
広報担当 広瀬哲子
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3月20日で、イラク戦争が始まってから6年になりました。
イラクでは開戦以来の民間人の死者数は15万人を超え、避難生活を送る人は470万人にも上ります。こんな状況を、6年前に誰が想像したでしょうか。イラクのみならずアフガニスタン、パレスチナでも、一般市民が武力の被害に遭いつづけています。
今、これらの地の人々は何を思い、何を願っているのでしょうか。そこで3月21日、イラク、アフガニスタン、パレスチナの出身者を招いたトークセッションを開催しました。会場の明治大学には、学生や社会人など幅広い年代から100名近い参加者が集まりました。
JVC代表の谷山は、今回のイベントの趣旨をこう語ります。
「2003年、日本も含めた国際社会はイラクに攻撃することを容認してしまった。戦争の原因やなぜ戦争が終わらないのかが分からないまま、『対テロ』の名の元で大国の介入や占領が続き、人々が苦しんでいる。今、これらの国の人たちの声に耳を傾けて、この問題を振り返りたい。そして私たちができることのヒントを得て、次のアクションにつなげていきたい」
イラク
イラクからのゲストはモハメッド・シャキル氏。バグダッド出身の医師であるシャキル氏は、大阪大学に留学中です。
「ブッシュ大統領はイラクにDemocracy(民主主義)をもたらすと言って戦争を始めたが、結局もたらされたのは違う「D」、一般市民の「Death(死)」だった。1ヶ月半前にバグダッドに帰ったが、あらゆるところに検問所があり、装甲車に見張られている。いつ撃たれるか分からない。今、世界はイラクのことを忘れてしまっているのだろうか。何が起こっているのか知らされていない。日本は1945年以来戦争に参加してこなかったのに、イラクに自衛隊を派遣したのは憲法違反だ。なぜ日本の政府は9条を変えようとしているのだろうか。世界の紛争を解決するために必要なのは賢い政治家で、武力は必要でない。テロリストは戦争への反作用として動いているので、武力はむしろテロリストに口実を与えてしまう」
アフガニスタン
アフガニスタンからのゲストはアミン・レシャード氏。カブール小児病院、パキスタン難民キャンプで医師として活動した後、静岡県で老人介護施設の副施設長を務めてます。
「アフガニスタンは砂漠ばかりでどこに人が住んでいるの?と思われるかもしれないが、アフガニスタンは緑や花にあふれた国。今、空爆や自爆で多くの民間人が亡くなっている。テロリストを狙うと言って村全体が空爆されている。これは反テロの戦いではない。反アフガニスタンの戦争だと思う。こんな軍事作戦は見直されるべきだ。必要なのは対話だ。アルカイダとタリバンを区別して、タリバンとは対話していかなければならない。そして国造りのためには、村にあるコミュニティ(ジルガ)を育成していく必要がある」
パレスチナ
パレスチナからのゲストはイヤッド・マンスール氏。川口でパレスチナ料理のレストランのオーナーシェフを務めています。
「イラクやアフガニスタンは戦争で大変だけれども、国はある。お金がない国もたくさんあるけれども、自由がある。それがパレスチナにはない。生まれてから今まで35年間、僕は心から笑ったことはない。自分の家から50mでも、撃たれてしまうことがある。私たちは人間だ。テロリストではない。パレスチナに爆弾を起こす人はテロリストではないのか?イスラエル人だから?僕はどんな宗教のためにも死にたくない。子どもの子どもの子どもの世代の自由のためには何でもしたい。メディアが伝えないことが多すぎる。思っていること、事実を伝えて行きたい。パレスチナの子どもがこれ以上苦しまないために、一番大事なことは、アクション。聞くだけでなく、行動することだ」
来場者の声
これらの地域の出身者の声を生で聞く機会は多くありません。後半のパネルディスカッションでは参加者からの質問も受け、あっという間の3時間でした。参加してくださった方々から多くの感想をいただきました。一部を紹介します。
「ゲストの方々の祖国に対する愛情と深い悲しみがひしひしと伝わってきて、この問題(私たちが日常のメディアから聞くことでなく本質的な部分)の重大さが伝わってきました。これから、平和な国にいる日本人の私は何ができるだろうと思っっています」
「JVCの方々の話を何度も聞いて勉強になったのですが、やはり、現地の戦争当事者の方々の話を聞けてまた更に衝撃を受けました。とにかく学んで、そしてアクションをしっかりと起こしていきたいと思います」
「シャキルさんが『外国軍の駐留はいらない、融和が大切だ』とおっしゃったこと、イヤドさんが『イスラエルが分断を促している』と訴えたことが印象的でした。分断が生み出すのが戦争だと強く感じると同時に、日本の政治が変わる必要があると感じました」
「今後どうやって平和を創造してゆくかが大切だと思います。対話、和解、融和…、こうした言葉が出ましたが、では誰と誰がどういうふうに具体的に行っていくべきか、それに対し日本を含め国際社会はどのような支援が可能か。『平和』を現実にする討論を強く望んでいます」
「我々も当事者であり、同じ根本原因からの有形、無形の圧力の中にあることを自覚し、この『システム』を変えることを、国を変えることからはじめ、これまでとは別の平和ネットワークを作っていきたい。今回のこの機会はとても大事な起点(結び目)となったと思います」
アンケートの声をもとにまた新しいイベントを企画していきます。引き続きご期待ください。
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