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カンボジアにおけるCSO開発効果とNGO法の動き

JVCカンボジア現地代表 若杉 美樹
2011年9月22日 更新

今も数多くの国際 NGO が活動するカンボジア。だからこそなのか、実はカンボジアでは CSO 開発効果の議論がいち早く活発化しており、すでにナショナル・ コンサルテーションも開催されている。そこには、NGO の活動に枠をはめようとする法律制定への警戒感があった。現地からその動きを報告する。(編集部)

いち早く始まったCSO開発効果の議論

アクラ行動計画の採択と「CSO開発効果に関するオープン・フォーラム」の設立を受けて、カンボジアでは〇九年から一〇年にかけて県レベルのワークショップを五回、全国レベルのナショナル・コンサルテーションを三回開催している。政府や自治体代表を含め六百人もの関係者がこの協議に参加したことになる。その背景には、カンボジア政府のNGO法制定の動きがある。

CCCなどのNGOの連合体は、NGOを一方的に規制するこの法律が制定される前に、NGO自らが開発効果向上に向けた指針を示し、かつNGOの活動が保障される民主的な環境を整えることを目指している。以下、NGO法制定の動きとNGOがそれにどのように対応しているかを述べる。

NGOをしばるNGO法?

NGO法の制定の動きは、九五年に政府が「NGOの活動に対して法的根拠が必要」と主張したことが始まりで、〇八年九月にフン・セン首相が法制定を促進すると言及、一〇年十二月十五日に内務省が計十一章にわたる法案のドラフトを公開した。九三年の民主化以前から現在に至るまで、数多くのNGOの活動が草の根レベルで人々と社会を支えてきたこの国において、この法律はどのような影響をもつのだろうか。

政府が主張するNGO法の必要性は、第一に「テロリスト」からの資金がカンボジアに流れることを防ぐこと、第二にNGOはガバナンス能力が脆弱なためにNGOを監督し能力強化するため、とされている。しかし、今回のドラフトに関しては多くの懸念点が留意される。

まず、カンボジアで活動するにあたって政府への登録が必要となることだ。未登録の団体は、法人格が与えられずNGOの名前を掲げての活動はできなくなる。国際NGOの場合には加えて外務省との覚書が必要となるが、これを取り交わす際にも、国内に事務所を設置していること、カンボジア国外には本部事務所があり何らかの法人登録をしていることなどが必要になってくる。法に使用されている用語が曖昧なことも、意味の解釈や定義を非常に困難なものにしている。

さらに、前年度決算や次年度計画の報告義務が課されることになり、これに違反した場合には国内NGOの場合は警告及び三ヵ月以下の活動停止、国際NGOは警告の後いきなり覚書が無効となってしまう。無効となった場合の対応に関しての記載はない。

一方的通知に終わった協議

ドラフト公開後、翌一月十日に内務省はNGO法に関する協議を開催した。国内及び国際NGO約百二十団体が参加したが、参加できたのは内務省が選別したNGOのみであった。日本のNGOではJVC他三団体が招集された。当日は内務省のプレゼンテーションでは質疑応答が認められず、出席者が発言できたのは午後のグループディスカッションだけであった。

日本のNGOは事前に情報共有するとともに、懸念事項をまとめた文書をCCC及び日本大使館に送付して大使館に協議の場への参加を依頼した。その結果、英国・韓国とともに日本の三ヵ国は大使自らが協議に出席した。午後の国際NGOに関連するグループディスカッションの場でも、日本大使館は最初に手をあげて発言、NGO法と民法との整合性や事務の煩雑さなど多くの問題点を指摘した。これに影響されてか、他国のNGOも自国大使館への働きかけを強めることが確認されている。

CCCは、今回のドラフト公開以前から、政府との協働ワーキンググループの作成や、協議の続行を求める旨の声明文を内務省に送付するなど積極的に活動している。これを受けて一月二十一日に内務省とNGO側代表八名が会合を持ち、幾つかの条項は修正された。今後もNGO側はCCCを中心として、セカンドドラフトの公開と協議の継続の要請、今年四月中旬と予想されている当法案の国会への提出の前段階における大臣会議への働きかけなどを軸に取り組みを進めていく予定である。

自由と主体性の確保のため

カンボジアにおいて、CSO開発効果は理念の議論ではない。CSO/NGOが政府との関係の中で活動の自由と主体性を確保できるかどうかのチャレンジそのものなのである。オープン・フォーラムの第二回世界大会は、今年六月にこのカンボジアで開催される。これは、このNGO法がCSO/NGOの活動を必要以上に縛るものにならないよう、CSO/NGO自らが国際的な議論と監視の目を自国に呼び込んだのである。

Cooperation Committee for Cambodia:多くの国内・国際 NGO が加盟するカンボジアの NGO 連合体。

No.286 我が振り正して他人に示す (2011年2月20日発行) に掲載】

※後日、掲載年月別一覧を用意します。

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