ブラジル・モザンビーク三角協力によるモザンビーク北部地域における大規模農業開発事業「プロサバンナ」に関連して、日本の市民社会の招聘で、UNAC(モザンビーク全国農民組織)の二名と同国の環境団体JA(Justica Ambiental) の一名が来日した。外務省やJICAとの面会や一般向けセミナーを通じて、彼らが語ったことをお伝えする。

現在、モザンビークでは人口の七割が農村部に暮らして自給的農業を営み、国内総生産の三割を生み出している。プロサバンナ事業の対象地域においても、家族的経営農業のもと主食のメイズや豆、葉物野菜や根菜類など様々な作物が収穫されている。「サバンナ地域」というイメージに反して雨も降ることから森林も豊富で、人びとは森林からも木の実や果実、動物などの多くの食料を得ている。

プロサバンナ事業は、こうした地域において千四百万ヘクタールという莫大な土地を開発し、輸出用大豆の栽培を目的とするものだ。当然のように小農の土地は収用され、森林も伐採前号から連続してとりあげているODAのプロサバンナ事業。2回目の今回は、「農民主権」という視点からこの事業の問題点を見てみたい。(編集部)ODAウォッチ:プロサバンナ事業 第2回されるだろう。事業を推進する側の外務省・JICAも、すでに対象地域の住民移転の可能性を認めている。そして現地の農民たちはこの事業に関する適切な情報にアクセスもできず推進プロセスに参加もできないことから、大きな不安を抱えている。

No.301 生き残った私たち3 (2013年4月20日発行) に掲載】

【ODAウォッチ:プロサバンナ事業】
モザンビーク・プロサバンナ事業とは何か?

調査研究・政策提言担当 高橋 清貴
2013年3月12日 更新

今号から数回にわたり、モザンビークにおけるODA 事業「プロサバンナ」を取り上げる。JVC の直接的な活動地ではないが、この事業をとりまく問題点を整理していくことで、現在の開発援助を考える上で重要な視点を提示したい。(編集部)

プロサバンナ事業とは

「プロサバンナ」(ProSAVANA-JBM)というODA事業を知っているだろうか? 正式には「日本・ブラジル・モザンビーク三角協力による熱帯サバンナ農業開発プログラム」と言い、モザンビーク北部地域の千四百万ヘクタール(日本の耕作面積の三倍)を対象に行なわれる一大農業開発事業である。

「三角協力」とあるように、七〇年代日本がブラジルで行なった大規模農業開発事業(セラード開発、下枠参照)を成功モデルとして、日本とブラジルが連携してモザンビークで実施しようとするもので、その規模は中小農民四十万人に直接、間接的には三百六十万人の農業生産者に裨益(ひえき)すると謳われている。今、この事業が注目を浴びている。それは、様々な意味で関心が集まるアフリカでのこの旧来的な開発事業(大規模な農業近代化)が、あまりに多くの問題を内含しているからだ。

No.300 消えない傷の代償を誰が支払うのか (2013年2月20日発行) に掲載】

パレスチナから見ると

座談会の様子

谷山・ここからは、JVCの現場との関連について考えてみましょう。まずは、お隣のエジプトは民主化したけれどもその影響を受けるような動きが、パレスチナで見られますか?

JVCパレスチナ前現地代表福田(以下福田)・エジプトの民衆を応援するデモはいくつかありました。パレスチナの人が言うには、エジプトの革命は、親米政権に対する民衆の不満が爆発したということでした。一方、パレスチナでは民主的に行なわれた選挙結果が覆されています。次のインティファーダが起こるとすれば、欧米に押し付けられた政権であり腐敗に満ちたファタハ政府に対するものという声もあります。

No.298 「アラブの春」から改めて中東を考える (2012年10月20日発行) に掲載】

JVC代表谷山(以下谷山)・今回は朝日新聞の川上泰徳さんにお越しいただきました。川上さんは長年中東各地に駐在され、今回の「アラブの春」の一連の動きを現地で取材されていました。まず最初に、少し大局的な視点からいまこの中東・アラブで起きている変動について三つの「なぜ」をあげてお話をうかがいます。

no298-川上氏

川上泰徳(かわかみ・やすのり)

朝日新聞国際報道部・機動特派員。長崎県生まれ。中東アフリカ総局員(カイロ)、エルサレム支局長を経て、中東アフリカ総局長兼バグダッド支局長。編集委員、論説委員を経て、2012年4月より現職。著書に『イラク零年』 (朝日新聞社)、『現地発 エジプト革命』(岩波書店)、『イスラムを生きる人びと』(岩波書店)。パレスチナ報道で、2002年度ボーン・上田記念国際記者賞。

No.298 「アラブの春」から改めて中東を考える (2012年10月20日発行) に掲載】

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